九段の空を赤く染めた業火 4
投稿者: georgia_bros 投稿日時: 2004/08/16 00:32 投稿番号: [147831 / 232612]
「靖国さんですか。館山整備と申しますが。」
「あっ、館山さんね。」
「靖国さんに設備されている弊社設置の防災機器の定期点検にうかがわせていただきます。」
「あっ、そうですか、どうも。御苦労さんです。何時ときですか。」
「ハイ、例年とおりで、靖国祭開けの、3日後、そうですね、13日になりますけど。」
「あぁ、それなら、下山宛に来て下さい。」
「よろしくお願いします。失礼いたします。」
靖国祭というのは、靖国神社最大の行事で、14日間にわたり行われるもので、その間、宮司は多忙を極める。その後に防火訓練の前に定期点検を行うことが定期行事であった。
「これだよ、ここから注入する。」
「ふ〜ん。蒸発とかしないんですか。」
「大丈夫だ。上には、30センチあまり残す、最初から、下に注入するんだ。上から、排水溝があるんで、水は抜けてくんだ。」
「はぁ。」
「シナ君、君も、あれだろ、電気とはいえ、化学もやったんだろ。」
「いや、いくら比重とは言え、絶妙ですね。流体抵抗も、スプリンクラーで問題ないレベルに調整するのは、大変な技術じゃないですか。」
「まぁ、一応化学屋だからな。この貯水槽の下、3分の2を、ジェットバック改良型燃料に入れ替えれば、まったくの無色透明で、万一の場合でも、誰も気付くことはない。」
シナは、ジョーの少し後輩であり、組織のメンバーであったが、ジョーと同じく転向し、極端だが、防衛庁に入庁していた。既に退官していたが、防衛庁時代にジョーに再会しており、ほとんど同様の思想的背景を共有していた。隠れ全共闘である。この男は、電気技術の専門家であり、靖国大社の設備メンテナンス業者である館山設備の電話設備を乗っ取ったような形の工作を行っていた。つまり、靖国と館山設備は、直接連絡を取れなくなっており、なおかつ、館山設備の本当の担当者は、設備メンテナンスの日を、20日と認識していた。
ジョーの計画は、つまり、スプリンクラーの水を特種燃料で入れ替えてしまうというものであった。そして、この燃料は、放出された後に、材木の精油分と反応して発火するという性能を持たせていた。つまり、スプリンクラーが稼動さえすれば、靖国大社は、燃えはじめるのだ。
ジョー達は、20日までの日に、スプリンクラー稼動の決行をすることにしたのである。
これは メッセージ 147823 (georgia_bros さん)への返信です.
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