日中関係

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産業は伝統芸能とは違う

投稿者: mori_syouzaburo 投稿日時: 2002/08/26 16:40 投稿番号: [26308 / 196466]
政策研究大学院大学教授
橋本久義氏

  中国という国をどうとらえるべきか。私は「コスト競争力のある巨大工場」というよりむしろ「未開拓の巨大市場」と考えるべきだと思う。自動車でいえば,「ヴィッツ」のようなコストで勝負するタイプのものは中国で生産するようになってしまうかもしれない。だが「セルシオ」のような高級車種の生産は国内に残るだろう。そして「セルシオ」の市場が中国にまで広がれば,日本にとってメリットは大きいはずだ。
  日本の製造業が1990年代に急速に優位性を失っていったのは「日本の製造業は世界のトップに立った,もう米国にも欧州にも負けない」という自負を抱いたからだと思う。その途端に目標を見失い,精進を怠ってしまった。その意味で,中国という強力な競合相手が出てきたことは,むしろ喜ぶべきことかもしれない。
  競争は進歩を促進する。だが,進歩してもなお競争力を回復できない産業もあるだろう。だが,こうした産業はいくら国内に止めようとしてもなくなってしまうし,残る産業は残る。
  昔,私が当時の通産省にいたころ,アルミニウムを精錬する企業が日本になくなりそうだという話があった。それでいいのか,そうなったらアルミをベースにした高度な新素材の開発に支障をきたすのではないかという議論が,当然のように省内で持ち上がった。結果から言えば,日本でアルミを精錬する企業はなくなったが,それで特に不都合が生じたという話は聞いていない。伝統芸能のようなかたちで特定の産業を残しても,それでは残ったことにならない。
  私は日本の中小企業の工場を2400カ所以上見て回った。その経験から,かつては中国で品質の良いモノが作れるはずはないと思っていた。良いモノ作りのためには「粘り,頑張り,真心,辛抱」が必要だというのが私の持論だが,そのいずれも中国では感じることができなかったからだ。
  確かに,かつてに比べると労働者は勤勉になったようだ。だが,日本に比べれば,作業者同士がお互いに協力しカバーしながら働くという意識は低いように思う。会社に対する忠誠心も,惜しみなく教え合う雰囲気も,日本の企業に比べれば希薄なのではないか。何か問題が起こったときには責任を押し付けあうような風土があまりに強いと,良いモノ作りはできない。
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