小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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小泉外交_14

投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/08/28 20:32 投稿番号: [213422 / 232612]
  「曽我さんの笑顔」かなわず

  ついに、その日が来た。

  今年(2004年)5月22日昼、平壌郊外の「大同江迎賓館」で行われた2度目の日朝首脳会談。金正日総書記は、冒頭、小泉首相に不満をぶつけた。

  「2002年の『平壌宣言』の合意後、朝日関係が良くなると思っていたのに、そうならなかった。自分たちは失望した。」

  金正日は早口でまくし立てた。約1時間半の会談で「平壌宣言」に20回近く言及した。日本側同席者は「自分の署名した文書だけに、さすがにこだわりが強いな」と感じた。

  核問題で、小泉はリビアの例を持ち出し、核廃棄で得られる「利益」を力説した。リビアは大量破壊兵器開発の放棄を表明し、欧米との関係を改善した。

  「我々はリビアとは違う」

  金正日は反論した。さらに,「米国が敵視政策を捨てない限り、ダメだ」と強調した。ただ,同時に「声がかれるほど米国と二重唱したい。周辺国の伴奏をお願いしたい」とも語った。

  首脳会談を終えた小泉には、もうひとつ、重要な仕事が待っていた。会談で決まらなかった曽我ひとみの夫,チャールズ・ジェンキンスと娘二人を説得することだった。

  迎賓館の別室で,小泉は約1時間,3人に「一緒に日本へ行こう」と促した。薮中三十二外務省アジア大洋州局長は,「家族が一緒に暮らせるよう最善の努力(Best Efforts)をする」との小泉の言葉を英語で書いて手渡した。

  ジェンキンスは,米軍に脱走罪などで訴追されることを気にしていた。


  「私は日本の新聞も読んでいる。日米首脳の電話会談がありましたね」

  最後まで来日には応じなかった。中山恭子内閣官房参与が事前に,「ジェンキンスさんを説得できるはずがない。会ってはだめですよ」と小泉に助言をしていた通りの結果だった。

  小泉は説得を断念した。ジェンキンスは興奮気味に「北京へ行き,家族と話し合うんだ」などと叫んだ。隣では長女の美花がわんわん泣いていた。

  小泉の再訪朝に先立ち,政府は10種類以上の対処方針を作っていた。「首相の到着時,金総書記が空港に迎えに来て、2人が同じ車に乗る」というケースまで想定し,通訳や同席者を検討した。

  政府の「拉致家族班」の職員約15人はこの日、順安空港、大同江迎賓館、記者会見上の高麗ホテルの3ヵ所に分かれて家族が現れるのを待っていた。だれが帰国するのか、いつ接触できるのか、まったく分からなかったからだ。

  帰国の決まった5人を政府専用機に乗せる作業も、簡単ではなかった。

  5人は夕方、空港に現れたが、北朝鮮の軍関係者が日本側との面会を拒んだ。「体が触った」などと、ささいなことで2時間以上も押し問答が続いた。

  小泉らが専用機に乗った後も、5人は足止めされたままで、北朝鮮側にかけあおうと藪中があわてて専用機を降りたほどだった。

  父母との1年7ヶ月ぶりの再開を果たした5人と、平壌に残った3人。

  「曽我さんの笑顔を見よう」

  拉致家族班らの合言葉は、この日はかなわなかった。

  (敬称略、肩書きは当時)
日朝首脳会談の主な内容
①日朝平壌宣言は「日朝関係の基礎」と再確認

②拉致被害者の蓮池薫さん、地村保志さんの家族5人が帰国。曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんら3人は来日を拒否し、第三国での再開に合意

③金正日総書記は安否不明の10人について「白紙の状態で再調査する」と約束

④総書記は「朝鮮半島の非核化が目標で、6カ国協議を活用して平和的解決に向けて努力したい」と表明

⑤北朝鮮の弾道ミサイル発射実験の凍結を再確認

⑥小泉首相が「北朝鮮が日朝平壌宣言を遵守する限り、日本は経済制裁を発動しない」と表明

⑦首相は、国際機関を通じた25万トンの食糧支援と1000万ドル相当の医薬品支援を表明

⑧日朝国交正常化交渉再開で大筋一致
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