対米全面テロ

Yahoo! Japan 掲示板トピックビューアー

[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

続『ポストモダン戦争』の行方

投稿者: kazuma0020 投稿日時: 2002/09/22 23:52 投稿番号: [147991 / 177456]
「『ポストモダン戦争』の行方」『グローバルヴィジョン』2002年1月号掲載

つづき

米経済への波及

  「9・11事件」は、非国家主体(テロリスト)が破綻した国家(アフガニスタン)を基地として超大国(米国)に大規模な被害をおよぼすという非対称性(リアリストに対する「反構造」の挑戦)をもつだけでなく、国家間に適用される最低限の法の支配をも無視した行動(リベラリストに対する「反制度」の挑戦)という意味で、常識破りの「ポストモダン」の事態だった。そして、これが可能となったのは、まさに彼らが「アメリカ化」として非難するグローバリゼーションの所産だった。

  米国は今回の衝撃的な事件に直面し、前述のように個別的自衛権で応戦したが、国際テロが国際社会全体にとっての脅威であることを考え合わせれば、むしろ、国連安保理決議の授権を得た「集団安全保障」のロジックで対処するほうが適切だ。単独主義に比べ、たしかに行動に制約が伴うが、あやふやな正統性による軍事作戦では、やはり長期的には国際社会の連帯の維持はむずかしい。テロリストが国家を否定し、法の支配を無視するとしても、国家はそれと同列であってはならない。その意味で、今回の事態は「ポストモダン」の性格を有していても、国家の側までが文明社会が培ってきた「近代」のルールを踏みはずしてしまえば、自己否定になってしまう。レトリックは別として、テロリストとの対等な「戦争」など、本来、あってはならないのである。

  それにしても、9月の事件が米国経済に与えた打撃は大きく、本年第3・4半期の国民総生産(GDP)は前期比を下回り、93年第1・4半期以来、8年ぶりのマイナス成長を記録した。そして、次の4半期もマイナスになると、91年4月から続いていた史上最大の成長がストップし、景気後退期(リセッション)に転換してしまう。米連邦準備制度理事会(FRB)は、すでにテロ後に3回金利の切り下げを行った。

  問題は根深く、ブッシュ大統領はあらゆる政策手段を用いて対応する構えだが、ここで真に問われるのは、「近代」の理性なのかもしれない。

星野俊也   阪大大学院国際公共政策研究科助教授 HP
http://www2.osipp.osaka-u.ac.jp/~hoshino/index.html

エッセイ
http://www2.osipp.osaka-u.ac.jp/~hoshino/essay/essay.html
[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

Yahoo! Japan 掲示板 アーカイヴ

[検索ページ] (中東) (東亜) (捕鯨 / 捕鯨詳細)