8月6日付・読売社説
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/08/06 16:31 投稿番号: [210667 / 232612]
8月6日付・読売社説
[郵政政局]「目的不明の解散に反対する」
焦点の郵政民営化関連法案が、参院郵政民営化特別委員会で、自民、公明両党の賛成多数で可決された。
参院本会議で可決、成立か、あるいは否決され、小泉首相が衆院解散を断行するのか、週明けには、いよいよ決戦のときを迎える。だが、自民党内の反対派議員の動向によって、法案の可否のいずれに転ぶのか、その行方は依然、予断を許さない。
小泉首相は、法案が否決されれば直ちに衆院を解散すると、繰り返し、明言している。
確かに、憲法上、衆院の解散権は首相にある。しかし、一体、何を目指し、何のための解散なのか。
参院で法案が否決されたからといって衆院を解散しても、参院の構成が変わるわけではない。参院の否決を衆院で覆すためには3分の2の賛成が必要だ。だが衆院で、それだけの勢力を確保することなどは、およそ非現実的だ。
現実問題として、今、衆院解散・総選挙に打って出ても、小泉首相が総選挙後の特別国会の首相指名選挙で、再度、首相指名を受け、引き続き政権を担当する可能性はほとんどないのではないか。
自民党は、圧倒的な小泉人気で大勝した2001年7月の参院選を別にして、03年の総選挙の比例選、04年の参院選は、いずれも民主党に敗れた。今、総選挙をすれば、最近の国政選挙の流れから、民主党に有利とも見られている。
共産党が候補者を立てる選挙区を絞る方針に転換した結果、共産党の候補がいない選挙区では、共産党支持者は民主党支持に回るケースが増える、という見方がある。
自民党内の郵政民営化反対派は、公認されない場合に備えて、新党結成の準備を進めている。無所属では選挙活動が制約される以上、当然の対応だ。その場合自民党が対立候補を立てれば、事実上、保守勢力の分裂選挙となり、ますます民主党に有利になる。
総選挙後、自民党が政権を失った場合は無論、政権を維持できたとしても、小泉首相の下で議席を大幅に減らせば、当然、首相の責任を問う声が、党内に高まるだろう。
非公認・新党結成に至らなくても、郵政法案の反対派議員は、総選挙後、衆院本会議での首相指名選挙で、小泉続投に賛成票を投じることはあるまい。
小泉続投がなければ、今の政権の枠組みが継続されても、郵政法案の成立はもはや望めない。民主党に政権が移っても郵政労組の支援を受け、現在の公社維持を主張する民主党が郵政民営化に取り組む可能性はまずない、と言ってよい。
となれば、何のための解散なのか。既に、十数年来、主張し、小泉改革の本丸としてきた郵政民営化の挫折に対する怒りによる「腹いせ解散」「自爆解散」などといった言葉が飛び交っている。
郵政民営化は、日本の経済・社会の大きな改革につながる重要な意義を持つことは間違いない。法案が否決されれば、郵便貯金や簡易保険で集めた330兆円もの巨額の資金が、市場原理も働かず、不透明、非効率に運用されてきた“官営金融”を温存することになる。
だが、各種の世論調査を見れば、郵政民営化は、有権者にとって緊急の課題ではない。読売新聞の7月の世論調査では小泉内閣に優先的に取り組んでほしい課題として、郵政民営化を挙げた有権者は1割にも満たず、全17項目中、15番目に過ぎなかった。
これでは、郵政民営化関連法案の否決で解散・総選挙となって、郵政民営化が争点だ、と言われても、有権者は困惑するだけではないか。
郵政民営化問題が政治的争点として前面に押し出される一方で、既に長期間にわたって、事実上の政治空白が続いている現実を直視する必要がある。
少子高齢化が進み、人口減社会を迎えている時、年金問題を中心とする社会保障制度改革は急務だ。その財源としての消費税率引き上げ問題を含め、税財政全体を立て直すことは喫緊の課題である。
経済、政治、軍事面で大国化する中国との関係をどう構築するのか。常任理事国入りによって、国際社会の中で日本がより大きな役割を果たすことを目指す国連安保理改革にどう対処するのか。外交・安全保障上の問題も山積している。
目前の来年度予算編成の作業すら行き詰まっている。概算要求作成のためのシーリングの設定も出来ず、国民生活に直結する政府予算編成の見通しが立たない。中央・地方の財政改革と地方分権の推進につながるはずの三位一体改革の問題も動きが取れない。
日本の国益や、国民生活の安定のために不可欠な重要課題が、ほとんど放置されているに等しい。
解散となれば、さらに1か月の政治空白が続く。総選挙の結果によっては、新政権の発足まで、さらに混乱が続き、政治空白が長期化する可能性もある。
