北朝鮮の電力バカ話4
投稿者: sofiansky2003 投稿日時: 2006/04/30 22:42 投稿番号: [227969 / 232612]
近年、電線の被覆やパイプの素材は、化学や石油化学の発展にともない著しく発達している。だがそのような素材を使っても10年、15年とは耐えられない。特殊ケーブル電線一つとりあげても、地上の鉄塔線に比べれば3分の1ぐらいの寿命しかなく、それだけ経費がかさむのである。
このように困難な送・配電線の地下埋設を長期の展望、計画もなしに簡単にやってしまった。それも30年以上も前に。先進国でも優秀な絶縁材がまだ開発途上にあり、日本では塩化ビニール管がやっと出始めた1950年代なかばに”偉大な首領様”の鶴の一声で。”無知よりこわいものはない”とは、こういう場合を指していうのだろう。
だが、問題はそれに限らない。資材や設備などの極端な不足で、全国各地の地下に埋められたこれら送・配電線の本格的な取り換え工事も、30年の間、まともに成された痕跡が見られないのである。その一端は共和国のどこへ行っても送・配電線のマンホールが見られないことに確認できる。送・配電線を地下に埋設するには、先に見たような特殊なパイプに、特殊な絶縁材で被覆した電線を通さねばならない。そして、その取り換え工事を容易にするには、小さなマンホールを設備してやらなければならない。けれど、共和国のどこにいっても、送・配電線用のマンホールは見られなかった。私の主な仕事場のあった元山市内にもなかったし、首都・平壌市内でも確認できなかった。咸興、元山、沙里院、開城なども拝見できなかった。
マンホールで私が見ることのできたのは下水用だけ(それも数は非常に少ない)だった。私は時々、僑胞事業総局の指導員や案内員に聞いた。
「地下に埋めた送電線や配電線が故障を起こせば、どうするのですか。マンホールがないと修理が難しいのに」と。しかし、彼らはこの質問の真意を理解できなかった。こうしたいくつかの事実から推察して、地下の送・配電線は、それが埋められた時から30年、ほぼ放置されているとみなすほかないのである。すると、それらの施設は老朽化するだけ老朽化し、限界をこえてしまい、実際の使用量の数倍以上は電力が漏電しいると見てさしつかえない。
送・配電線は、一度漏電しはじめると、急速にその範囲を拡大させるものである。このことを念頭におけば、現在の共和国の著しい電力不足が漏電によるロスに負うところ少なくないことを理解するのは容易である。
(next)
これは メッセージ 227968 (sofiansky2003 さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143583/beaec0tbcsaja4nkacdaba4h2ddbja4ka4da4a4a4fa1ya1ya1ya1ya1y_1/227969.html