従来の核武装の議論(2)
投稿者: eeeeeee452 投稿日時: 2003/02/18 22:59 投稿番号: [50978 / 232612]
日本が核武装をすることはあり得ない
遠 藤 哲 也
(原子力委員会 委員長代理)
次に、この平和利用のコミットメントを担保するための具体的な措置を述べたい。その一つは、NPT/IAEAの核物質、原子力施設に対する国際保障措置であり、日本は自他ともに保障措置遵守の優等生と自負している。今一つは、米、仏、英などと結んでいる二国間の原子力協定で、特にプルトニウムの動きについては厳格な規制をうけている。このような国際的な具体的な枠組みが平和利用の何よりの担保である。
日本は核燃料サイクルの確立を原子力政策の中心とし、FBR路線を、又その第一歩としてプルサーマル路線を推進しているが、その本当のねらいは兵器開発の潜在能力を高めるためではないかとのとんでもない見方がある。意図的な批判としか考えようがない。わが国の核燃料サイクルは、島国で隣国と電力の融通もできず、エネルギー資源に乏しく、大きな経済規模をもつ国としての中・長期的なエネルギー安全保障のための政策である。
わが国の核燃料サイクル、特にプルトニウム関連の部分は極めて透明なガラス張りの中に入っていて、透明性についてこれ以上何が必要というのだろうか。もしあれば是非とも教えて頂きたく、理に適ったものであれば検討するにやぶさかでない。
最後に、そもそも核武装は日本の国益に適うものだろうかを考えてみたい。日本の核武装論の根拠として、東アジアの情勢、特に中国の核能力の向上、朝鮮半島の情勢、日米安保体制の流動化などがあげられる。東アジアの国際情勢はたしかに新たな秩序の模索の過程にあるが、この中でわが国は核保有という選択をするのではなく、強力な日米同盟(米国の核の傘を含む)を背景に、核均衡レベルの引下げ、地域の安定、信頼醸成に向けた協力を通じて安全保障をはかってゆくべきと思う。他方日本の核武装には余りにもマイナスが多い。少々の核兵器でもって戦略上何をしようとするのであろうか。日本の核武装は、世界中の多くの国、特に米国との関係を政治面、経済面にわたって大きく傷つけることは必至である。アジア諸国との関係はただでさえ微妙なところがあるが、日本の核武装論は悪夢を呼び起こし、この関係を取り返しのつかぬものとするであろう。他方どのようなプラスがあるのか、あったとしてもそれは、せいぜいが日本の中にごく一部いるかもしれない人の大国願望心を少々満足させることに過ぎない。いずれにせよ、正に自殺的行為である。
原子力の平和利用は日本国民の圧倒的多数の考えであるし、これまでも平和利用に限って原子力の開発、利用を行って来たし、今後もそうあり続けよう。戦後の歴史をふりかえっても、基本的な問題についての日本国民の常識は結局のところ一貫して健全であった。私は日本国民が日本を国際社会において外交的に破滅に導きかねないような核武装といったおろかな道を選ぶ筈がないと確信する。
遠 藤 哲 也
(原子力委員会 委員長代理)
次に、この平和利用のコミットメントを担保するための具体的な措置を述べたい。その一つは、NPT/IAEAの核物質、原子力施設に対する国際保障措置であり、日本は自他ともに保障措置遵守の優等生と自負している。今一つは、米、仏、英などと結んでいる二国間の原子力協定で、特にプルトニウムの動きについては厳格な規制をうけている。このような国際的な具体的な枠組みが平和利用の何よりの担保である。
日本は核燃料サイクルの確立を原子力政策の中心とし、FBR路線を、又その第一歩としてプルサーマル路線を推進しているが、その本当のねらいは兵器開発の潜在能力を高めるためではないかとのとんでもない見方がある。意図的な批判としか考えようがない。わが国の核燃料サイクルは、島国で隣国と電力の融通もできず、エネルギー資源に乏しく、大きな経済規模をもつ国としての中・長期的なエネルギー安全保障のための政策である。
わが国の核燃料サイクル、特にプルトニウム関連の部分は極めて透明なガラス張りの中に入っていて、透明性についてこれ以上何が必要というのだろうか。もしあれば是非とも教えて頂きたく、理に適ったものであれば検討するにやぶさかでない。
最後に、そもそも核武装は日本の国益に適うものだろうかを考えてみたい。日本の核武装論の根拠として、東アジアの情勢、特に中国の核能力の向上、朝鮮半島の情勢、日米安保体制の流動化などがあげられる。東アジアの国際情勢はたしかに新たな秩序の模索の過程にあるが、この中でわが国は核保有という選択をするのではなく、強力な日米同盟(米国の核の傘を含む)を背景に、核均衡レベルの引下げ、地域の安定、信頼醸成に向けた協力を通じて安全保障をはかってゆくべきと思う。他方日本の核武装には余りにもマイナスが多い。少々の核兵器でもって戦略上何をしようとするのであろうか。日本の核武装は、世界中の多くの国、特に米国との関係を政治面、経済面にわたって大きく傷つけることは必至である。アジア諸国との関係はただでさえ微妙なところがあるが、日本の核武装論は悪夢を呼び起こし、この関係を取り返しのつかぬものとするであろう。他方どのようなプラスがあるのか、あったとしてもそれは、せいぜいが日本の中にごく一部いるかもしれない人の大国願望心を少々満足させることに過ぎない。いずれにせよ、正に自殺的行為である。
原子力の平和利用は日本国民の圧倒的多数の考えであるし、これまでも平和利用に限って原子力の開発、利用を行って来たし、今後もそうあり続けよう。戦後の歴史をふりかえっても、基本的な問題についての日本国民の常識は結局のところ一貫して健全であった。私は日本国民が日本を国際社会において外交的に破滅に導きかねないような核武装といったおろかな道を選ぶ筈がないと確信する。
これは メッセージ 50977 (eeeeeee452 さん)への返信です.