ベネズエラの土地改革
投稿者: pyu_pyu_kitakaze 投稿日時: 2005/10/08 10:47 投稿番号: [174256 / 177456]
(全文転載)
ベネズエラの農地改革が本格化している。『毎日新聞』の10月7日夕刊によれば、ベネズエラ政府は「国内で牧畜業を営む英国企業などの農地を接収し、年内にも50にのぼる大農場を貧しい農民に分配する方針を明らかにした」とのことです。
これこそラテンアメリカにおける貧困撲滅のための正真正銘の「改革の本丸」です。
それにしても、接収対象になる予定の英国の精肉会社(ベスティ社)はベネズエラ国内に50万ヘクタールもの農場を持っているそうです。何と千葉県と同じ広さです。いまだに英国はベネズエラの領土の一角を植民地支配しているのと何ら変わりませんね、これじゃ。
この土地改革が成功することを心より祈ります。元来、外国資本の農地を土地改革の対象とすることはラテンアメリカ諸国にとって「超えてはならない一線」と思われてきました。
1954年、グァテマラのアルベンス政権は米国のユナイテッド・フルーツ社(現チキータ社)の遊休農地を接収して貧農に分配しようとしました。しかし、米国の逆鱗に触れ、CIAの工作したクーデターによりアルベンス政権は転覆させられたのです。この事件は、その後20万人にも上る先住民族が虐殺されるというグァテマラの悲劇の発端となったのです。それ以来、この一線を超えるという奇跡を起こしたのはキューバだけでした。
はたしてチャベス大統領に勝算はあるのでしょうか。本当に心配です。
それにしても開いた口が塞がらなかったのは、先に紹介した『毎日』の記事を書いた藤原章生記者のコメントでした。
「チャベス大統領は、私的財産権を半ば無視した土地改革を進めている。原油高騰で潤う政権はポピュリスト的な、土地のばらまき政策を推し進める構えだ・・」。
ほう。『毎日』はそのようにおっしゃるのですか。ならば、日本の農地改革を行った米国に対して「貴政府が1946年に実施した第二次農地改革は、日本の地主階級の私的財産権を無視したポピュリスト的な土地ばらまき政策であり、大変に遺憾なものあった」とでも主張して欲しいものですね。
日本をはじめ多くの国々が、外国資本による農地所有を法的に禁止していますが、「私的財産権を無視した立法だ」とでも抗議して欲しいものですね。
遡れば、南北アメリカ大陸に入植した全てのヨーロッパ人と企業は、先住民族の私的財産権を無視した上での、「土地ばらまき政策」の結果として土地所有者になったのではないですか?
チャベス大統領は、英国企業に対して正当な対価を支払った上で、元来の正当な土地所有者に土地を返還しようとしているだけです。それが私的財産権の侵害だというのなら、公共事業でダムや道路を造る際の土地収用もいけないことになりますね。
この『毎日』の記者は、耕作すべき土地も持たない貧農の生活がいかに惨めで、人間としての尊厳を奪われているか、思いやることすらできないのでしょう。
私はフィリピンの農山村に長い間滞在していましたが、ルソン島の平均的農村でだいたい3割の世帯は土地を持たない「土地なし農民」です。小作ですらないのです。農繁期などに雇用機会を得るだけの農業賃労働者です。彼らは、もちろん子供に充分な教育を与えることはできません。その絶対的貧困階級からはい上がるための「機会の平等」がそもそも全く奪われています。農民が土地を持てないというのは、それはそれは惨めなものです。
フィリピン政府は限られた予算の中で細々と、大地主に正当な対価を支払った上で、貧農に分配するという農地改革を実行してきました。そうした行為も「私的財産権を侵害するばらまき政策」なのですか? 多くの途上国から見れば、石油収入によって豊富な土地収用費があるベネズエラ政府が羨ましく見えることでしょう。
代替案
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/bca015308796a83101c45d79e3f00120
___________________
・・・「諸」外国からの妨害や干渉,はたまたいやがらせなどが心配だなぁ。
