変化してきたIWC4
投稿者: maeenntotyau 投稿日時: 2010/02/10 22:44 投稿番号: [5791 / 15828]
そして潮目に変化の兆し
全体の会議はほぼ一カ月にも及ぶ長丁場だが、前半の科学委員会などは非公開。メディアが取材できるのは最後の総会だけである。それも九九年総会からで、それ以前はまったくの密室での会議だった。
今年新しく加盟した国はモンゴル、パラオ、ガボン、ベニン、サンマリノ、ポルトガルの六カ国。サンマリノ、ポルトガルを除く四カ国は捕鯨に理解を示す立場を表明した。そのためにメディア、とくに欧米のメディアが四カ国の代表団に同じ質問を執拗に繰り返した。
「下関に来ることで日本はどんな援助を約束したのか」
金でつられた一票だ、といわんばかりの悪意に満ちた質問である。政府代表に対するなんと無礼な振るまいではないか。さらには総会の席でも島嶼国の主権を無視するような発言が相次いだ。
八二年のモラトリアム採決以来、大国対大国の対立ばかりがエスカレートし、島嶼国などいわゆる、小国の存在を否定しかねないような状況が続いてきたことも事実である。
しかし下関では流れが変わってきた。大国の露骨ないやがらせにカリブ海や太平洋の九カ国の代表がそろって記者会見し、「米英など反捕鯨国がIWCの趣旨をゆがめている。クジラは貴重な食糧としてわれわれの生活に絶対必要だということもわかってほしい」と厳しく批判した。
総会での各国代表演説でも「われわれ小国にも沿岸国の主権は守られるべきである。そもそも人類の文明は複合性、多様性を持ち、外部から生活慣習を押し付けられるものではないし、ましてやそうすることは認められないことである」など、反捕鯨勢力の傲慢な態度に反発する発言が目立つようになった。
沿岸国ばかりかモンゴルのように内陸にある国も、「海洋資源の将来」に強い関心と資源活用の権利を明確に主張したことは特筆すべきことだ。日本の科学的調査で、世界の漁獲量の三倍から五倍もの海洋資源をクジラが捕食していることが明らかになったことと密接な関係がある。つまりクジラの保護は、逆に貴重な海洋資源の持続的利用に深刻な影響を与えるおそれがあると考える国が増えてきたことを意味する。
公開による五日間の総会は、捕鯨派と反捕鯨派の激突の場となる。それぞれが提案した議題について激論を交わすのだが、多くの提案はこれまで際限もなく論じられてきたお馴染みのもの。お互いのせりふ回しまでわかっているようなものである。
「うそつき」「陰謀」といった国際会議には不似合いな感情剥き出しの罵声も飛び交い、そして何度となく投票を繰り返す堂々巡りの連続だ。
今回の主な議題は、(1)アイルランド再加盟(2)無記名投票(3)日本沿岸五十頭捕鯨枠(4)南太平洋・南大西洋サンクチュアリ(禁猟区)(5)先住民生存捕鯨(6)改訂管理制度(RMS)−−などだ。このうち(3)から(6)は拘束力のある決議で成立には投票総数の四分の三以上の賛成票が必要になる。逆にいえば四分の一の票さえ固めれば重要提案を葬り去ることが可能でもあるのだ。
簡単に議題の内容を説明しよう。
反捕鯨派の強引な総会運営に抗議して脱退したアイルランドが昨年につづいて今年の総会でも再加盟を申し入れた。捕鯨条約では「いかなる国でも加盟できる」(第十条)とあるのに、反捕鯨派は昨年同様投票権のないオブザーバーでの参加を認める動議で対抗した。(2)は挙手では大国の影響を受けやすい国々でも無記名投票で自由に態度表示することを期待する捕鯨派の提案だ。結果はいずれも反捕鯨派が過半数を上回った。(4)はオーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどが毎年提案しているものだが、四分の三に達せず否決された。ただ賛成・反対の票差は年々接近している。
ごり押しにも限界
捕鯨条約は附表で、捕鯨の伝統を持つ米国のイヌイット、ロシアのチュコトカ人など先住民の生活維持に欠かせない捕鯨を認めている。(5)はその捕鯨権に関することで日本も人道的な観点から賛成してきた。そして長い間、慣例的にイヌイットにホッキョククジラ(あのチャーチル君と同じ種)年間五十一頭、ロシアにコククジラ年間百二十頭を割り当ててきた。日本は(3)にあるように、かねてから太地(和歌山)、鮎川(宮城)など国内四カ所で行ってきた伝統捕鯨を先住民生存捕鯨と同じように認めるべきだと主張してきた。しかし「形を変えた商業捕鯨だ」とする反捕鯨派によって(3)は毎回否決されてきている。
