Re: 20年後3
投稿者: chimryuuban 投稿日時: 2008/05/16 23:19 投稿番号: [163315 / 196466]
>こうして、いまや、単純労働者の生み出す価値は、世界中どこでもさほど変わらなくなったにも関わらず、単純労働者の消費する生活インフラコストは、大きな格差が生じていた。発展途上国の単純労働者の生活インフラは、クローバル経済の恩恵により、以前に比べれば幾分豊かになったものの、日本のような過剰な贅沢からは、依然としてほど遠かったからだ。
そして、中国やインドの単純労働者は、消費する価値よりも生産する価値の方が大きかったため、国家にとって、それは利回りを生む資産となった。そして、日本人の単純労働者は、生産する価値が発展途上国の単純労働者とさほどの差が無くなってきているのに、消費する価値があまりにも巨大すぎるために、国家や地方自治体の予算を食いつぶす負債となったのである。
さらに、これに拍車をかけたのが、今世紀初頭に、小泉政権によって民営化された道路公団が、田舎の地方自治体の圧力に屈して、結局、民営化前に計画されていた建設予定の高速道路を、一つも取りやめにすることができず、全線を建設するという意志決定してしまったことだ。民営化された道路公団の社長の悔しそうな表情から、彼もそうとう抵抗したことが伺えるが、結局、日本は、多額の債務を抱えながらも、分不相応な高コスト生活インフラという浪費癖をやめられなかったのである。
さらに、言語の壁により、世界から取り残された日本は、知識労働力だけでなく、単純労働力でさえも、調達コストが高止まりしたため、日本に残った企業は、急速に競争力を失っていった。
こうした日本の企業の競争力の低下に伴い、円の為替レートがどんどん下がっていった。円安の進行が始まったのである。
日本企業の生み出す、安くて高品質の製品を世界中が買いたがったからこそ、世界の人々が日本製品を手に入れるために円を求め、円の需要が上がり、円高が維持されてきたのだ。いまや中国もインドも、安くて魅力的な商品やサービスを世界中に提供している。高級品なら、ドイツ、イタリア、フランス、イギリスなどのヨーロッパ勢が強い。
もはや、日本は特別な国では無くなってしまっていた。アメリカに次ぐ世界第二の経済大国であったのは、もはや歴史の教科書の一ページでしかない。
そして、この円安の進行は、日本人の生活を直撃した。輸入される原油の価格が上がり、交通手段も、電気代も、スーパーの商品も、何もかもが値上がりした。しかも、給料は据え置きだ。
いや、給料がそのままだったのは、きわめてラッキーな一部の人たちに過ぎなかった。
あらゆる生活用品が値上がりしたことと、将来への不安感から、日本の消費は徹底的に冷え込んだ。一部の裕福な人たち以外は、消費を徹底的に手控えるようになった。このため、どんどんものが売れなくなった。ものが売れなくなったので、企業はどんどん採算が悪化していった。
この結果、賃金は大幅にカットされ、合理化が進められ、大量の企業が倒産し、膨大な失業者が生まれた。
結局、日本は、言葉の壁によって、兵糧攻めにされたのである。21世紀の産業の米は、知識労働力であった。そして、言葉の壁が、兵糧の供給を遮断してしまったのだ。
この兵糧攻めにより、日本の財政は、もはや鼻血も出ない状態となった。企業が競争力を失ったことで、予想をはるかに超える税収の低下が起こったからである。そして、消費の冷え込みにより、国内経済も、どこまでもどこまでも地盤沈下していく。
こうして、医療も年金も福祉も、その財源を失い、破綻した。英語圏では、ゲノム創薬によって、つぎつぎに画期的な薬が開発され、画期的な治療法が開発されているのに、日本はそれを輸入する金がなく、保険でカバーされる範囲では、ろくな治療を受けられなくなった。それどころか、徴収される保険料が高騰し、保険に入っていない人たちが大量に生まれた。
保険に入っていないため、痛くても苦しくても、目の調子がおかしくても、医者に行くのを手控え、そのまま失明したり、半身不随になったり、寝たきりになるなどの、後遺症が残り、残りの人生を苦痛と絶望の中で過ごすケースも多かった。
建築工事の音に街があふれていたのも昔の話。いまは、老朽化し、壁のはげ落ちるに任せたくすんだ建物が並ぶ荒涼とした光景が、日本の都市によく見られる姿だ。洪水で橋が流されても、建て替える予算がなく、かなりの遠回りしなければ川を渡れなくなっているなど、珍しい話ではない。
