Re: ステさんによる新しい【慰安婦問題】①
投稿者: steffi_10121976 投稿日時: 2010/04/25 14:58 投稿番号: [21520 / 29399]
はじめに、半年あまりの遅レスとなってしまいましたことをお詫び申しあげます。
>吉田清治さんの本は読んだ事がないけど、吉見教授や朝日新聞が【軍(=帝国政府)による、国策としての慰安婦の強制連行もしくは徴用という文脈での定義づけ】を主張?その部分を是非提示して。
こんなこと、慰安婦問題に少しでも関心をお持ちの方ならば当然認識されているはずですけれども、あなたがどうしてもご存じないとおっしゃられるのであれば、喜んでお教えしてさしあげますよ。
どらさんは平成4年1月11日付の朝日新聞第1面の冒頭を飾った大見出し記事をお読みになったことはありますか?
タイトルは「慰安所の経営に当たり軍が関与、大発見資料」、内容は「部隊に設置指示 募集含め統制・監督」「朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した」「その数は8万とも20万ともいわれる」というものでした。
その資料とは、昭和13年3月4日付で陸軍省から北支・中支軍参謀長に宛てられた副官通達案「軍慰安所従業婦等募集に関する件(陸支密受第二一九七号)」で、それを“大発見”して朝日にスクープ記事を書かせたのが吉見教授です。
つまり吉見教授はこの資料を根拠として、朝日の紙面において、軍(=帝国政府。以下同様)が「朝鮮人女性を挺身隊の名で慰安婦として強制連行した」「軍の関与は明白であり、謝罪と補償をしろ」ときっぱりと主張したわけです。
ところが、「陸支密受第二一九七号」に書かれていたのは、民間業者が慰安婦の募集を行なうにあたって、軍部の諒解を得ているなどと偽ったり、従軍記者や慰問者等を介して統制のない募集を行なったり、誘拐まがいの悪質な手段に出たりしないよう、現地の憲兵や警察と連携してしっかり取り締まれといった、治安や秩序維持についての注意を喚起する内容でした。
吉見教授は、ご自分が“大発見”した公文書の内容をきちんと判読する能力をお持ちでなかったのか、あるいは功を焦るあまり、肝心の内容を見落としてしまったのか、そのあたりの事情はよくわかりませんけれども、いずれにしてもこれが致命的な失態となって、その年の12月には自著『従軍慰安婦資料集』(大月書店)の中で、「強制連行というと人狩りの場合しか想定しない日本人が多いが、これは『狭義の強制連行』であり、詐欺などを含む『広義の強制連行』の問題をも深刻に考えてしかるべきであろう」と、自説の大幅な軌道修正に追い込まれています。
“強制連行あった派”の主張が、それまでの「狭義の強制性」論から、「広義の強制性」論に大きく後退し、事実上の敗北宣言となった瞬間です。
ただ、吉見教授自身はこの時点ではまだ「狭義の強制連行」論に未練がおありになったと見えて、平成5年6月9日付の西野瑠美子さん(VAWW-NETジャパン共同代表)との対談では、「『慰安婦』だった方の証言によりますと、人狩り、奴隷狩りのように強制的に拉致されたというケースもあったようですね」(西野瑠美子著『従軍慰安婦のはなし 十代のあなたへのメッセージ』明石書店)と、伝聞表現ながらもぼそぼそと述べておられますし、また、あなたが本トピの21513でご引用なさっている上杉聰さん(「日本の戦争責任資料センター」事務局長)の平成8年11月14日付ウェブサイトを見ますと、朝鮮済州島で現地の女性を暴力的に強制連行したという“加害告白本”を出版された吉田清治さんがその捏造を秦郁彦元教授に暴かれて窮地に立たされていたとき、吉見教授は上杉さんといっしょに吉田氏に反論を勧めたことが明かされていますので、当初段階では吉見教授も吉田さんの告白内容が事実であると信じ、それを支持していたことは疑いのない事実でしょう。
もっとも、平成7年4月発行の自著『従軍慰安婦』(岩波新書)においては、もはや「人狩り、奴隷狩りのような強制連行」や「挺身隊の名による強制連行」については一言も語っておられませんし、平成9年1月に出演されたテレビの生放送討論会では、「植民地での奴隷狩り的強制連行は確認されていない」「挺身隊が慰安婦にさせられた例も確認されていない」とはっきりとお認めになっていらっしゃいますので、少なくとも秦元教授の指摘によって吉田さんの加害告白の信憑性が崩壊した平成4年5月ごろを境に、主張内容の“大転換”を図らざるを得なくなったものと思われます。
(つづく)
>吉田清治さんの本は読んだ事がないけど、吉見教授や朝日新聞が【軍(=帝国政府)による、国策としての慰安婦の強制連行もしくは徴用という文脈での定義づけ】を主張?その部分を是非提示して。
こんなこと、慰安婦問題に少しでも関心をお持ちの方ならば当然認識されているはずですけれども、あなたがどうしてもご存じないとおっしゃられるのであれば、喜んでお教えしてさしあげますよ。
どらさんは平成4年1月11日付の朝日新聞第1面の冒頭を飾った大見出し記事をお読みになったことはありますか?
