さらに続きです
投稿者: t2daiisuki48 投稿日時: 2003/03/19 23:10 投稿番号: [56926 / 232612]
憲法の特殊性
以上から解るように国際的な制約には、「必要最小限」という制約は存在しない。日本だけは憲法9条の規定があるがゆえに、政府は、国際法上の制約の他に、「必要最小限度」という新たな制約を加えたものと理解出来る。これが他の国と違う所である。参議院予算委員会(1956.3.9)における次のやりとりを見ればそのことが更に良く解る。
*中山福三君・・・国際法上の従来の慣行になっておる自衛権というものと、日本の憲法上の自衛権というものとは違うと、こう承っていいですか。
*政府委員(林修三君)・・・これは憲法の解釈は、憲法という国内法でございまして、必ずしもこれを国際法上の自衛権の観念、或いは自衛権の普通の考え方と合わせなければならぬというものではないと思うわけであります。
このように政府は、わが国の憲法は自衛権に他の国より一層の制約を加えている特殊なものだと認識している。日本国憲法の国防に関する奇妙な規定を見れば、憲法が自己規制を課しているとするこの解釈を頭から否定するわけにはいかない。
政府はこれを前提に、国際的には合理的限度内の措置として認められるものであっても、憲法9条の許す必要最小限度を超えるものは認められない、集団的自衛権の行使は必要最小限度を超えるので許されないとしているのであるから、前提そのものに対する批判の余地は残るが、権利は有するが行使できないというのは論理的矛盾だと、一概に言い切るわけにはいかない。権利を有するのは国際法の次元であり、行使できないのは、国民が行使しないことを決めた憲法の次元であるから次元が違うと言っている訳だ。問題はやはり、わが国の憲法が自衛権に自己規制を加えていると解釈する前提の方だろう。そのことを次で見てみたい。
4.憲法9条の解釈
第9条 ①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
先ず主な3つの解釈を見てみよう。
(1)政府の解釈(自衛隊合憲論)
自衛権に関する政府の解釈は、国会における次の資料によく現わされている。
①1954.12.22衆議院予算委員会における政府統一見解
『一、憲法は、自衛権を否定していない。
自衛権は、国が、独立国である以上、その国が当然に保有する権利である。憲法はこれを否定していない。従って、現行憲法のもとで、わが国が、自衛権を持っていることは、きわめて明白である。
一、憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない。
(ア)戦争と武力の威嚇、武力の行使が放棄されるのは「国際紛争を解決する手段としては」ということである。
(イ)他国から武力攻撃があった場合に、武力攻撃そのものを阻止することは、自己防衛そのものであって、国際紛争を解決することとは本質が違う。従って、自国に対して武力攻撃が加えられた場合に国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない。』
②「戦力」に関する政府の国会答弁
1954.12.21衆議院予算委員会、1972.11.13参議院予算委員会及び1984.5.12 参議院予算委員会における、それぞれ当時の各法制局長官の答弁は、次のようなものである。
憲法9条第1項が、わが国固有の自衛権は否定していないので、その自衛権の裏付けとなる自衛のための必要最小限度の実力は、憲法9条第2項に言う「戦力」には該当しない。これを超える実力が「戦力」である。自衛隊は必要最小限度以下の実力を保有するのであるから、「陸海空軍その他の戦力」には当たらない。
これから見ると政府は、憲法9条が自衛権は認めるが、戦力の保持は認めないので、自衛権の行使範囲は自ずと制限されると解釈している。制限の内容は、先に述べた「必要最小限度」である。
以上から解るように国際的な制約には、「必要最小限」という制約は存在しない。日本だけは憲法9条の規定があるがゆえに、政府は、国際法上の制約の他に、「必要最小限度」という新たな制約を加えたものと理解出来る。これが他の国と違う所である。参議院予算委員会(1956.3.9)における次のやりとりを見ればそのことが更に良く解る。
*中山福三君・・・国際法上の従来の慣行になっておる自衛権というものと、日本の憲法上の自衛権というものとは違うと、こう承っていいですか。
*政府委員(林修三君)・・・これは憲法の解釈は、憲法という国内法でございまして、必ずしもこれを国際法上の自衛権の観念、或いは自衛権の普通の考え方と合わせなければならぬというものではないと思うわけであります。
このように政府は、わが国の憲法は自衛権に他の国より一層の制約を加えている特殊なものだと認識している。日本国憲法の国防に関する奇妙な規定を見れば、憲法が自己規制を課しているとするこの解釈を頭から否定するわけにはいかない。
政府はこれを前提に、国際的には合理的限度内の措置として認められるものであっても、憲法9条の許す必要最小限度を超えるものは認められない、集団的自衛権の行使は必要最小限度を超えるので許されないとしているのであるから、前提そのものに対する批判の余地は残るが、権利は有するが行使できないというのは論理的矛盾だと、一概に言い切るわけにはいかない。権利を有するのは国際法の次元であり、行使できないのは、国民が行使しないことを決めた憲法の次元であるから次元が違うと言っている訳だ。問題はやはり、わが国の憲法が自衛権に自己規制を加えていると解釈する前提の方だろう。そのことを次で見てみたい。
4.憲法9条の解釈
第9条 ①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
先ず主な3つの解釈を見てみよう。
(1)政府の解釈(自衛隊合憲論)
自衛権に関する政府の解釈は、国会における次の資料によく現わされている。
①1954.12.22衆議院予算委員会における政府統一見解
『一、憲法は、自衛権を否定していない。
自衛権は、国が、独立国である以上、その国が当然に保有する権利である。憲法はこれを否定していない。従って、現行憲法のもとで、わが国が、自衛権を持っていることは、きわめて明白である。
一、憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない。
(ア)戦争と武力の威嚇、武力の行使が放棄されるのは「国際紛争を解決する手段としては」ということである。
(イ)他国から武力攻撃があった場合に、武力攻撃そのものを阻止することは、自己防衛そのものであって、国際紛争を解決することとは本質が違う。従って、自国に対して武力攻撃が加えられた場合に国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない。』
②「戦力」に関する政府の国会答弁
1954.12.21衆議院予算委員会、1972.11.13参議院予算委員会及び1984.5.12 参議院予算委員会における、それぞれ当時の各法制局長官の答弁は、次のようなものである。
憲法9条第1項が、わが国固有の自衛権は否定していないので、その自衛権の裏付けとなる自衛のための必要最小限度の実力は、憲法9条第2項に言う「戦力」には該当しない。これを超える実力が「戦力」である。自衛隊は必要最小限度以下の実力を保有するのであるから、「陸海空軍その他の戦力」には当たらない。
これから見ると政府は、憲法9条が自衛権は認めるが、戦力の保持は認めないので、自衛権の行使範囲は自ずと制限されると解釈している。制限の内容は、先に述べた「必要最小限度」である。
これは メッセージ 56925 (t2daiisuki48 さん)への返信です.