安部幹事長の北朝鮮論(再掲)①
投稿者: sofiansky2003 投稿日時: 2004/05/06 19:43 投稿番号: [123234 / 232612]
当トピMsg.104333 で紹介されたものですが、壺をついていると思いましたので再掲します。
大特集「次の十年」はこうなる「金正日体制崩壊の瞬間」
−ありえない暴発を気にするのは北の思う壺だ−
(文春:2004年2月号)
北朝鮮をめぐる今後十年を考える上でます重要なのは、いわゆる「暴発」はないということだ。いまだに「北朝鮮が暴発した場合に日本がこうむる損害を考えれば、多少は譲歩した方が良い」という議論をする人がいるが、その必要はない。
暴発とは、たとえば日本やアメリカなどが、攻撃をしていないにもかかわらず、北朝鮮が一方的に、ノドンやテポドンといった弾道ミサイルに大量破壊兵器を載せて打ち込んでくる、というケースを想定していると思われる。しかし、その場合直ちに米軍をはじめとする国際社会の反撃を受け、1週間内外で現政権の命脈は確実に尽きる。
そのようなことをした国家が、歴史上あるだろうか。
北朝鮮と似たような独裁国家であったイラクのフセイン政権も、今回のイラク戦争に先立ち、クェートに米軍が着々と集結しているにもかかわらず、これに先制攻撃を仕掛けることはしなかった。「大東亜戦争も、負けることは分かっている戦争に突入したのだからあれも暴発だ」と言う人もいる。しかし、日本はあの戦争の少なくとも4年間戦い抜き、講話のチャンスが最初から全く想定されていなかったわけではない。
「朝鮮戦争で北朝鮮は一度暴発している」と説く人もいるが、その戦争も、一時期北朝鮮にきわめて有利な状況で推移し、3年余りにおよぶ戦争の末、結局、当初の国境線がほぼ確保されているのだから、これも暴発とは言えない。しかし、現在の状況は、北朝鮮が軍事行動を起こせば、確実かつ瞬間的な破滅が待っているのだ。
北朝鮮は、これまで暴発をほのめかすことで相手を怯えさせ、外交的得点を挙げてきたが、本当に暴発すれば、その瞬間に自分たちの命脈がつきる事を彼らはよく知っている。一昨年9月の平壌会議で、私は小泉総理とともに金正日国防委員長と会ったが、金委員長はそういう意味で合理的な考えができる人物に感じた。
これらを考えると、暴発の可能性はない。にもかかわらず、それを懸念することは、北朝鮮の思う壺であり、相手を利することにしかならない。
ただし、日本国内において何らかのテロが引き起こされる可能性は排除できない。交渉が行き詰まったとき、威嚇によってそれを打開しようとして、これまでのように政府の関与、責任を認めない形で北朝鮮がテロを実行することはありえる。
そういう事態に対処するため、日本政府では有事法制の整備を着々と進めてきた。2003年6月に成立した通称「武力攻撃事態対処法」で、武装した不審船、大規模なテロリズムに対処するための体制作りを速やかに講じると定めたのもそのためだ。
しかし、法律の整備なども重要だが、それ以上に必要なのは、問題が発生したときに総理がきちんとした判断を下すことである。99年、北朝鮮の武装工作船に対して当時の小渕内閣は、速やかに海上警備行動を命じ、被害の発生を未然に防いだ。国内で大規模なテロが発生した場合も、同様に速やかに陸上自衛隊に治安出動命令を下すことができれば、今の法体制でも有効に対応することは可能である。
逆にいくら法律などが整備されても、土井たか子氏のような思想信条の人物が総理の座にあって、「北朝鮮によるテロなどあり得ません。治安出動の必要はありません」と言いつづければ、被害をふせぐことはできません。
首相官邸も新しくなり、情報収集のためハードはかなり立派になって、政府の危機管理対応の能力は非常に高まっている。しかし、最も重要なのは、最高指揮官たる総理の頭の中に、そういう事態が発生したときの対処策が、体系だって整理されているかどうかということだ。9・11同時多発テロ以降、危機対応の概念が極めて整理されているので、いざというときにはスムーズに行動できる状況はかなり整っている。
