>わからない
投稿者: adventureoftheultraworld 投稿日時: 2004/04/28 19:41 投稿番号: [7668 / 20008]
>新聞を読んでもTVのニュースを見ていても、こういった疑問は一向に解消されない。
新聞やテレビでは事件のみを追いますから、それだけでの疑問解消は難しいでしょう。
本をいくつか読んでみるのがよいかと。広河隆一氏の「パレスチナ」(岩波新書)は読みやすくわかりやすいです(かなりパレスチナ偏向ですし、60年代左翼が持っていた限界を感じることもありますが)。
とりあえずは最初の御疑問について私なりに解説します(なお私は「かなりのイスラエル偏向」「あいつはユダヤ人じゃないか?」と陰口を叩かれている者ですから、それを差し引いてご自分なりに考えてください)。
>○そもそもパレスチナ人とは何か、近いところで言えば中国人とは何か。
>単にある地域で居住している人間をひとまとめにしてそう呼んでいるだけなのか、それとも民族として確立しているのか。
基本的にパレスチナ人とは「イスラエル人があの地域に入ってくる前にいた人々」を指します。より厳密に言うなら「イスラエル建国によって追い出された人たち」です。
彼らが独自の民族として確立しているのかどうかには色々な議論があります。イスラエル側では「あいつらはただのアラブ人。建国前にあいつらは『我々はパレスチナ人だ』なんて言わなかった。だから他のアラブ諸国にでも行って住めばいいじゃないか」と。アラブ側では「長い間パレスチナ地域に住んでいた人々をパレスチナ人と呼んでなにがおかしい。そもそも彼らの祖先はユダヤ人がパレスチナに住む前からいたペリシテ人だ」と。
民族とはなにか? という定義とも絡んできますが、たしかにパレスチナ人は独自の言語や宗教を持っているわけではない。人種的にはペリシテ人直系子孫というよりは混交で、金髪碧眼の人もいる(かつての十字軍やローマ人の子孫でしょうか?)。日本人が「民族とは何か?」と考えるときには、独自の言語と宗教の有無、人種(血縁)といった「自然なもの」で考えがちですから、そういった観点で見ると「パレスチナ人とは独自の民族なのか?」という疑問が出てくるのは当然でしょう。
しかし彼らには共通の歴史体験があります。つまりイスラエル建国によって故郷を失ったということ。彼らはイスラエル建国の日を「ナクバ(災厄)」の日として記憶しています。
ナクバによる故郷喪失のあと、かれらの多くは難民として周辺アラブ諸国での生活を余儀なくされました。「アラブの兄弟たち」は彼らを政治的に利用するのには熱心ですが親身になって助けるわけではなく、多くは市民権を制限されました。そこでの体験から「我々はアラブ人だがシリア人ともヨルダン人ともレバノン人とも違う! 我々は独自の民族だ!!!」と目覚めたわけです。
また6日戦争以後のイスラエル占領体制のもとで生活していた人は、占領体制の過酷さと不条理に怒ります。そこでまた「俺たちはパレスチナ人だ」というアイデンティティーを鍛え上げました。
この歴史的体験を共有する人々を「パレスチナ人」と言っているわけです。長い歴史の中で自然に出来た民族ではなく、イスラエル建国という政治的事件によって生み出された民族です。
たまにイスラエルの極右系の人などが「あいつらはパレスチナ人なんて独自の民族じゃない」と言うことがありますが、民族の定義は外から決めるものではなくアイデンティティーですから「俺はパレスチナ人だ!」と言う人がいたら、それを他人がとやかく言えるものではない。
個人的な話ですが8年くらい前にヨルダンの首都アンマンで靴屋に行ったとき、こんなことがありました。
若い店員に「お前はどこから来た? 中国人か?」と聞かれて「俺は日本人だが君はナニ人だ?」と冗談めかして聞き返したら、すっと背筋を伸ばして「僕はヨルダン国籍だが、パレスチナ人だ」と言われました。
彼の年齢からして、おそらく彼の父か祖父の世代にナクバがあり、ヨルダンに難民として逃れて、そこで彼は生まれたのでしょう。ヨルダンはアラブ諸国の中では例外的にパレスチナ人に優しいので、国籍も与えています。ですから彼がもしもパスポートを持っていたら、それはヨルダン王国のものです。
彼は周囲のヨルダン人と同じ言語で話し、同じ権利を持ち、同じ宗教を奉じる。それでも彼は彼自身を「パレスチナ人」と思う。祖父の故郷を一回も見たことがなくても。
