【香港】消費税導入は不可避
投稿者: kflez 投稿日時: 2002/06/13 12:51 投稿番号: [24560 / 196466]
日本領事が見解
在香港日本国総領事館経済部の鈴木恭人(やすひと)領事(財務省より出向)はこのほど、NNAとのインタビューに応じ、個人的意見として、香港政府が7月以降、新税についての財政論議をどのように再開するか、注目したいと述べた。消費税の導入は不可避だと考えるが、時期については政府による世論形成の努力次第との見方だ鈴木領事がこれまでに接触した香港の当局者は、昨年度も赤字を計上した政府財政について「歳出削減で乗りきる。新税は当面ない」と口をそろえているという。領事はこれを「香港返還5周年(記念行事)を前に波風を起こせないからではないか」と解釈している。
梁錦松(アントニー・リョン)財政長官が3月に発表した予算案は、消費税のような大型の新税を全く前提にしていない。しかし、今後とも福祉、教育への支出が増大すると見込まれる中、歳出超過は避けられない見通しだ。このため、返還5周年の「祭」が終わった後、時期を見て税制の議論を再開しなくてはならないだろうという。
2002/03年度予算の発表前に消費税の必要性を提案する報告書が提出された後で、その報告書の内容が十分に生かされない予算が作られたことから、新税については、議論を再開するのにも、一定のプロセスが必要となるのではないかと見ている。次の機会は来年度予算(2003/04年)で、新税の議論がどのようになされるのか、注目したいという。
■リポートはアリバイ作り
鈴木領事は、新税は「(課税対象が)浅く広い」消費税以外にはないとみている。香港政府が2月に公表した「税収ベースを拡大するための新税諮問委員会」の財政長官に対するリポートは、消費税だけでなく累進課税から人頭税まで、さまざまな新税を検討したが、これは「アリバイ作り」であり、世論醸成の作業の一環と見ている。
消費税以外の新税は、一定階層のみの負担を強化することとなり、現在税を負担している層にさらなる税負担を求めれば、香港の国際競争力を損なうと指摘。企業課税については、現時点でも香港の上場企業には、カリブ海の英領諸島などタックスヘイブンで名高い地域に会社登記をして、世界的に低率な香港の法人税さえ払っていない企業も多く、政府として企業のこうした動きを加速させるような判断をとることはできないと見るからだ。
消費税の導入時期については、世論作りにかかる時間次第とみている。香港政府は、手続き的には新税を強行できるが、立法会の全8政党・会派がそろって新税に反対している中、強行すれば反動が強いと予想され、その手続きには慎重を要するだろうという。
■日本の消費税との比較
香港の財政当局者は、日本が97年に税率を3%から5%に引き上げた消費税増税が、日本の景気を大幅に後退させた「失敗例」としてよく引き合いに出す。「これに対して香港政府は景気にも配慮して導入に慎重に対応している」という説明をするが、これは一面的という。鈴木領事は、日本での消費税率引き上げは、その2年以上前から立法化されていたこと、97年の夏の景気回復後、景気が急速に悪化したのは、アジア通貨危機や相次ぐ金融機関破綻など様々な要因が重なり合ったものと説明しているという。むしろ、香港政府には、どんなに慎重に導入したとしても、増税前後の世論の反発は避けられないということ、だからこそ、手順が大事であるということを教訓として認識してほしいという。
■本土の増税阻止、企業の力で可能
鈴木領事はまた、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に伴う、中国の外資企業への企業所得(法人)税率の優遇廃止、または地場企業との税率統一については、必然的・不可避なものではないと見ている。
WTOのルールは国際間のルールであり、いわゆる「内国民待遇」とは自国の国民・企業に比べ外国人・企業が不利な待遇を受けることがないこと。逆に外国人・外国企業が有利な場合には、外国政府がその解消を求める可能性は低いことから、国際的な問題にはならないはずという。しかし、中国地場企業、特に競争力の弱い国有企業にとって、競合する外資が低税率等の恩恵を一方的に受け続けることは我慢できないはず。したがって、廃止・統一は中国の国内問題だ。
一方、中国政府は外資企業の投資が減ることを歓迎しないだろうし、優遇政策の廃止ということになれば、外資企業はロビー活動を幅広く繰り広げるのではないか。ただ、中国政府が外資と地場企業を天秤にかけて、どちらに傾くかは予断を許さない。いずれにしても、今後中国政府はさまざまな機会を通じて、優遇廃止のさぐりを入れるてくるだろうとみている。(NNA)
[6月13日9時4分更新]
