プーチンは突然登場したのではない。1
投稿者: ahoahoahochann7 投稿日時: 2003/07/15 21:20 投稿番号: [78352 / 232612]
以来、彼は今日に至るまで、まさにKGBらしく、音なしの構えで、着々とこの膨大な廃
墟と化した国の再建に手をつける。それはまさに、前人未踏の大事業、というにふさわ
しいもので、一体、何処まで成功するものかと、全世界が固唾を飲んで就任以後2年間、
ひたすら見守ってきたのである。
その成果は、彼にとって意外なるハプニング、ニューヨーク・テロ事件によって決定的
な進展を見ることになる。もちろん、これなしでも、彼の成果は、彼にとって幸いにも
原油価格の上昇、という要因もあって、昨年前半あたりから着々と見るべきものが見え
はじめていた、といえるであろう。エコノミストを始め、幾つかの大手マスコミが、ク
レムリンの屋根を作業服姿で大掃除したり、がたがたのラダ(ソ連製ジープ)を修理し
ているプーチンの姿を画き出したのも、この頃からである。
ニューヨーク事件は、実際、まさに彼にとっては神風に近いものがあった。戦時体制を
しいた米ブッシュ政権に対し、彼は中央アジア諸国への着陸権から始まる、従来では
考えられぬ妥協に応じ、その代償として、ブッシュが一方的に破棄したABMミサイル
防御協定についても、散々、じらした挙句、米のABM協定からの撤退は‘暗黙の内に’
認める、但しブッシュやラムズフェルドが主張しているような、一方的なNMDの採用
は認めず、話し合いで妥協点を見出す、というコンセンサスを取り付けた。
国内では、主幹産業とマスコミを牛耳っていたベレツォフスキーを初めとする、エル
ツィンの御取巻き一派を次々と粛清し、彼の出身地であるサンクト・ペテルスブルグの
腹臣達を要職に据えつつある。余談だが、これには二派あって、一つはシロブニキと
いわれる、グリツォフ内務省、イワノフ国防相、KGBの後身FSB議長のパトルシェフな
ど、もう一派はリベラル派で、グレーフ経済相、クドリン蔵相などがこれにあたる。
最近、特に目立ったのは、旧体制の代表の一人であるアクショネンコ鉄道省の更迭で
あるが、これにあたっては従来プーチンにとってガンの一つであった法務を預かるエル
ツィン一派、中でも検事総長ウスチノフの全面協力があったからといわれている。
残るは、エルツィン一派の勘定を掌握しているウォロシン大統領府長官、カシアノフ
首相、チュバイス・エネルギー公社総裁、元大統領府総務担当官ボロデインあたりだが、
プーチンの上司であったボロデイン以外は早晩失脚すると見られている。
さらにプーチンは、極右派ジリノフスキーについても、従来の一方的な西側攻撃を
トーンダウンさせ、前述の米ABM協定からの撤退にも‘理解を示す’旨の言質を取り
付けるなど、万事に亘って抜け目のないところを見せつけた。
国の経済環境は、まだ決してバラ色とはいえないが、昨年、世界のいずこを向いても最悪の
状況なのに反して、中国とともに唯一、ロシアだけは成長率5.5パーセントの好成績を残し、
今年も原油価格が18ドル以下にならぬ限り、4パーセントの成長率が確実視される。
対外負債は依然1,600億ドルと巨大な数字であるが、昨年10月、プーチンはIMFの借入
120億のうち、2003年末返済期限の来る48億のうち、27億をとりあえず返却することを
提案した。
今、ロシアで最も注目すべきことがらの一つとして、国民の大半がプーチンを信用して
いる点が挙げられよう。クリスマス前夜、彼は国民から直接質問を受ける150分のテレビ
インタビューに応じる、という‘離れ業’をやってのけたが、物凄い評判で、ピークには
一秒間で20の質問があったといわれる。ただし、だからといってプーチンが全面的に開放
ムードに乗った、と思うのは全くの誤りである。現に、マスコミ関連では、反政府派の長
たるベレツオフスキー、グシンスキーの追放によって主たるテレビ・新聞をほぼ押さえ込
んでおり、報道の自由は極めて限定されている。
彼の最大の問題は、法治体系を筆頭とする政府官僚組織のいまだ旧態依然としたシステム
改革、税体系の改革、投資環境の改善などであるが、いずれも何処から手をつけてよいか
分らぬほどに入り組んでおり、まともな成果を得るには一世代かかるであろうというのが
内外の一致した意見である。共産党や軍強硬派の抵抗は依然強く、彼の命は終始、危険に
