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ダニエル・カーネマン教授(JMMより)

投稿者: yoursong319 投稿日時: 2002/10/12 12:42 投稿番号: [148627 / 177456]
ここニュージャージーのプリンストン大学では、9日の水曜日にウィルソン記念国際
関係学部のダニエル・カーネマン教授が経済学賞を受賞することが伝えられました。


紹介されたカーネマン教授は、簡単なスピーチと質疑応答に実に洒脱に応じていまし
た。「9時15分に電話があったときには、スウェーデン訛りの英語で良く分からな
かったし、何かの冗談と思いました。でも、委員会の代表者の名前を聞いたときには、
これはホンモノだと思い、驚いたのです。それから今までの三時間は、ありとあらゆ
るところからの電話攻勢でした」そんなセンスのユーモアを駆使して表面的には会場
を笑わせる教授です。その一方で、言葉の端々には一種の真実をにじませる。ある意
味では、一流の学者の独特の話術に他なりません。ですが、その「言葉の端々」に込
めたメッセージには、明らかに胸を打つものがありました。

今回の受賞は「非合理な経済行動についての心理学的な分析」という一連の学説に対
するものです。ですがカーネマン教授の場合は、研究のパートナーであったエイモ
ス・トバースキー教授との共同研究が主であったこと、そしてそのトバースキー教授
がこの受賞を見ることなく1996年に他界していることが、教授が再三訴えたかっ
たことのようでした。

「彼の死のことを思うと、この栄誉にも手放しで喜べないものを感じます」それだけ
ではありません、「成功の秘訣は」というメディアの型通りの質問にも「友情という
ことに尽きます。研究は困難を極め、私は変人でしたから、友達の助けなくして成功
はありませんでした」という言葉には、真情のこもったものがありました。そのどこ
かに「どうしてもっと早く認めてくれなかったんだ」という思いも僅かに感じられま
した。というのは、教授の研究は心理学を経済学に応用したもので、現在という「不
確実な社会」では自然に受け止められるようになりましたが、長い間学界では「傍流」
いや「邪道」として扱われていたのでしょう。そうした不遇な時期への思いもあった
ようです。

ユダヤ系のカーネマン教授が、この時期に、このテーマでノーベル賞に選ばれた。そ
こにはある種の政治的意図を感じます。イスラエルの強硬姿勢に悩みを深めるユダヤ
系のリベラルを勇気づけようという意図もあるでしょうし、混迷を深める世界経済に
おいて、教授の「心理学による非合理な経済行動の分析」というような分野をまた
がった新鮮な発想が「主流」となるべきということもあるでしょう。

そうした「意図」を十分に汲み取りながら、自身の半生の総決算として栄誉を受ける
教授の姿勢には、厳粛なものがありました。「これで大学の宣伝にも『心理的な』効
果がありますね」というメディアの失礼な聞き方には、質問を毅然と手でさえぎって
いました。そこには、自身の研究成果に対する「本質的な理解」をしない非礼は許さ
ないという良い意味での頑固ささえ垣間見えました。

その一方で「先生の理論を日常生活に応用すると、どうでしょう」という記者の質問
には、分かりやすい買い物の例を挙げて、学生に教えるように丁寧に説明をして大き
な拍手を浴びてもいました。

30分間の記者会見が終わると、会場の外のロビーでは、ローストビーフとシャンパ
ンが振る舞われていました。思えば、大学の広報部としては職員のハッキング事件の
おかげで暗い夏だった、そのモヤモヤが吹っ飛んだ感じなのでしょうし、学部として
もイラク先制攻撃論などの横行する中、リベラルの牙城を守るためにもこれ以上の栄
誉はなかったのでしょう。ご本人はいたって落ち着いたものでしたが、実に華やかな
雰囲気が回りを包んでいました。
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