在香港日本国総領事館経済部の鈴木恭人(やすひと)領事(財務省より出向)はこのほど、NNAとのインタビューに応じ、個人的意見として、香港政府が7月以降、新税についての財政論議をどのように再開するか、注目したいと述べた。消費税の導入は不可避だと考えるが、時期については政府による世論形成の努力次第との見方だ鈴木領事がこれまでに接触した香港の当局者は、昨年度も赤字を計上した政府財政について「歳出削減で乗りきる。新税は当面ない」と口をそろえているという。領事はこれを「香港返還5周年(記念行事)を前に波風を起こせないからではないか」と解釈している。
梁錦松(アントニー・リョン)財政長官が3月に発表した予算案は、消費税のような大型の新税を全く前提にしていない。しかし、今後とも福祉、教育への支出が増大すると見込まれる中、歳出超過は避けられない見通しだ。このため、返還5周年の「祭」が終わった後、時期を見て税制の議論を再開しなくてはならないだろうという。
2002/03年度予算の発表前に消費税の必要性を提案する報告書が提出された後で、その報告書の内容が十分に生かされない予算が作られたことから、新税については、議論を再開するのにも、一定のプロセスが必要となるのではないかと見ている。次の機会は来年度予算(2003/04年)で、新税の議論がどのようになされるのか、注目したいという。
■リポートはアリバイ作り
鈴木領事は、新税は「(課税対象が)浅く広い」消費税以外にはないとみている。香港政府が2月に公表した「税収ベースを拡大するための新税諮問委員会」の財政長官に対するリポートは、消費税だけでなく累進課税から人頭税まで、さまざまな新税を検討したが、これは「アリバイ作り」であり、世論醸成の作業の一環と見ている。
消費税以外の新税は、一定階層のみの負担を強化することとなり、現在税を負担している層にさらなる税負担を求めれば、香港の国際競争力を損なうと指摘。企業課税については、現時点でも香港の上場企業には、カリブ海の英領諸島などタックスヘイブンで名高い地域に会社登記をして、世界的に低率な香港の法人税さえ払っていない企業も多く、政府として企業のこうした動きを加速させるような判断をとることはできないと見るからだ。
消費税の導入時期については、世論作りにかかる時間次第とみている。香港政府は、手続き的には新税を強行できるが、立法会の全8政党・会派がそろって新税に反対している中、強行すれば反動が強いと予想され、その手続きには慎重を要するだろうという。
■日本の消費税との比較
香港の財政当局者は、日本が97年に税率を3%から5%に引き上げた消費税増税が、日本の景気を大幅に後退させた「失敗例」としてよく引き合いに出す。「これに対して香港政府は景気にも配慮して導入に慎重に対応している」という説明をするが、これは一面的という。鈴木領事は、日本での消費税率引き上げは、その2年以上前から立法化されていたこと、97年の夏の景気回復後、景気が急速に悪化したのは、アジア通貨危機や相次ぐ金融機関破綻など様々な要因が重なり合ったものと説明しているという。むしろ、香港政府には、どんなに慎重に導入したとしても、増税前後の世論の反発は避けられないということ、だからこそ、手順が大事であるということを教訓として認識してほしいという。
■本土の増税阻止、企業の力で可能
鈴木領事はまた、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に伴う、中国の外資企業への企業所得(法人)税率の優遇廃止、または地場企業との税率統一については、必然的・不可避なものではないと見ている。
WTOのルールは国際間のルールであり、いわゆる「内国民待遇」とは自国の国民・企業に比べ外国人・企業が不利な待遇を受けることがないこと。逆に外国人・外国企業が有利な場合には、外国政府がその解消を求める可能性は低いことから、国際的な問題にはならないはずという。しかし、中国地場企業、特に競争力の弱い国有企業にとって、競合する外資が低税率等の恩恵を一方的に受け続けることは我慢できないはず。したがって、廃止・統一は中国の国内問題だ。
一方、中国政府は外資企業の投資が減ることを歓迎しないだろうし、優遇政策の廃止ということになれば、外資企業はロビー活動を幅広く繰り広げるのではないか。ただ、中国政府が外資と地場企業を天秤にかけて、どちらに傾くかは予断を許さない。いずれにしても、今後中国政府はさまざまな機会を通じて、優遇廃止のさぐりを入れるてくるだろうとみている。(NNA)
[6月13日9時4分更新]
これは メッセージ 24559 (kflez さん)への返信です.
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