ベネズエラの農地改革が本格化している。『毎日新聞』の10月7日夕刊によれば、ベネズエラ政府は「国内で牧畜業を営む英国企業などの農地を接収し、年内にも50にのぼる大農場を貧しい農民に分配する方針を明らかにした」とのことです。
これこそラテンアメリカにおける貧困撲滅のための正真正銘の「改革の本丸」です。
それにしても、接収対象になる予定の英国の精肉会社(ベスティ社)はベネズエラ国内に50万ヘクタールもの農場を持っているそうです。何と千葉県と同じ広さです。いまだに英国はベネズエラの領土の一角を植民地支配しているのと何ら変わりませんね、これじゃ。
この土地改革が成功することを心より祈ります。元来、外国資本の農地を土地改革の対象とすることはラテンアメリカ諸国にとって「超えてはならない一線」と思われてきました。
1954年、グァテマラのアルベンス政権は米国のユナイテッド・フルーツ社(現チキータ社)の遊休農地を接収して貧農に分配しようとしました。しかし、米国の逆鱗に触れ、CIAの工作したクーデターによりアルベンス政権は転覆させられたのです。この事件は、その後20万人にも上る先住民族が虐殺されるというグァテマラの悲劇の発端となったのです。それ以来、この一線を超えるという奇跡を起こしたのはキューバだけでした。
はたしてチャベス大統領に勝算はあるのでしょうか。本当に心配です。
それにしても開いた口が塞がらなかったのは、先に紹介した『毎日』の記事を書いた藤原章生記者のコメントでした。
「チャベス大統領は、私的財産権を半ば無視した土地改革を進めている。原油高騰で潤う政権はポピュリスト的な、土地のばらまき政策を推し進める構えだ・・」。
ほう。『毎日』はそのようにおっしゃるのですか。ならば、日本の農地改革を行った米国に対して「貴政府が1946年に実施した第二次農地改革は、日本の地主階級の私的財産権を無視したポピュリスト的な土地ばらまき政策であり、大変に遺憾なものあった」とでも主張して欲しいものですね。
日本をはじめ多くの国々が、外国資本による農地所有を法的に禁止していますが、「私的財産権を無視した立法だ」とでも抗議して欲しいものですね。
遡れば、南北アメリカ大陸に入植した全てのヨーロッパ人と企業は、先住民族の私的財産権を無視した上での、「土地ばらまき政策」の結果として土地所有者になったのではないですか?
チャベス大統領は、英国企業に対して正当な対価を支払った上で、元来の正当な土地所有者に土地を返還しようとしているだけです。それが私的財産権の侵害だというのなら、公共事業でダムや道路を造る際の土地収用もいけないことになりますね。
この『毎日』の記者は、耕作すべき土地も持たない貧農の生活がいかに惨めで、人間としての尊厳を奪われているか、思いやることすらできないのでしょう。
私はフィリピンの農山村に長い間滞在していましたが、ルソン島の平均的農村でだいたい3割の世帯は土地を持たない「土地なし農民」です。小作ですらないのです。農繁期などに雇用機会を得るだけの農業賃労働者です。彼らは、もちろん子供に充分な教育を与えることはできません。その絶対的貧困階級からはい上がるための「機会の平等」がそもそも全く奪われています。農民が土地を持てないというのは、それはそれは惨めなものです。
フィリピン政府は限られた予算の中で細々と、大地主に正当な対価を支払った上で、貧農に分配するという農地改革を実行してきました。そうした行為も「私的財産権を侵害するばらまき政策」なのですか? 多くの途上国から見れば、石油収入によって豊富な土地収用費があるベネズエラ政府が羨ましく見えることでしょう。
代替案
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/bca015308796a83101c45d79e3f00120
___________________
・・・「諸」外国からの妨害や干渉,はたまたいやがらせなどが心配だなぁ。
これは メッセージ 174243 (pyu_pyu_kitakaze さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/bpjfa4lla5fa5m_1/174256.html