対米全面テロ

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イスラエルの「過剰」攻撃の背景

投稿者: arisugawahiro_0 投稿日時: 2002/07/30 19:46 投稿番号: [145661 / 177456]
ハマスと関係が深いと言われているアラビア語のウェブ・サイト(http://www.qassam.net)をのぞいて見ると武器購入のための寄付を呼び掛け、振込先のガザ市内の銀行口座番号まで公然と記している。
銃弾1発が約350円、ダイナマイト100キロは1万円強、AK47カラシニコフ銃が2万3000円余の寄付で賄えると書いてある。武器購入だけでなく、自爆テロ、戦士養成、迫撃砲の開発など寄付の使い道が選べるようにもなっている。

  ここまで公然と対イスラエル闘争を戦うハマスの軍事部門リーダーの殺害のためとはいえ、やはり今回のやり方には疑問が残る。国際的な批判を浴びた後のイスラエル政府のあわてぶりからも、不可解さは残る。

  シャロン首相は爆撃直後、「最も成功した軍事作戦だ」と大はしゃぎしたが、「一般市民がいることは分からなかった」と次第にトーンダウン。2日後には、どうして市民に犠牲が出たのかの調査に乗り出すことになった。舞い上がった軍部の判断にシャロン首相も思わず追随してしまったのだろうか。
 
  こうしたシャロン首相の「揺れ」は、ブッシュ米政権の中東政策の悩みの種でもある。攻撃が行われる数時間前、イスラエルの高官2人が米ホワイトハウスでライス補佐官(国家安全保障担当)と会談。アラファト議長の実質的な交代要求を柱とする新しい和平方針を話し合っていた。この場で、攻撃を知らされなかったことに、米政府はかなり不快感を覚えた節がある。

  「知らせを聞いたブッシュ大統領は、かなり怒っていた」。ホワイトハウス幹部は米国人記者らに対し、こう説明した。フライシャー報道官も会見で「一般市民らの犠牲が分かっていながらの攻撃で、意図的だ」と強く非難した。これまで、シャロン政権への穏当な態度とは明らかに異なる。
 
  しかし、米国にイスラエルを批判する資格があるのかという疑問も生じる。米軍は7月1日、アフガニスタン南部の4つの村で誤爆事故を起こし、50人近くの民間人を死亡させている。爆弾が落ちた中には、結婚式の最中の民家もあった。

  米軍は、タリバン政権の最高指導者、オマル師を捜索中だった。所在情報をつかんで爆弾を落としたら、間違いだったというわけだ。シャハダ師を狙って空爆したイスラエル軍の状況と似ている。「情報が間違っていた分、米軍の方がよりたちが悪い」という人さえいる。
 
  米国がイスラエルを非難したといっても、シャロン首相を支える従来の姿勢を変えるわけではない。攻撃に使われたF16は米国が売却したものだ。本気でイスラエルをいさめるなら、今後の武器供与を再考するという選択肢もある。

  米武器輸出管理法は、自衛の範囲を超えて米国の兵器が使われた場合の調査を義務付けている。米国政府が供与見直しにまで踏み込む可能性は低い。さらに、ブッシュ政権内の保守派には「今回の事件は一時的に国際問題になるが、いずれ忘れられる」と過小視しようという雰囲気さえある。
 
  あえて強い調子で非難したのは、イスラエルの行動を抑制したい「反保守派」の国務省サイドの意向があることは確かだ。ただ、欧州やアラブを意識した一時的なポーズだったと見ることもできる。
 
  ハマスは今回の攻撃に対して徹底報復を唱えている。今回の出来事が「いずれ忘れられる」ものであるとは思えず、事態は報復の連鎖につながる可能性が大きい。

  米国が推進しようとする和平の行動計画にも少なからず影響が及ぶだろう。

★在ワシントンDCジャーナリスト・森暢平=サンデー毎日8月11日号(7月30日発売)連載中。
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