>>>領空侵犯 ukkari_yasannさん④
投稿者: masa4618 投稿日時: 2003/02/21 21:57 投稿番号: [51467 / 232612]
さて。ポイントとなるのは、領空侵犯機を着陸ないし退去させるための「必要な措置」の内容です。 "自衛隊もし戦わば" ページという以上、措置の内容には(究極的には)武器の使用も考慮に入れてある……というのは、皆様御承知の通りでしょう。
通常、領空侵犯機に対する措置には実力行使を伴いません。通信や要撃信号その他の合図によってここが領空内であることを侵犯機に警告し、領空からの退去または着陸の誘導を行ないます。ここで相手が素直に従えば、一見落着ですね。しかし侵犯機が言う事を聞かなかったり、あまつさえ実力をもって抵抗してきたりしたら、どうするんでしょう?
侵犯機が侵犯行為を継続する場合は、「必要な対抗措置」をとる事になります。しかし具体的にどういう処置をとればよいのかを、法律は明らかにはしれくれません。国際的な慣例では、とりあえずは信号警告(警告射撃)を実施し、それでも従わない場合は撃墜やむなしという手順を踏む事になっているようです。が、一概にこうという訳でもありません。相手が高性能な偵察機なら無警告で落すかもしれません。また旅客機だったら、みだりに撃ち落とす訳にはいきません。特に後者は、1983年9月のソ連機による大韓航空機撃墜事件を契機に、大きな問題となりました。
では、領侵機が実力で抵抗してきたら?ですが……。国会答弁によると、刑法上の正当防衛・緊急避難の要件を満たすならば武器使用による直接強制も認められる、とのことです。でもこれじゃ、一体どこまで撃っていいのやら。先に海上警備行動の項でも言いましたが、ハイテク時代の今、武器使用といえばほとんどやるかやられるかの世界であって、手加減は難しい。当方の警告射撃にもかかわらず刃向かって来る場合、どうすればいいんでしょう。落すつもりで撃ってもいいのかな?
自衛隊機が領空侵犯機に対して武器を使用した事例は、過去に1度だけあります。昭和62年、つまり1987年の12月のことでした。東シナ海を北上中のソ連機が度重なる警告にもかかわらず領空侵犯し、それどころか沖縄本島上空を通過したのです。そのため、航空自衛隊の要撃機に警告射撃の命令が下り、自衛隊機は2度に渡って警告射撃を実施しました。
警告射撃のやり方は至って簡単で、実施機が領侵機のコクピットから見える位置に横並びに飛び、そこでこれ見よがしに機関砲を撃ってみせるのです。機関砲にはトレーサーが詰めてありますので、前方に弾道が伸びていくのが領侵機からもしっかり見えるという寸法です。その上で、こちらの誘導に従って着陸するよう通告しました……が、効果ありません。
結局ソ連機は、11分余りに渡って領侵した挙げ句、飛び去っていきましたとさ。
モノの本の中には「この場合、警告射撃を無視したのだから撃墜されても文句は言えない」ような事を書いているものもあります。まあ、理屈としてはそうでしょうけど。でもいざほんとに落してしまうと、国内的にも対ソ関係上的にも、どう転んだところでただでは済みそうにないですからねェ。時の南西方面航空隊司令殿も、さぞや悩まれたことでしょう。
要撃機緊急発進の対象となる不明機が年に何十機と発生しているのに対し、実際の領空侵犯はそうそうあるものではありません。空自が日本上空の防空を担当するようになってから、01年4月末までに発生した領侵事件は全部で32件です。もっとも、それらはいずれも外交ルートを通しての正式な抗議にまで至るのですけれども。
これらの領侵事件の中には、先ほど挙げた警告射撃事件や、昭和51年(1976)9月のMig-25亡命事件のような大事件も含まれます。領侵するのは大体が旧ソ連・ロシア機ですが、台湾機によるもの、及び国籍未確認機(一応ロシア機と推測される)によるものも各1件あります。
おまけ、という程のものでもないですが…。上で言ってきたことは、いずれも「領空侵犯した外国機」に対する措置です。領空において不法侵入に対する警戒を行っているのは自衛隊であるにより、領空侵犯に対しては自衛隊が取締に当たる。しかしこれはあくまで外国機に対する取締であり、国内機向けではないということを分かって頂けるでしょうか? 当たり前のことですが、国内機に「日本の領空を侵犯する」などという概念は適用できません。また、自衛隊の取締は犯罪捜査とは違うということも分かって頂けるでしょうか? 領空であっても、そこで起こった犯罪を捜査するのは警察か、海保の仕事になります。自衛隊の仕事は、領侵機を退去or着陸させるまで。
以上の話から、国内機による空中における犯罪の取締は、当然警察機関の責任となります。警察は飛行機など持っていませんが(一応、ヘリならありますね)、船と異なり永遠に空中に浮いていられる飛行機などない訳で、降りて
通常、領空侵犯機に対する措置には実力行使を伴いません。通信や要撃信号その他の合図によってここが領空内であることを侵犯機に警告し、領空からの退去または着陸の誘導を行ないます。ここで相手が素直に従えば、一見落着ですね。しかし侵犯機が言う事を聞かなかったり、あまつさえ実力をもって抵抗してきたりしたら、どうするんでしょう?