[郵政政局]「目的不明の解散に反対する」
焦点の郵政民営化関連法案が、参院郵政民営化特別委員会で、自民、公明両党の賛成多数で可決された。
参院本会議で可決、成立か、あるいは否決され、小泉首相が衆院解散を断行するのか、週明けには、いよいよ決戦のときを迎える。だが、自民党内の反対派議員の動向によって、法案の可否のいずれに転ぶのか、その行方は依然、予断を許さない。
小泉首相は、法案が否決されれば直ちに衆院を解散すると、繰り返し、明言している。
確かに、憲法上、衆院の解散権は首相にある。しかし、一体、何を目指し、何のための解散なのか。
参院で法案が否決されたからといって衆院を解散しても、参院の構成が変わるわけではない。参院の否決を衆院で覆すためには3分の2の賛成が必要だ。だが衆院で、それだけの勢力を確保することなどは、およそ非現実的だ。
現実問題として、今、衆院解散・総選挙に打って出ても、小泉首相が総選挙後の特別国会の首相指名選挙で、再度、首相指名を受け、引き続き政権を担当する可能性はほとんどないのではないか。
自民党は、圧倒的な小泉人気で大勝した2001年7月の参院選を別にして、03年の総選挙の比例選、04年の参院選は、いずれも民主党に敗れた。今、総選挙をすれば、最近の国政選挙の流れから、民主党に有利とも見られている。
共産党が候補者を立てる選挙区を絞る方針に転換した結果、共産党の候補がいない選挙区では、共産党支持者は民主党支持に回るケースが増える、という見方がある。
自民党内の郵政民営化反対派は、公認されない場合に備えて、新党結成の準備を進めている。無所属では選挙活動が制約される以上、当然の対応だ。その場合自民党が対立候補を立てれば、事実上、保守勢力の分裂選挙となり、ますます民主党に有利になる。
総選挙後、自民党が政権を失った場合は無論、政権を維持できたとしても、小泉首相の下で議席を大幅に減らせば、当然、首相の責任を問う声が、党内に高まるだろう。
非公認・新党結成に至らなくても、郵政法案の反対派議員は、総選挙後、衆院本会議での首相指名選挙で、小泉続投に賛成票を投じることはあるまい。
小泉続投がなければ、今の政権の枠組みが継続されても、郵政法案の成立はもはや望めない。民主党に政権が移っても郵政労組の支援を受け、現在の公社維持を主張する民主党が郵政民営化に取り組む可能性はまずない、と言ってよい。
となれば、何のための解散なのか。既に、十数年来、主張し、小泉改革の本丸としてきた郵政民営化の挫折に対する怒りによる「腹いせ解散」「自爆解散」などといった言葉が飛び交っている。
郵政民営化は、日本の経済・社会の大きな改革につながる重要な意義を持つことは間違いない。法案が否決されれば、郵便貯金や簡易保険で集めた330兆円もの巨額の資金が、市場原理も働かず、不透明、非効率に運用されてきた“官営金融”を温存することになる。
だが、各種の世論調査を見れば、郵政民営化は、有権者にとって緊急の課題ではない。読売新聞の7月の世論調査では小泉内閣に優先的に取り組んでほしい課題として、郵政民営化を挙げた有権者は1割にも満たず、全17項目中、15番目に過ぎなかった。
これでは、郵政民営化関連法案の否決で解散・総選挙となって、郵政民営化が争点だ、と言われても、有権者は困惑するだけではないか。
郵政民営化問題が政治的争点として前面に押し出される一方で、既に長期間にわたって、事実上の政治空白が続いている現実を直視する必要がある。
少子高齢化が進み、人口減社会を迎えている時、年金問題を中心とする社会保障制度改革は急務だ。その財源としての消費税率引き上げ問題を含め、税財政全体を立て直すことは喫緊の課題である。
経済、政治、軍事面で大国化する中国との関係をどう構築するのか。常任理事国入りによって、国際社会の中で日本がより大きな役割を果たすことを目指す国連安保理改革にどう対処するのか。外交・安全保障上の問題も山積している。
目前の来年度予算編成の作業すら行き詰まっている。概算要求作成のためのシーリングの設定も出来ず、国民生活に直結する政府予算編成の見通しが立たない。中央・地方の財政改革と地方分権の推進につながるはずの三位一体改革の問題も動きが取れない。
日本の国益や、国民生活の安定のために不可欠な重要課題が、ほとんど放置されているに等しい。
解散となれば、さらに1か月の政治空白が続く。総選挙の結果によっては、新政権の発足まで、さらに混乱が続き、政治空白が長期化する可能性もある。
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.