全体の会議はほぼ一カ月にも及ぶ長丁場だが、前半の科学委員会などは非公開。メディアが取材できるのは最後の総会だけである。それも九九年総会からで、それ以前はまったくの密室での会議だった。
今年新しく加盟した国はモンゴル、パラオ、ガボン、ベニン、サンマリノ、ポルトガルの六カ国。サンマリノ、ポルトガルを除く四カ国は捕鯨に理解を示す立場を表明した。そのためにメディア、とくに欧米のメディアが四カ国の代表団に同じ質問を執拗に繰り返した。
「下関に来ることで日本はどんな援助を約束したのか」
金でつられた一票だ、といわんばかりの悪意に満ちた質問である。政府代表に対するなんと無礼な振るまいではないか。さらには総会の席でも島嶼国の主権を無視するような発言が相次いだ。
八二年のモラトリアム採決以来、大国対大国の対立ばかりがエスカレートし、島嶼国などいわゆる、小国の存在を否定しかねないような状況が続いてきたことも事実である。
しかし下関では流れが変わってきた。大国の露骨ないやがらせにカリブ海や太平洋の九カ国の代表がそろって記者会見し、「米英など反捕鯨国がIWCの趣旨をゆがめている。クジラは貴重な食糧としてわれわれの生活に絶対必要だということもわかってほしい」と厳しく批判した。
総会での各国代表演説でも「われわれ小国にも沿岸国の主権は守られるべきである。そもそも人類の文明は複合性、多様性を持ち、外部から生活慣習を押し付けられるものではないし、ましてやそうすることは認められないことである」など、反捕鯨勢力の傲慢な態度に反発する発言が目立つようになった。
沿岸国ばかりかモンゴルのように内陸にある国も、「海洋資源の将来」に強い関心と資源活用の権利を明確に主張したことは特筆すべきことだ。日本の科学的調査で、世界の漁獲量の三倍から五倍もの海洋資源をクジラが捕食していることが明らかになったことと密接な関係がある。つまりクジラの保護は、逆に貴重な海洋資源の持続的利用に深刻な影響を与えるおそれがあると考える国が増えてきたことを意味する。
公開による五日間の総会は、捕鯨派と反捕鯨派の激突の場となる。それぞれが提案した議題について激論を交わすのだが、多くの提案はこれまで際限もなく論じられてきたお馴染みのもの。お互いのせりふ回しまでわかっているようなものである。
「うそつき」「陰謀」といった国際会議には不似合いな感情剥き出しの罵声も飛び交い、そして何度となく投票を繰り返す堂々巡りの連続だ。
今回の主な議題は、(1)アイルランド再加盟(2)無記名投票(3)日本沿岸五十頭捕鯨枠(4)南太平洋・南大西洋サンクチュアリ(禁猟区)(5)先住民生存捕鯨(6)改訂管理制度(RMS)−−などだ。このうち(3)から(6)は拘束力のある決議で成立には投票総数の四分の三以上の賛成票が必要になる。逆にいえば四分の一の票さえ固めれば重要提案を葬り去ることが可能でもあるのだ。
簡単に議題の内容を説明しよう。
反捕鯨派の強引な総会運営に抗議して脱退したアイルランドが昨年につづいて今年の総会でも再加盟を申し入れた。捕鯨条約では「いかなる国でも加盟できる」(第十条)とあるのに、反捕鯨派は昨年同様投票権のないオブザーバーでの参加を認める動議で対抗した。(2)は挙手では大国の影響を受けやすい国々でも無記名投票で自由に態度表示することを期待する捕鯨派の提案だ。結果はいずれも反捕鯨派が過半数を上回った。(4)はオーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどが毎年提案しているものだが、四分の三に達せず否決された。ただ賛成・反対の票差は年々接近している。
ごり押しにも限界
捕鯨条約は附表で、捕鯨の伝統を持つ米国のイヌイット、ロシアのチュコトカ人など先住民の生活維持に欠かせない捕鯨を認めている。(5)はその捕鯨権に関することで日本も人道的な観点から賛成してきた。そして長い間、慣例的にイヌイットにホッキョククジラ(あのチャーチル君と同じ種)年間五十一頭、ロシアにコククジラ年間百二十頭を割り当ててきた。日本は(3)にあるように、かねてから太地(和歌山)、鮎川(宮城)など国内四カ所で行ってきた伝統捕鯨を先住民生存捕鯨と同じように認めるべきだと主張してきた。しかし「形を変えた商業捕鯨だ」とする反捕鯨派によって(3)は毎回否決されてきている。
これは メッセージ 5790 (maeenntotyau さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143583/ja7dfa4offckdca4ncq_1/5791.html