そして、大人たちは、今日の話をしなくなった。寄ると触ると、昔のよかったころの日本の話ばかりをする。今日の話をすると、陰鬱な気分になり、だれも楽しくないからだ。>
そして、中国やインドの単純労働者は、消費する価値よりも生産する価値の方が大きかったため、国家にとって、それは利回りを生む資産となった。そして、日本人の単純労働者は、生産する価値が発展途上国の単純労働者とさほどの差が無くなってきているのに、消費する価値があまりにも巨大すぎるために、国家や地方自治体の予算を食いつぶす負債となったのである。
さらに、これに拍車をかけたのが、今世紀初頭に、小泉政権によって民営化された道路公団が、田舎の地方自治体の圧力に屈して、結局、民営化前に計画されていた建設予定の高速道路を、一つも取りやめにすることができず、全線を建設するという意志決定してしまったことだ。民営化された道路公団の社長の悔しそうな表情から、彼もそうとう抵抗したことが伺えるが、結局、日本は、多額の債務を抱えながらも、分不相応な高コスト生活インフラという浪費癖をやめられなかったのである。
さらに、言語の壁により、世界から取り残された日本は、知識労働力だけでなく、単純労働力でさえも、調達コストが高止まりしたため、日本に残った企業は、急速に競争力を失っていった。
こうした日本の企業の競争力の低下に伴い、円の為替レートがどんどん下がっていった。円安の進行が始まったのである。
日本企業の生み出す、安くて高品質の製品を世界中が買いたがったからこそ、世界の人々が日本製品を手に入れるために円を求め、円の需要が上がり、円高が維持されてきたのだ。いまや中国もインドも、安くて魅力的な商品やサービスを世界中に提供している。高級品なら、ドイツ、イタリア、フランス、イギリスなどのヨーロッパ勢が強い。
もはや、日本は特別な国では無くなってしまっていた。アメリカに次ぐ世界第二の経済大国であったのは、もはや歴史の教科書の一ページでしかない。
そして、この円安の進行は、日本人の生活を直撃した。輸入される原油の価格が上がり、交通手段も、電気代も、スーパーの商品も、何もかもが値上がりした。しかも、給料は据え置きだ。
いや、給料がそのままだったのは、きわめてラッキーな一部の人たちに過ぎなかった。
あらゆる生活用品が値上がりしたことと、将来への不安感から、日本の消費は徹底的に冷え込んだ。一部の裕福な人たち以外は、消費を徹底的に手控えるようになった。このため、どんどんものが売れなくなった。ものが売れなくなったので、企業はどんどん採算が悪化していった。
この結果、賃金は大幅にカットされ、合理化が進められ、大量の企業が倒産し、膨大な失業者が生まれた。
結局、日本は、言葉の壁によって、兵糧攻めにされたのである。21世紀の産業の米は、知識労働力であった。そして、言葉の壁が、兵糧の供給を遮断してしまったのだ。
この兵糧攻めにより、日本の財政は、もはや鼻血も出ない状態となった。企業が競争力を失ったことで、予想をはるかに超える税収の低下が起こったからである。そして、消費の冷え込みにより、国内経済も、どこまでもどこまでも地盤沈下していく。
こうして、医療も年金も福祉も、その財源を失い、破綻した。英語圏では、ゲノム創薬によって、つぎつぎに画期的な薬が開発され、画期的な治療法が開発されているのに、日本はそれを輸入する金がなく、保険でカバーされる範囲では、ろくな治療を受けられなくなった。それどころか、徴収される保険料が高騰し、保険に入っていない人たちが大量に生まれた。
保険に入っていないため、痛くても苦しくても、目の調子がおかしくても、医者に行くのを手控え、そのまま失明したり、半身不随になったり、寝たきりになるなどの、後遺症が残り、残りの人生を苦痛と絶望の中で過ごすケースも多かった。
建築工事の音に街があふれていたのも昔の話。いまは、老朽化し、壁のはげ落ちるに任せたくすんだ建物が並ぶ荒涼とした光景が、日本の都市によく見られる姿だ。洪水で橋が流されても、建て替える予算がなく、かなりの遠回りしなければ川を渡れなくなっているなど、珍しい話ではない。
そして、大人たちは、今日の話をしなくなった。寄ると触ると、昔のよかったころの日本の話ばかりをする。今日の話をすると、陰鬱な気分になり、だれも楽しくないからだ。>
これは メッセージ 163313 (chimryuuban さん)への返信です.
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