ライブドア問題、日経は・・・
投稿者: sos_nippon 投稿日時: 2005/03/12 09:04 投稿番号: [14709 / 52541]
社説
買収防衛、「過剰」と「正当」分かつ基準(3/12)
フジテレビジョンとライブドアのニッポン放送株買収を巡る争いで、東京地裁はニッポン放送に対しフジテレビに新株予約権を発行してはならないと命じる仮処分を決定した。
ニッポン放送は「ライブドアが支配権を得ればニッポン放送の企業価値が棄損される。それを防ぐために新株発行は認めてほしい」と求めたが、認められなかった。
過剰防衛とみた地裁
そうした目的で新株発行が許されるのは「企業価値の棄損の程度が『著しく』また棄損されることが『明らか』である場合」に限られると地裁は解釈し、ライブドアが支配権を得ても「著しい損害を与えることが明らかとはいえない」と結論づけた。ニッポン放送の対抗策は“過剰防衛”との判断といえる。
さらに決定は「ライブドアがニッポン放送株を立会外取引で大量取得したのは証券取引法に違反する」とのニッポン放送の主張も退けた。「(立会外取引での大量取得は)投資者に十分な情報開示がされないまま会社の支配権が変動する恐れは否定できない。また大規模な株式買い付けをするのであれば、公開買い付けの手続きによるべきだったとの批判は可能だ。しかし証取法には立会外取引を規制する規定がない」との理由だ。
ライブドアに大量の株式を買い集められたニッポン放送は2月23日、フジテレビを割当先とする新株予約権の発行を決めた。発行済み株式数を最大で2.4倍に増やし、ライブドアの議決権比率を引き下げて買収を免れるためだ。これに対し、ライブドアは商法280条の「著しく不公正なる方法」に当たるなどとして発行差し止めを求めていた。
今回の訴訟が起きた背景には、敵対的な買収とそれに対する防衛策についてのルールが明確になっていない日本の法制度の事情がある。
一般論として、敵対的買収は日本経済への刺激剤になりうる。買収後に経営者がより優れた人物に交代すれば企業業績も向上するだろう。その利益は株主のほか従業員や地域社会など多様なステークホルダー(利害関係者)にも及ぶ。経営者の緊張感を高め、企業再生や産業活性化を促す効果も期待できる。ではなぜ防衛策が必要なのか。
買い集めた株を高値で引き取るよう企業に強要したり、企業の存続を脅かしたりする買収者が現れないとも限らないからだ。そうした買収者による企業価値の低下を防ぐことが、買収防衛策の最大の目的である。守るべきは経営者の地位ではなく、株主の利益と言える。
株主にとっては、買収者と現経営者のどちらが企業価値を高めるのかを判断するための情報と時間が必要になる。そのためには、敵対的買収に備えて会社が事前にどのような措置を講じることが許されるのか、基準が示されるべきだろう。
地裁決定も「株主全体利益の保護の観点から公正で明確なルールが定められることが期待される」と、そのルール作りを求めている。
米国でポイズンピル(毒薬条項)と呼ばれる方法を例にとろう。企業はまず株主全員に新株予約権を割り当てておく。買収者が15―20%程度の株を買い集めた場合、他の株主に新株を自動的に発行する。買収者の議決権比率を引き下げるためだ。買収者はこの毒薬条項を解除させるために経営者と交渉する。この間、他の株主は両者が主張する経営構想を比較できる。
株主利益を優先せよ
法務省が今国会提出に向けて準備している会社法案が成立すれば毒薬条項のほか、友好的な株主に買収拒否権を与える「黄金株」などを利用しやすくなる。欧米企業が既に導入している手法であり、国際的な企業の合併・買収(M&A)に備えて欧米と条件を対等にする狙いがある。
ただ会社法案が示すのはメニューであり、選択を議論するのは個々の企業の取締役会だ。黄金株などはかなり防衛色が強く、株主や投資家の目には過剰防衛に映りかねない。
毒薬条項の導入後に買収者が現れた時、条項を解除するかどうかを最初に判断するのも取締役会だ。社長に人事権を握られた生え抜き役員だけで構成する取締役会の場合、外部の目には株主利益を最優先したのか、社長の意向に従っただけなのか、が分かりにくい。防衛策の整備にはコーポレートガバナンス(企業統治)の確立が不可欠の条件と言える。
政府・自民党は会社法案のうち、外国企業の株式を対価とした企業合併については施行を1年先送りすることを決めた。しかし敵対的買収を警戒するあまりに過剰な防衛策を講じれば、株主や投資家が離れて株価が下落し、資金調達が難しくなる恐れもある。経営者の能力が低く、企業統治も確立していない企業が毒薬条項にすがれば、自家中毒になりかねない。
