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NWの日本特集 → 外交 (つづき)

投稿者: jig1868 投稿日時: 2002/11/29 12:00 投稿番号: [27269 / 232612]

【   「過去」   の間題に決着を】

もっとも、こうした対応はあくまでも例外にすぎない。

全体としてみれば、日本はこれまで何10年もの間、東アジアの地政学的な地図を描く作業をアメリカに任せきりにしてきた。

しかし冷戦が終わった今、日本は従来の外交政策を見直す時期に来ているのかもしれない。


「日本は、単独行動主義のアメリカについていく道を選ぼうとしているようにみえる」   と、韓国・外交安保研究院の朴詰煕   (パク・チョルヒ)   教授は言う。

「超大国アメリカに追随するのではなく、国際社会全体の利益のために努力してほしい」

日本がそうした役割を果たすためには、過去の間題に決着をつけなくてはならない。


第2次大戦から50年以上たった今も、日本は戦争の負の遺産を引きずっている。

そのことが日本外交の足かせになり、リーダーシップを発揮するうえで妨げになっている。


「日本が歴史的な問題の解決に努めないかぎり、近隣諸国は日本が政治的・軍事的影響力を強めることに反対し続けるだろう」

と、ソウル大学の張達重   (チャン・ダルジュン)   教授は言う。


戦争の問題については、もう十分すぎるくらい謝罪したと考える日本人が多いが、近隣の国々はそうは思っていない。

日本はその現実を認めたうえで、外交の進め方を考えなくてはならない。


「日本が過去の間題に決着をつける方法を見いだすことができれば、中国がこの間題を駆け引きのカードに使うことはむずかしくなるだろう」   と、オーストラリア国立大学戦略防衛研究センターのアラン・デュポントは言う。

「そうなれば、この地域における日本の影響力は一気に拡大する」


もっとも、影響力を手にしたところで、どのような目的のために使うのかは見えてこない。

国際舞台での日本の最大の弱点は、明確なビジョンを打ち出せないことだ。


「日本は独自のビジョンを示す必要がある」   と、デュポントは言う。

「日本の指導者が独自の世界観を打ち出すのを、ほとんど聞いたことがない」


ビジョンらしきものがまったくないわけではない。

日本は、経済的な手段を使って紛争を予防・解決するという考え方を信奉している。

「アフガニスタンなどの国の復興・再建を支援し、地域の安定に長期的に貢献することが白らの役割だと考えている」

と、国際戦略研究所   (ロンドン)   のアダム・ウオードは言う。


しかし日本の指導者は、そのビジョンを国際舞台で強く打ち出してこなかった。

その緒果、日本外交は   「小切手外交」   と椰楡されてきた。

湾岸戦争でアメリカなどに巨額の資金を拠出して以来、批判はさらに強まった。


強力なメッセージを打ち出す重要性は、ますます高まりそうだ。

これまで日本は、アジア諸国のなかではずば抜けた超大国だった。

世界がアジアで相手にできる国は日本しかなかった。

ビジョンがあろうとなかろうと、選択肢は日本だけだったのだ。


しかし中国の台頭によって、状況は変わりはじめている。

ゲームからはじき出されたくなければ、日本は近隣諾国と世界に向かって、自らが重要なプレーヤーで、あることを実証しなくてはならない。


そのための一つの方法は、アジアの誠実な仲介役を務めることだ。

アジアの国々は以前から、アジア唯一のサミット参加国である日本が欧米との橋渡し役を果たすことを期待してきた。


「日本は、欧米がアジアを理解するのを助け、欧米とアジアが建設的な関係を築く手助けをするのに最も適した存在だ」

と、北京大学国際関係学院の王勇   (ワン・ヨン)   は言う。


中東やアフリカなどでは、日本はヨーロッパのような植民地支配の過去がないことを強調し、「手の汚れていない」   誠実な伸介者として振る舞おうとしている。

第2次大戦の心理的な   「負債」   を解消することができれば、アジアでも同じような役割を果たせるかもしれない。




ニューズウィーク   日本版   2002年10月16日
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