新聞やテレビでは事件のみを追いますから、それだけでの疑問解消は難しいでしょう。
本をいくつか読んでみるのがよいかと。広河隆一氏の「パレスチナ」(岩波新書)は読みやすくわかりやすいです(かなりパレスチナ偏向ですし、60年代左翼が持っていた限界を感じることもありますが)。
とりあえずは最初の御疑問について私なりに解説します(なお私は「かなりのイスラエル偏向」「あいつはユダヤ人じゃないか?」と陰口を叩かれている者ですから、それを差し引いてご自分なりに考えてください)。
>○そもそもパレスチナ人とは何か、近いところで言えば中国人とは何か。
>単にある地域で居住している人間をひとまとめにしてそう呼んでいるだけなのか、それとも民族として確立しているのか。
基本的にパレスチナ人とは「イスラエル人があの地域に入ってくる前にいた人々」を指します。より厳密に言うなら「イスラエル建国によって追い出された人たち」です。
彼らが独自の民族として確立しているのかどうかには色々な議論があります。イスラエル側では「あいつらはただのアラブ人。建国前にあいつらは『我々はパレスチナ人だ』なんて言わなかった。だから他のアラブ諸国にでも行って住めばいいじゃないか」と。アラブ側では「長い間パレスチナ地域に住んでいた人々をパレスチナ人と呼んでなにがおかしい。そもそも彼らの祖先はユダヤ人がパレスチナに住む前からいたペリシテ人だ」と。
民族とはなにか? という定義とも絡んできますが、たしかにパレスチナ人は独自の言語や宗教を持っているわけではない。人種的にはペリシテ人直系子孫というよりは混交で、金髪碧眼の人もいる(かつての十字軍やローマ人の子孫でしょうか?)。日本人が「民族とは何か?」と考えるときには、独自の言語と宗教の有無、人種(血縁)といった「自然なもの」で考えがちですから、そういった観点で見ると「パレスチナ人とは独自の民族なのか?」という疑問が出てくるのは当然でしょう。
しかし彼らには共通の歴史体験があります。つまりイスラエル建国によって故郷を失ったということ。彼らはイスラエル建国の日を「ナクバ(災厄)」の日として記憶しています。
ナクバによる故郷喪失のあと、かれらの多くは難民として周辺アラブ諸国での生活を余儀なくされました。「アラブの兄弟たち」は彼らを政治的に利用するのには熱心ですが親身になって助けるわけではなく、多くは市民権を制限されました。そこでの体験から「我々はアラブ人だがシリア人ともヨルダン人ともレバノン人とも違う! 我々は独自の民族だ!!!」と目覚めたわけです。
また6日戦争以後のイスラエル占領体制のもとで生活していた人は、占領体制の過酷さと不条理に怒ります。そこでまた「俺たちはパレスチナ人だ」というアイデンティティーを鍛え上げました。
この歴史的体験を共有する人々を「パレスチナ人」と言っているわけです。長い歴史の中で自然に出来た民族ではなく、イスラエル建国という政治的事件によって生み出された民族です。
たまにイスラエルの極右系の人などが「あいつらはパレスチナ人なんて独自の民族じゃない」と言うことがありますが、民族の定義は外から決めるものではなくアイデンティティーですから「俺はパレスチナ人だ!」と言う人がいたら、それを他人がとやかく言えるものではない。
個人的な話ですが8年くらい前にヨルダンの首都アンマンで靴屋に行ったとき、こんなことがありました。
若い店員に「お前はどこから来た? 中国人か?」と聞かれて「俺は日本人だが君はナニ人だ?」と冗談めかして聞き返したら、すっと背筋を伸ばして「僕はヨルダン国籍だが、パレスチナ人だ」と言われました。
彼の年齢からして、おそらく彼の父か祖父の世代にナクバがあり、ヨルダンに難民として逃れて、そこで彼は生まれたのでしょう。ヨルダンはアラブ諸国の中では例外的にパレスチナ人に優しいので、国籍も与えています。ですから彼がもしもパスポートを持っていたら、それはヨルダン王国のものです。
彼は周囲のヨルダン人と同じ言語で話し、同じ権利を持ち、同じ宗教を奉じる。それでも彼は彼自身を「パレスチナ人」と思う。祖父の故郷を一回も見たことがなくても。
これは メッセージ 7667 (sduqx さん)への返信です.
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