浮島丸裁判
投稿者: hangyosyufu 投稿日時: 2003/06/25 21:51 投稿番号: [75763 / 232612]
「法廷の良心信じたのに」韓国人原告ら憤り
浮島丸訴訟
戦後補償、司法の苦悩も
“戦後史のミステリー”とされる「浮島丸事件」。被害者の韓国人らが国に賠償を求めた訴訟で、三十日の大阪高裁判決は、原告一部勝訴の一審判決から一転して「国に賠償義務はない」との立場を取った。司法に救済を求めた韓国人原告らは憤りをあらわにし、学者の評価は分かれる。戦後史の暗部に揺れる判断からは、戦後補償問題に向き合う司法の苦悩もにじみ出ている。
判決後、父親の全寿厳さんを事件で亡くした原告の一人、承烈さん(六一)が会見。「法とは弱者の立場に立ったもの。偏った判決で認められない。法廷の良心を信じたが、日本政府(の見解)と同じではないか」。原告弁護団団長の小野誠之弁護士も「非常に残念な判断」と話した。
多くの戦後補償裁判は、事象の発生時が明治憲法時代であるため、同憲法特有の「不法行為があったとしても国は個人への賠償義務を負わない」という法理(国家無答責)が壁となって賠償請求を退けられている。この壁を逃れても、「損害賠償請求の権利行使期間は二十年」という「除斥(じょせき)期間」の制度が新たなハードルになっているのが現状だ。
「戦後補償は本来は政治問題」という声が強い中で司法は、何とか現行法の枠内で補償を認めようと工夫している様子が最近の判決からうかがえる。「人権の砦(とりで)」と称される裁判所の「司法救済」だ。
その象徴ともいえるのが浮島丸訴訟の一審・京都地裁判決だった。「国と原告には旅客運送契約に類似した法律関係が成立していた」という法的論理を編み出し、国家無答責の法理が及ばない「契約上の安全配慮義務違反」を認定、国に賠償命令を出した。
これに対し大阪高裁の判決は、法的により厳密に原告の賠償請求権を勘案し、一審の「契約上の安全配慮義務違反」は適用できない、と請求を退けた。「司法救済」と「法的厳密性」のバランスの中で判断が揺れているのが、戦後補償裁判に向き合う司法の現状だ。
外務省アジア大洋州局北東アジア課の話 「控訴審では、国側のこれまでの主張が基本的に認められたと考えている」
■浮島丸事件 昭和20年8月24日夕、戦時中に日本で働いていた朝鮮人労働者やその家族らを帰国させるため、青森県大湊港から朝鮮・釜山に向かっていた「浮島丸」(4730トン)が航行中、舞鶴湾に立ち寄り、爆発、沈没した。政府の資料では朝鮮人3735人と日本人乗組員255人が乗り、朝鮮人524人と日本人25人が死亡したとされる。この事件は沈没原因が判然としないため“戦後史のミステリー”といわれる。今回の高裁判決では原因を「触雷であると推測するのが相当」と言及した。自爆説をうかがわせる関係者証言を一つひとつ判断した上で否定、(1)艦長ら乗組復員を強く望んでいた(2)現場が水深の深くないところ−などの要素を総合判断、「事故説」を採用した。
戦後補償、司法の苦悩も
“戦後史のミステリー”とされる「浮島丸事件」。被害者の韓国人らが国に賠償を求めた訴訟で、三十日の大阪高裁判決は、原告一部勝訴の一審判決から一転して「国に賠償義務はない」との立場を取った。司法に救済を求めた韓国人原告らは憤りをあらわにし、学者の評価は分かれる。戦後史の暗部に揺れる判断からは、戦後補償問題に向き合う司法の苦悩もにじみ出ている。
判決後、父親の全寿厳さんを事件で亡くした原告の一人、承烈さん(六一)が会見。「法とは弱者の立場に立ったもの。偏った判決で認められない。法廷の良心を信じたが、日本政府(の見解)と同じではないか」。原告弁護団団長の小野誠之弁護士も「非常に残念な判断」と話した。
多くの戦後補償裁判は、事象の発生時が明治憲法時代であるため、同憲法特有の「不法行為があったとしても国は個人への賠償義務を負わない」という法理(国家無答責)が壁となって賠償請求を退けられている。この壁を逃れても、「損害賠償請求の権利行使期間は二十年」という「除斥(じょせき)期間」の制度が新たなハードルになっているのが現状だ。
「戦後補償は本来は政治問題」という声が強い中で司法は、何とか現行法の枠内で補償を認めようと工夫している様子が最近の判決からうかがえる。「人権の砦(とりで)」と称される裁判所の「司法救済」だ。
その象徴ともいえるのが浮島丸訴訟の一審・京都地裁判決だった。「国と原告には旅客運送契約に類似した法律関係が成立していた」という法的論理を編み出し、国家無答責の法理が及ばない「契約上の安全配慮義務違反」を認定、国に賠償命令を出した。
これに対し大阪高裁の判決は、法的により厳密に原告の賠償請求権を勘案し、一審の「契約上の安全配慮義務違反」は適用できない、と請求を退けた。「司法救済」と「法的厳密性」のバランスの中で判断が揺れているのが、戦後補償裁判に向き合う司法の現状だ。
外務省アジア大洋州局北東アジア課の話 「控訴審では、国側のこれまでの主張が基本的に認められたと考えている」
■浮島丸事件 昭和20年8月24日夕、戦時中に日本で働いていた朝鮮人労働者やその家族らを帰国させるため、青森県大湊港から朝鮮・釜山に向かっていた「浮島丸」(4730トン)が航行中、舞鶴湾に立ち寄り、爆発、沈没した。政府の資料では朝鮮人3735人と日本人乗組員255人が乗り、朝鮮人524人と日本人25人が死亡したとされる。この事件は沈没原因が判然としないため“戦後史のミステリー”といわれる。今回の高裁判決では原因を「触雷であると推測するのが相当」と言及した。自爆説をうかがわせる関係者証言を一つひとつ判断した上で否定、(1)艦長ら乗組復員を強く望んでいた(2)現場が水深の深くないところ−などの要素を総合判断、「事故説」を採用した。
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.