小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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小泉首相の統治戦略⑤

投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/08/27 14:25 投稿番号: [213218 / 232612]
  5.対立を利用した統治戦略

  内閣発足後の小泉首相は、竹中を中心に特に金融機関の不良再建処理を急がせるとともに、道路公団民営化・地方自治体の三位一体改革・郵政民営化など、あえて自民党内に強力な反対を呼び起こすような改革を内閣の課題として次々に掲げだ。そして自らの改革路線に反対する自民党内の勢力を「抵抗勢力」と呼び、構造改革に反対するなら「自民党をぶっ潰す」とまで公言してはばからなかった。

  こうして小泉は、自分が総裁である自民党との対立を演出することによって、世論における高い支持率を確保し、世論における高い支持率によって、自民党内の反対勢力を押さえ込むという形で政権運営を図った。歴代の自民党首相の誰一人として思いつかなかったこの奇抜な統治戦略は、それなりの効果を上げ、小泉内閣の延命に貢献したのである。

  しかし、いま述べたような小泉の政権運営の戦略が危うい均衡の上にかろうじて成り立っていたことも、見逃してはならない。小泉が演出する自民党との対立という構図は、確かに巨大な既得権益の壁に挑戦する孤独な指導者というイメージを世論に与え、多くの人々の共感を誘った。そして、小泉が首相として高い支持率を保持している限りは、個々の自民党議員も、多少の既得権益の後退には目をつぶっても、小泉人気にあやかりたいと願った。自民党議員にとって最も怖いのは、反小泉勢力の一人と見なされて、選挙で破れて議席を失うということだったからである。

  とはいえ、小泉の自民党に対する敵対関係が一定の限度を越えて先鋭化すれば、彼の首相としての地位は危険に晒されただろう。なんといっても、国会における小泉首相の支持基盤は、自民党と公明党の連立与党によって形成される多数派だったからである。そこで、道路公団民営化にせよ、郵政民営化にせよ、自民党内の造反を押さえ込むためには、政府の側からの自民党に対する妥協と譲歩が不可避となった。

  しかし、既得権益を擁護しようとする自民党内の族議員への妥協と譲歩が限度を越えれば、構造改革そのものが停滞し、世論も小泉内閣から離れてゆかざるをえなかった。したがって、小泉首相としては、構造改革を政権の旗印として高々と掲げながら、しかも。改革推進と既得権益用語の両勢力の間で、危うい均衡を保つという政権運営を強いられた。「丸投げ」とか「ワン・フレーズ・ポリティックス」といった言葉で批判される小泉の政治手法も、実は、この危うい綱渡りの政権運営から生み出されたものだった。

  不良再建処理・道路公団民営化・三位一体改革・郵政民営化など、小泉が政府の目標として掲げた課題のいずれを取ってみても、小泉自身が率先してプログラムの細目まで決めて実行に取り組んだ例は、ほとんどなかった。大方の場合、首相自身は大きな改革の課題を提起するだけで、その具体化のための計画や法案の作成から党・官僚・関係機関との折衝にいたるまで、実際の改革の仕事は担当閣僚や真偽委員会などに「○投げ」されたのである。

  当然、構造改革が個々の課題について具体化されることになっても、自民党内の族議員や関係官庁の官僚などの間で抵抗やサボタージュが激しくなってゆく。だが、小泉は、改革の必要を説く象徴的な「ワン・フレーズ」を繰り返すだけで、自身は改革の推進派と抵抗葉の対立の圏外に立ち、両勢力の対立・抗争の行方を見守ろうとする。そして、ぎりぎりの時点まで待ちつづけた挙句の果てに、ようやく首相は両勢力の間に割って入り、最初の構想より一歩もニ歩も後退した形で、当面の改革の課題に一応の終止符を打った。

  こうして構造改革の一つの課題に一応のけりをつけると、早速次の新しい改革の課題が前面に押し出される。前の課題は次の課題の蔭に隠され、どれだけ実行に移されているかを吟味されることもなく、いつのまにか忘れ去られる。不良債権処理から郵政民営化まで、小泉内閣の4年間に改革の主要テーマはめまぐるしく交代したが、小泉がとった手法は同じパターンの繰り返しであった。
(続く)
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