対米全面テロ

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自由・人権思考が委縮

投稿者: c_tmt 投稿日時: 2002/05/23 22:31 投稿番号: [142306 / 177456]
  この春、「9-11テロ」後のニューヨークを現地調査してきた。都市を挙げての再建への取り組みには感銘を受けたが、他方で「9-11」についてなお、「これは戦争だ」という見方が強かったのには複雑な思いがした。とくに、アラブ系、イスラム系住民への不当捜査や人権侵害を掘り下げるような報道はほとんどみられず、メディア・論壇の思考が「人権・自由モード」よりは「対テロ・有事モード」に傾いている印象を受けた。

  「有事モード」思考の広がりは世界的だ。瀋陽総領事館事件にしても危機管理意識の欠如というよりは、「対テロ」意識が、亡命を求めてきた人々を人道的見地から保護するという「人権」意識に勝った結果ではないか。有事法制もメディア規制法案も、安全やプライバシーに対する危機意識を、「有事=国家規制システム」につなぐ仕掛けに見える。

  アメリカのメディアを見て怖くなったのは、自由・人権思考の委縮、自壊だ。メディア規制2法についての読売新聞社の修正試案も政府案の部分的な修正に過ぎず、批判精神を欠いているという点でいささかその気配を感じる。

(大阪市立大学院教授   加茂利男氏)


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上記は、今日の朝日朝刊「opinion news project」より無断転載。
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