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人間の指示とは逆の防止装置の指示に

投稿者: arisugawahiro_0 投稿日時: 2002/07/13 13:41 投稿番号: [145027 / 177456]
7月13日付・読売社説(2)




  [日航ニアミス]「国際統一ルールで再発を防げ」

  昨年一月の日航機同士の異常接近(ニアミス)事故で、国土交通省の事故調査委員会が最終報告書を公表するとともに、国交相に安全対策を勧告した。

  ニアミスは、管制官が便名を取り違えて、一方の機に降下の指示を出し、機長も操縦室の衝突防止装置が上昇を指示したにもかかわらず、管制官の指示に従って降下したために起きた。

  勧告の最大のポイントは、管制官の指示と衝突防止装置の指示が逆になった場合は、機長は防止装置の指示に必ず従うことを明確にすべきだ、という点だ。

  事故調は、国際民間航空機関(ICAO)にも、同様の原則を盛り込むよう規程の改正を求める勧告を行った。

  一年半かかった今回の調査が、これまでの重大事故の調査と比べ、特に長期間かかったというわけではない。

  だが、もっと早くICAOへの勧告がなされ、各国が日航ニアミスの教訓に学んでいたら、今月一日にドイツ上空で起きた空中衝突が防げた可能性もある。これまでの調べで、ロシア機が防止装置とは逆の、管制官の降下指示に従ったために起きた、とみられているからだ。

  瞬時の判断が必要な時、機長が防止装置の判断に従わなかったことは責められない。むしろ、管制官と防止装置の指示が異なった場合、どう対処すべきかの規程が、米英など一部の国を除き、無かったことが問題だった。

  加盟各国が順守するICAOの規程にも無く、日本も設けていなかった。

  旅客機への衝突防止装置の搭載も、日本で義務づけられたのは、昨年一月からのことである。

  操縦席にも管制にも、最新のハイテク機器が装備され始めている。だが、それを人間がいかに的確に使いこなすか、という問題が置き去りにされたままになっていないか。

  その他の機器も含めICAOは問題点を整理して、国際的なルールづくりを急ぐ必要がある。中心メンバーの日本も米欧と共に率先して取り組むべきだ。

  報告書には、二機の機長らの、「相手機が前方の窓いっぱいに見えた」「後部がひっかかるのではないかと思うほど近かった」という生々しい証言もある。

  航空需要の増加で空の過密化が進むのは確実だ。再発の不安はぬぐえない。

  事故を防ぐ最後の砦(とりで)が人であることは今も変わらない。管制官や機長の適性検査や訓練の充実が不可欠だ。

  航空交通路の複線化や一方通行化など環境整備も急がなければならない。米軍などの管制空域との調整も積極的に進めることが必要だろう。

(7月13日08:50)
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