タイトルは「慰安所の経営に当たり軍が関与、大発見資料」、内容は「部隊に設置指示 募集含め統制・監督」「朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した」「その数は8万とも20万ともいわれる」というものでした。
その資料とは、昭和13年3月4日付で陸軍省から北支・中支軍参謀長に宛てられた副官通達案「軍慰安所従業婦等募集に関する件(陸支密受第二一九七号)」で、それを“大発見”して朝日にスクープ記事を書かせたのが吉見教授です。
つまり吉見教授はこの資料を根拠として、朝日の紙面において、軍(=帝国政府。以下同様)が「朝鮮人女性を挺身隊の名で慰安婦として強制連行した」「軍の関与は明白であり、謝罪と補償をしろ」ときっぱりと主張したわけです。
ところが、「陸支密受第二一九七号」に書かれていたのは、民間業者が慰安婦の募集を行なうにあたって、軍部の諒解を得ているなどと偽ったり、従軍記者や慰問者等を介して統制のない募集を行なったり、誘拐まがいの悪質な手段に出たりしないよう、現地の憲兵や警察と連携してしっかり取り締まれといった、治安や秩序維持についての注意を喚起する内容でした。
吉見教授は、ご自分が“大発見”した公文書の内容をきちんと判読する能力をお持ちでなかったのか、あるいは功を焦るあまり、肝心の内容を見落としてしまったのか、そのあたりの事情はよくわかりませんけれども、いずれにしてもこれが致命的な失態となって、その年の12月には自著『従軍慰安婦資料集』(大月書店)の中で、「強制連行というと人狩りの場合しか想定しない日本人が多いが、これは『狭義の強制連行』であり、詐欺などを含む『広義の強制連行』の問題をも深刻に考えてしかるべきであろう」と、自説の大幅な軌道修正に追い込まれています。
“強制連行あった派”の主張が、それまでの「狭義の強制性」論から、「広義の強制性」論に大きく後退し、事実上の敗北宣言となった瞬間です。
ただ、吉見教授自身はこの時点ではまだ「狭義の強制連行」論に未練がおありになったと見えて、平成5年6月9日付の西野瑠美子さん(VAWW-NETジャパン共同代表)との対談では、「『慰安婦』だった方の証言によりますと、人狩り、奴隷狩りのように強制的に拉致されたというケースもあったようですね」(西野瑠美子著『従軍慰安婦のはなし 十代のあなたへのメッセージ』明石書店)と、伝聞表現ながらもぼそぼそと述べておられますし、また、あなたが本トピの21513でご引用なさっている上杉聰さん(「日本の戦争責任資料センター」事務局長)の平成8年11月14日付ウェブサイトを見ますと、朝鮮済州島で現地の女性を暴力的に強制連行したという“加害告白本”を出版された吉田清治さんがその捏造を秦郁彦元教授に暴かれて窮地に立たされていたとき、吉見教授は上杉さんといっしょに吉田氏に反論を勧めたことが明かされていますので、当初段階では吉見教授も吉田さんの告白内容が事実であると信じ、それを支持していたことは疑いのない事実でしょう。
もっとも、平成7年4月発行の自著『従軍慰安婦』(岩波新書)においては、もはや「人狩り、奴隷狩りのような強制連行」や「挺身隊の名による強制連行」については一言も語っておられませんし、平成9年1月に出演されたテレビの生放送討論会では、「植民地での奴隷狩り的強制連行は確認されていない」「挺身隊が慰安婦にさせられた例も確認されていない」とはっきりとお認めになっていらっしゃいますので、少なくとも秦元教授の指摘によって吉田さんの加害告白の信憑性が崩壊した平成4年5月ごろを境に、主張内容の“大転換”を図らざるを得なくなったものと思われます。
(つづく)
これは メッセージ 21380 (dorawasabi5001 さん)への返信です.