挑戦新話
投稿者: netuzouhanntaii 投稿日時: 2003/10/12 22:09 投稿番号: [89898 / 232612]
「朝鮮新話」
鎌田沢一郎
昭和25年
創元社
(灰色文字は管理人注)
井上馨公使が生前閔妃を語って「吾輩が国王に謁見するとき、たいがい閔妃は国王の椅子の背後、屏風の中に隠れていて、国王との交渉を一々聞いていた模様であった。(閔妃暗殺)事件の起こる前に、辞任帰朝の挨拶のため、国王に謁見すると、例の屏風の中から優しい小さい声で何か語っていたが、通訳によってそれが、辞任帰国されると聞いて名残惜しい。今後も朝鮮のために尽力頼む、今度の三浦公使は、何だか怖いような爺さんだ――との挨拶であったが、三浦を怖い爺さんと直覚したのは、いわゆる虫が知らせたのかもしれない」と言っている。当時の朝鮮婦人は、外国人でなくとも、男には一切会わない習慣で、宮中のみでなく庶民もそうであった。普通の家庭でも障子や襖のうちから、三人称を用いて来客と話をするのだ。
閔妃事件の中心人物三浦観樹(梧楼)は「閔妃は女性としては珍しく才分の豊かな豪(つよ)い人であった。わが輩が宮中へ行って、国王と話をする度毎に、王さんの椅子の後ろで、何だか声がするのだがそれが閔妃であったのだ。椅子の背後の襖をそっと開け国王になにかと注意するのが段々と分ってきたが、最初伺候したとき、この国の習慣として、婦人は男子に面会することが出来ないのですが、何卒よろしくご指導を乞う――と通訳に言わせたが、なかなか如才のない人だ」と言うている。ただ朝鮮の人に聞くと「姦才縦横――性刻薄惨忍、殺を好み――牝鶏晨(ひんけいあした)を告ぐるものだ(女が権勢をふるい政治を乱すたとえ)」と評し、死後余りほめる人はいなかった。
(中略)
ただ男勝りの女性の陥りやすい欠点として、彼女もまた俳優や嬖人(へいじん=気に入りの者)や、雑輩に取り巻かれて得意になり宮中の胥吏(しょり=小役人)、兵卒の中から声のよい美少年を選抜し、女装させて身辺に侍らせ、李範晋のような美男で、歌舞をよくする者は、自由に宮中に出入りさせ、果ては大臣にまで登用してその寵をほしいままにした。また得に銭を愛し、李太王(高宗)とともに随分官を売って金を貯めた。また迷信を信じ巫子(シャーマン)神霊君もっともその信任を得、北廟を建てて一事一物この巫女の指示に従うという有様であった。
これは メッセージ 89871 (sinjin8888 さん)への返信です.
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