侵犯機が侵犯行為を継続する場合は、「必要な対抗措置」をとる事になります。しかし具体的にどういう処置をとればよいのかを、法律は明らかにはしれくれません。国際的な慣例では、とりあえずは信号警告(警告射撃)を実施し、それでも従わない場合は撃墜やむなしという手順を踏む事になっているようです。が、一概にこうという訳でもありません。相手が高性能な偵察機なら無警告で落すかもしれません。また旅客機だったら、みだりに撃ち落とす訳にはいきません。特に後者は、1983年9月のソ連機による大韓航空機撃墜事件を契機に、大きな問題となりました。
では、領侵機が実力で抵抗してきたら?ですが……。国会答弁によると、刑法上の正当防衛・緊急避難の要件を満たすならば武器使用による直接強制も認められる、とのことです。でもこれじゃ、一体どこまで撃っていいのやら。先に海上警備行動の項でも言いましたが、ハイテク時代の今、武器使用といえばほとんどやるかやられるかの世界であって、手加減は難しい。当方の警告射撃にもかかわらず刃向かって来る場合、どうすればいいんでしょう。落すつもりで撃ってもいいのかな?
自衛隊機が領空侵犯機に対して武器を使用した事例は、過去に1度だけあります。昭和62年、つまり1987年の12月のことでした。東シナ海を北上中のソ連機が度重なる警告にもかかわらず領空侵犯し、それどころか沖縄本島上空を通過したのです。そのため、航空自衛隊の要撃機に警告射撃の命令が下り、自衛隊機は2度に渡って警告射撃を実施しました。
警告射撃のやり方は至って簡単で、実施機が領侵機のコクピットから見える位置に横並びに飛び、そこでこれ見よがしに機関砲を撃ってみせるのです。機関砲にはトレーサーが詰めてありますので、前方に弾道が伸びていくのが領侵機からもしっかり見えるという寸法です。その上で、こちらの誘導に従って着陸するよう通告しました……が、効果ありません。
結局ソ連機は、11分余りに渡って領侵した挙げ句、飛び去っていきましたとさ。
モノの本の中には「この場合、警告射撃を無視したのだから撃墜されても文句は言えない」ような事を書いているものもあります。まあ、理屈としてはそうでしょうけど。でもいざほんとに落してしまうと、国内的にも対ソ関係上的にも、どう転んだところでただでは済みそうにないですからねェ。時の南西方面航空隊司令殿も、さぞや悩まれたことでしょう。
要撃機緊急発進の対象となる不明機が年に何十機と発生しているのに対し、実際の領空侵犯はそうそうあるものではありません。空自が日本上空の防空を担当するようになってから、01年4月末までに発生した領侵事件は全部で32件です。もっとも、それらはいずれも外交ルートを通しての正式な抗議にまで至るのですけれども。
これらの領侵事件の中には、先ほど挙げた警告射撃事件や、昭和51年(1976)9月のMig-25亡命事件のような大事件も含まれます。領侵するのは大体が旧ソ連・ロシア機ですが、台湾機によるもの、及び国籍未確認機(一応ロシア機と推測される)によるものも各1件あります。
おまけ、という程のものでもないですが…。上で言ってきたことは、いずれも「領空侵犯した外国機」に対する措置です。領空において不法侵入に対する警戒を行っているのは自衛隊であるにより、領空侵犯に対しては自衛隊が取締に当たる。しかしこれはあくまで外国機に対する取締であり、国内機向けではないということを分かって頂けるでしょうか? 当たり前のことですが、国内機に「日本の領空を侵犯する」などという概念は適用できません。また、自衛隊の取締は犯罪捜査とは違うということも分かって頂けるでしょうか? 領空であっても、そこで起こった犯罪を捜査するのは警察か、海保の仕事になります。自衛隊の仕事は、領侵機を退去or着陸させるまで。
以上の話から、国内機による空中における犯罪の取締は、当然警察機関の責任となります。警察は飛行機など持っていませんが(一応、ヘリならありますね)、船と異なり永遠に空中に浮いていられる飛行機などない訳で、降りて
これは メッセージ 51350 (ukkari_yasann さん)への返信です.