フジテレビジョンとライブドアのニッポン放送株買収を巡る争いで、東京地裁はニッポン放送に対しフジテレビに新株予約権を発行してはならないと命じる仮処分を決定した。
ニッポン放送は「ライブドアが支配権を得ればニッポン放送の企業価値が棄損される。それを防ぐために新株発行は認めてほしい」と求めたが、認められなかった。
過剰防衛とみた地裁
そうした目的で新株発行が許されるのは「企業価値の棄損の程度が『著しく』また棄損されることが『明らか』である場合」に限られると地裁は解釈し、ライブドアが支配権を得ても「著しい損害を与えることが明らかとはいえない」と結論づけた。ニッポン放送の対抗策は“過剰防衛”との判断といえる。
さらに決定は「ライブドアがニッポン放送株を立会外取引で大量取得したのは証券取引法に違反する」とのニッポン放送の主張も退けた。「(立会外取引での大量取得は)投資者に十分な情報開示がされないまま会社の支配権が変動する恐れは否定できない。また大規模な株式買い付けをするのであれば、公開買い付けの手続きによるべきだったとの批判は可能だ。しかし証取法には立会外取引を規制する規定がない」との理由だ。
ライブドアに大量の株式を買い集められたニッポン放送は2月23日、フジテレビを割当先とする新株予約権の発行を決めた。発行済み株式数を最大で2.4倍に増やし、ライブドアの議決権比率を引き下げて買収を免れるためだ。これに対し、ライブドアは商法280条の「著しく不公正なる方法」に当たるなどとして発行差し止めを求めていた。
今回の訴訟が起きた背景には、敵対的な買収とそれに対する防衛策についてのルールが明確になっていない日本の法制度の事情がある。
一般論として、敵対的買収は日本経済への刺激剤になりうる。買収後に経営者がより優れた人物に交代すれば企業業績も向上するだろう。その利益は株主のほか従業員や地域社会など多様なステークホルダー(利害関係者)にも及ぶ。経営者の緊張感を高め、企業再生や産業活性化を促す効果も期待できる。ではなぜ防衛策が必要なのか。
買い集めた株を高値で引き取るよう企業に強要したり、企業の存続を脅かしたりする買収者が現れないとも限らないからだ。そうした買収者による企業価値の低下を防ぐことが、買収防衛策の最大の目的である。守るべきは経営者の地位ではなく、株主の利益と言える。
株主にとっては、買収者と現経営者のどちらが企業価値を高めるのかを判断するための情報と時間が必要になる。そのためには、敵対的買収に備えて会社が事前にどのような措置を講じることが許されるのか、基準が示されるべきだろう。
地裁決定も「株主全体利益の保護の観点から公正で明確なルールが定められることが期待される」と、そのルール作りを求めている。
米国でポイズンピル(毒薬条項)と呼ばれる方法を例にとろう。企業はまず株主全員に新株予約権を割り当てておく。買収者が15―20%程度の株を買い集めた場合、他の株主に新株を自動的に発行する。買収者の議決権比率を引き下げるためだ。買収者はこの毒薬条項を解除させるために経営者と交渉する。この間、他の株主は両者が主張する経営構想を比較できる。
株主利益を優先せよ
法務省が今国会提出に向けて準備している会社法案が成立すれば毒薬条項のほか、友好的な株主に買収拒否権を与える「黄金株」などを利用しやすくなる。欧米企業が既に導入している手法であり、国際的な企業の合併・買収(M&A)に備えて欧米と条件を対等にする狙いがある。
ただ会社法案が示すのはメニューであり、選択を議論するのは個々の企業の取締役会だ。黄金株などはかなり防衛色が強く、株主や投資家の目には過剰防衛に映りかねない。
毒薬条項の導入後に買収者が現れた時、条項を解除するかどうかを最初に判断するのも取締役会だ。社長に人事権を握られた生え抜き役員だけで構成する取締役会の場合、外部の目には株主利益を最優先したのか、社長の意向に従っただけなのか、が分かりにくい。防衛策の整備にはコーポレートガバナンス(企業統治)の確立が不可欠の条件と言える。
政府・自民党は会社法案のうち、外国企業の株式を対価とした企業合併については施行を1年先送りすることを決めた。しかし敵対的買収を警戒するあまりに過剰な防衛策を講じれば、株主や投資家が離れて株価が下落し、資金調達が難しくなる恐れもある。経営者の能力が低く、企業統治も確立していない企業が毒薬条項にすがれば、自家中毒になりかねない。
これは メッセージ 14706 (sos_nippon さん)への返信です.