「歴史の時差」を見つめる・・2
投稿者: chottomato3 投稿日時: 2002/09/22 22:24 投稿番号: [147982 / 177456]
●時差を埋めるには
グローバリゼーションと情報技術革命は、時差を超えて人々をタイムスリップしやすくした。しかし、その恩恵にあずかったのは善意の人々だけではない。9・11のテログループは世界を動き、インターネットで交信し、ジェット機を武器に牙をむいた。そこに21世紀の難しさがある。
社会の近代化で後れをとる国が、先端兵器は容易に手にしうる。いま、イラクの核開発に米国が激しく神経をとがらせるのはそんな不均衡への恐怖心からだろう。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)も大きな時差を抱えた国だ。閉鎖された特殊な国家体制のもと、植民地解放の時から歴史が凍結されてきた感がある。ひたすら時計の針を進め、過去を忘れがちな日本とは対照的だ。その北朝鮮が原始的な拉致事件の一方で、核開発で世界を脅かす。何とも皮肉な事実である。
世界に散らばるこうした矛盾は、21世紀の大きな課題に違いない。だが、それは力ずくで解決できるものではなかろう。
時差を埋めるうえで、忘れてならないことがある。歴史とは決して進歩を約束するだけではないということだ。
地球を汚し、資源を奪い、人間性を失わせ、戦争をより破壊的にしてきた現実。民主主義を掲げる富める国が圧倒的な力の差によって貧しい国を圧迫し、時差を広げてきた現実……。テロリストを生み育てている一因も、実はそこにある。
先進国の人々がそうしたことに思いを致したとき、初めてその他の国の人々も謙虚になれるのではなかろうか。人類のさまざまな歴史をお互いに見つめ合い、そこから貴重な教訓を学び取る。そうした姿勢こそが、時差を埋めるカギになる。
世界の国々、とりわけ9・11のあと冷静さを失ってしまった米国には、そのことに深く思いを寄せてほしい。
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以上、9月11日のasahi.com「社説」より。
これは メッセージ 147981 (chottomato3 さん)への返信です.
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