晒されているともいわれ、まさに大役ではあるが、ロシア国民のためにも、彼の長期政権
が続くことが望まれる。
墟と化した国の再建に手をつける。それはまさに、前人未踏の大事業、というにふさわ
しいもので、一体、何処まで成功するものかと、全世界が固唾を飲んで就任以後2年間、
ひたすら見守ってきたのである。
その成果は、彼にとって意外なるハプニング、ニューヨーク・テロ事件によって決定的
な進展を見ることになる。もちろん、これなしでも、彼の成果は、彼にとって幸いにも
原油価格の上昇、という要因もあって、昨年前半あたりから着々と見るべきものが見え
はじめていた、といえるであろう。エコノミストを始め、幾つかの大手マスコミが、ク
レムリンの屋根を作業服姿で大掃除したり、がたがたのラダ(ソ連製ジープ)を修理し
ているプーチンの姿を画き出したのも、この頃からである。
ニューヨーク事件は、実際、まさに彼にとっては神風に近いものがあった。戦時体制を
しいた米ブッシュ政権に対し、彼は中央アジア諸国への着陸権から始まる、従来では
考えられぬ妥協に応じ、その代償として、ブッシュが一方的に破棄したABMミサイル
防御協定についても、散々、じらした挙句、米のABM協定からの撤退は‘暗黙の内に’
認める、但しブッシュやラムズフェルドが主張しているような、一方的なNMDの採用
は認めず、話し合いで妥協点を見出す、というコンセンサスを取り付けた。
国内では、主幹産業とマスコミを牛耳っていたベレツォフスキーを初めとする、エル
ツィンの御取巻き一派を次々と粛清し、彼の出身地であるサンクト・ペテルスブルグの
腹臣達を要職に据えつつある。余談だが、これには二派あって、一つはシロブニキと
いわれる、グリツォフ内務省、イワノフ国防相、KGBの後身FSB議長のパトルシェフな
ど、もう一派はリベラル派で、グレーフ経済相、クドリン蔵相などがこれにあたる。
最近、特に目立ったのは、旧体制の代表の一人であるアクショネンコ鉄道省の更迭で
あるが、これにあたっては従来プーチンにとってガンの一つであった法務を預かるエル
ツィン一派、中でも検事総長ウスチノフの全面協力があったからといわれている。
残るは、エルツィン一派の勘定を掌握しているウォロシン大統領府長官、カシアノフ
首相、チュバイス・エネルギー公社総裁、元大統領府総務担当官ボロデインあたりだが、
プーチンの上司であったボロデイン以外は早晩失脚すると見られている。
さらにプーチンは、極右派ジリノフスキーについても、従来の一方的な西側攻撃を
トーンダウンさせ、前述の米ABM協定からの撤退にも‘理解を示す’旨の言質を取り
付けるなど、万事に亘って抜け目のないところを見せつけた。
国の経済環境は、まだ決してバラ色とはいえないが、昨年、世界のいずこを向いても最悪の
状況なのに反して、中国とともに唯一、ロシアだけは成長率5.5パーセントの好成績を残し、
今年も原油価格が18ドル以下にならぬ限り、4パーセントの成長率が確実視される。
対外負債は依然1,600億ドルと巨大な数字であるが、昨年10月、プーチンはIMFの借入
120億のうち、2003年末返済期限の来る48億のうち、27億をとりあえず返却することを
提案した。
今、ロシアで最も注目すべきことがらの一つとして、国民の大半がプーチンを信用して
いる点が挙げられよう。クリスマス前夜、彼は国民から直接質問を受ける150分のテレビ
インタビューに応じる、という‘離れ業’をやってのけたが、物凄い評判で、ピークには
一秒間で20の質問があったといわれる。ただし、だからといってプーチンが全面的に開放
ムードに乗った、と思うのは全くの誤りである。現に、マスコミ関連では、反政府派の長
たるベレツオフスキー、グシンスキーの追放によって主たるテレビ・新聞をほぼ押さえ込
んでおり、報道の自由は極めて限定されている。
彼の最大の問題は、法治体系を筆頭とする政府官僚組織のいまだ旧態依然としたシステム
改革、税体系の改革、投資環境の改善などであるが、いずれも何処から手をつけてよいか
分らぬほどに入り組んでおり、まともな成果を得るには一世代かかるであろうというのが
内外の一致した意見である。共産党や軍強硬派の抵抗は依然強く、彼の命は終始、危険に
晒されているともいわれ、まさに大役ではあるが、ロシア国民のためにも、彼の長期政権
が続くことが望まれる。
これは メッセージ 78350 (ahoahoahochann7 さん)への返信です.