金正日追放作戦に脅える北朝鮮
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/07/15 17:47 投稿番号: [208533 / 232612]
こうした米中のやり取りは、当然のことながら北朝鮮にも伝わる。北朝鮮は、ブッシュ政権が金正日総書記の追放と政権交代を推進し、その道具として「対北朝鮮人権法」が適用される、と考えている。
この法律によって、米政府は脱北支援のために、毎年20億円の資金援助を行い、数万人、数十万人にのぼる脱北者を生み出そうとしている。多数の脱北者が出れば、体制は危機に直面する。それを抑えようと軍隊を派遣すれば、流血の事態に発展するかもしれない。それは、暴動につながるだろう、とアメリカは展望しているのだ。
さらに、軍が金正日総書記忠誠派と反対派に分かれれば、政権交代から体制崩壊につながる。アメリカが予想するこのシナリオを、北朝鮮は極度に警戒し、昨年末から中朝国境警備を厳しくした。また、金をとって脱北者を見逃していた軍人たちを処刑し、さらに脱北ブローカーらも国境近くで公開処刑にしたと伝えられる。この結果、昨年末から中国への脱北者の数が激減しているという。しかし、生活や食糧に困窮する住民は存在するわけで、脱北が増加するのも、時間の問題だ。軍人は賄賂を受け取らなければ、生活できない。軍人を巻き込んだビジネスもまた再開されるだろう。
北朝鮮は6ヶ国協議への参加に条件をつけている。米朝平和共存の約束をアメリカに求めている。この背景にあるのは、「金正日総書記追放作戦」への恐怖である。米朝平和共存を取り付け、「政権交代策」を放棄させようとの狙いがある。だが、ブッシュ大統領には金正日総書記と平和共存する考えはまったくない。
ライス長官は、ブッシュ大統領の意向を受け、核とミサイル開発の完全放棄に加え、北朝鮮に民主化と人権問題の解消を要求していく方針だ。追い込まれた北朝鮮に、残された時間は少ない。北朝鮮が6月頃までに6カ国協議に応じなければ、アメリカは問題を国連安保理に持ち込む意向だ。この方針をライス長官は、3月の中国訪問で明言した。安保理では、対北朝鮮強硬論者のボルトン米国連大使が待ち受けている。
こうしてみると、北朝鮮はやがて6ヶ国協議に復帰せざるをえないだろう。だが、それで核問題が解決するわけではない。アメリカと北朝鮮の要求は、なお天と地ほどの開きがある。北朝鮮にとっては核兵器開発を全面放棄し各国の支援を受けるのが、生き残るための唯一の方法である。しかし、金正日総書記はなお核開発の放棄は政権の死を意味すると考えている。
第二期ブッシュ政権の4年間の時間をかけた、ブッシュ大統領と金正日総書記の戦いの火蓋が切って落とされた。北朝鮮の運命が左右される、長く厳しい4年が待ち受ける。
(終わり)
これは メッセージ 208532 (komash0427 さん)への返信です.
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