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大特集「次の十年」はこうなる「金正日体制崩壊の瞬間」
−ありえない暴発を気にするのは北の思う壺だ−
(文春:2004年2月号)
北朝鮮をめぐる今後十年を考える上でます重要なのは、いわゆる「暴発」はないということだ。いまだに「北朝鮮が暴発した場合に日本がこうむる損害を考えれば、多少は譲歩した方が良い」という議論をする人がいるが、その必要はない。
暴発とは、たとえば日本やアメリカなどが、攻撃をしていないにもかかわらず、北朝鮮が一方的に、ノドンやテポドンといった弾道ミサイルに大量破壊兵器を載せて打ち込んでくる、というケースを想定していると思われる。しかし、その場合直ちに米軍をはじめとする国際社会の反撃を受け、1週間内外で現政権の命脈は確実に尽きる。
そのようなことをした国家が、歴史上あるだろうか。
北朝鮮と似たような独裁国家であったイラクのフセイン政権も、今回のイラク戦争に先立ち、クェートに米軍が着々と集結しているにもかかわらず、これに先制攻撃を仕掛けることはしなかった。「大東亜戦争も、負けることは分かっている戦争に突入したのだからあれも暴発だ」と言う人もいる。しかし、日本はあの戦争の少なくとも4年間戦い抜き、講話のチャンスが最初から全く想定されていなかったわけではない。
「朝鮮戦争で北朝鮮は一度暴発している」と説く人もいるが、その戦争も、一時期北朝鮮にきわめて有利な状況で推移し、3年余りにおよぶ戦争の末、結局、当初の国境線がほぼ確保されているのだから、これも暴発とは言えない。しかし、現在の状況は、北朝鮮が軍事行動を起こせば、確実かつ瞬間的な破滅が待っているのだ。
北朝鮮は、これまで暴発をほのめかすことで相手を怯えさせ、外交的得点を挙げてきたが、本当に暴発すれば、その瞬間に自分たちの命脈がつきる事を彼らはよく知っている。一昨年9月の平壌会議で、私は小泉総理とともに金正日国防委員長と会ったが、金委員長はそういう意味で合理的な考えができる人物に感じた。
これらを考えると、暴発の可能性はない。にもかかわらず、それを懸念することは、北朝鮮の思う壺であり、相手を利することにしかならない。
ただし、日本国内において何らかのテロが引き起こされる可能性は排除できない。交渉が行き詰まったとき、威嚇によってそれを打開しようとして、これまでのように政府の関与、責任を認めない形で北朝鮮がテロを実行することはありえる。
そういう事態に対処するため、日本政府では有事法制の整備を着々と進めてきた。2003年6月に成立した通称「武力攻撃事態対処法」で、武装した不審船、大規模なテロリズムに対処するための体制作りを速やかに講じると定めたのもそのためだ。
しかし、法律の整備なども重要だが、それ以上に必要なのは、問題が発生したときに総理がきちんとした判断を下すことである。99年、北朝鮮の武装工作船に対して当時の小渕内閣は、速やかに海上警備行動を命じ、被害の発生を未然に防いだ。国内で大規模なテロが発生した場合も、同様に速やかに陸上自衛隊に治安出動命令を下すことができれば、今の法体制でも有効に対応することは可能である。
逆にいくら法律などが整備されても、土井たか子氏のような思想信条の人物が総理の座にあって、「北朝鮮によるテロなどあり得ません。治安出動の必要はありません」と言いつづければ、被害をふせぐことはできません。
首相官邸も新しくなり、情報収集のためハードはかなり立派になって、政府の危機管理対応の能力は非常に高まっている。しかし、最も重要なのは、最高指揮官たる総理の頭の中に、そういう事態が発生したときの対処策が、体系だって整理されているかどうかということだ。9・11同時多発テロ以降、危機対応の概念が極めて整理されているので、いざというときにはスムーズに行動できる状況はかなり整っている。
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これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.