日中関係

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中国の教科書5

投稿者: gagababa_kk 投稿日時: 2001/06/22 01:53 投稿番号: [18015 / 196466]
三、教科書以外の歴史教育

中国政府が小中学校の教科書を国で決めるという「国定体制」を取るのは、教育システムを中国共産党と政府が決めた教育方針の枠組みの中に運営していこうという思惑が働いているからである。「教育はプロレタリア階級の政治に奉仕しなければならない。教育は生産労働と結び付けなければならない」。教育に関する中国共産党のこの基本方針は、この傾向を最も端的に示している。さらに、中等教育における歴史教育の方針について、政府と共産党は「学生の素質を高めることに着目し、特に国情に関する教育から着手し、生徒に対して祖国を愛し、中国共産党を愛し、社会主義事業を愛し、4つの基本原則と改革開放政策を堅持する教育を行う」ようと規定した。つまり、愛国教育と歴史主義教育の合体である。
しかし、教育方針と教科書だけでは、歴史教育の全体を規制することはやはり無理なところがある。特に注目に値するのは、教育現場の歴史教育現状である。教師たちの歴史認識、そして父母たち及び中国社会全体の日本に対するイメージ・不信感・警戒感などは、教科書の内容そのものを遙かに越えていて、学生を強く影響している。また、親からの影響、小説・歴史人物伝記など書籍からの影響、映画・テレビなど現代マスメディアからの影響、いずれも大きな力を持っている。時には、教科書以上の影響力を持つといっても過言ではない。
  一つの例として、1995年8月29日ハルビンの地方紙である『新晩報』の記事を紹介したい。「今日午前、当年日本侵略軍が残していた一発の砲弾は意外に爆発して、村民1人死亡、2人負傷の大惨事となった。……ある住民の紹介によれば、当年日本帝国主義が中国に侵略した時、周家鎮郊外に弾薬倉庫を建てた。解放後、周家鎮の村民は農作業を行う時、よく日本軍が残した砲弾を見付かり、爆発事件も3・4件発生した。地元の農民たちの生活と生命安全は常に脅かされている」。この記事のタイトルも「砲弾が50年も残留され、日本軍は新しい罪を犯した。周家鎮郊外砲弾が爆発、村民は1人死亡、2人負傷」となっていた。日本では、大勢の住民がダイオキシンなどの「現代社会病」で悩んでいる時、当時戦場と化した中国地元の住民はまだ旧日本軍が残した砲弾や毒ガス弾の破壊力に曝されている。彼らにとっては、昔の戦争は現在でも続けているのである。両国国民間のこうした落差は、相互理解や経済交流などにも暗雲を落とし、近年来の日中関係に対し、不安定的な影響を与えた要因に一つと考えられる。これは歴史教科書以外の歴史教育と言ってもよかろう。

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