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Re: 封印された過去−日本人慰安婦 前編三

投稿者: jm_s1960 投稿日時: 2007/03/14 15:23 投稿番号: [133593 / 196466]
   件の『台湾山砲戦記』という本の中で、老人は、慰安婦にまつわる記述がある部分の一箇所だけ私たちに見せてくれた。慰安婦たちを乗せた帰還船と、兵士たちの乗った船が、スンバワ島サペ湾で擦れ違う時の光景を次のように一兵士は、回想している。

  五番目の島スンバワ島。サペ湾を船は静かに港へ向って進んで行く。朝凪ぎの海に漣が、朝日にキラキラと光っている。空には無数のカモメが飛び交っている。其の時、一隻の機帆船が出港して来るのが見えた。我々は上陸準備を初めて居た。我々の船とその機帆船がすれ違う時、誰かが、
「オイ、あの船に慰安婦達が乗って居るぞ」
と叫んだ。みんな荷物の方は放ったらかしにして一斉に機帆船の方を向いた。甲板上に大勢の女達の姿が見える。船と船との間は十米位いだろう。
「オーイ、元気かァ」
と叫ぶと、女達も気が付いた様子で一斉に手を振り出した。
「ヘイタイサン、ゲンキデネ」
ハンカチを打ち振る者や、両手を挙げて飛び跳ねて居る者も居る。
「オーイ、無事に故郷に帰れョー」
横田さんが大声で叫けんだ。
「ニホントアン(御主人様)、サヨナラネー」
「テレマカシイ、トアン(ありがとう、御主人様)」
「病気になるなよ」
「スラマッジャラン(さようなら)」
「さようならァ」
と互いの叫び声が飛び交った。船はすれ違い静かに離れて行く。四、五人の女達が船尾の方に走って来て手を振り続ける。お互いの顔が見えなくなるまで帽子や手を振った。
  考えて見ると、彼女達も戦争の犠牲者なのである。レストランのウェイトレスだと騙されて、故郷から二千粁も離れたチモール島の果てに連れて来られ、兵隊の相手を強いられたのである。貧しさ故に運命に翻弄された哀れな女達なのだ。今は唯、故郷に帰って幸福になって呉れる事を祈るのみである。
   『台湾山砲戦記』   「蟻の群スンダを渡る」   (木下哲夫)

                  凄惨な戦争の様相も南洋の太陽の下、まばゆいまでの光に曝され、一瞬、霧散したかのように見える。暗澹たる時節の後、訪れた平穏な時間を謳歌する人々の姿が生き生きと描写されている。
  そして、兵士の心の奥にも日本軍の支配体系の下、明日をも知れぬ死への恐怖を紛らわし、絶望の果ての頽落の捌け口として虐げてきた慰安婦の来歴を慮り、いたわる余裕がみられた。
  この光景は、敗戦後、日本軍兵士、インドネシア人慰安婦、それぞれの帰還の過程で繰り広げられた情景である。しかし、印象的で叙情味にすらあふれた光景がどうして出現したのか、その背景に思いを巡らす必要がある。
  太平洋戦争も終局にさしかかった時期、戦局は更に酸鼻と凄惨さを極めた奈落の形相を呈していく。

  海軍第二十五特別根拠地隊司令部付の坂部康正主計将校の回想によれば、アンボンでは、戦局が悪化して日本人女性が慰安婦も含めて内地に帰郷したために、司令部の「M参謀」は、現地の若い女性を百名程、慰安婦として狩り出す命令を下したと述べている。

続く

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