kusukusu552000様
投稿者: adventureoftheultraworld 投稿日時: 2003/05/11 15:36 投稿番号: [5152 / 20008]
>疑問なんですが、帰還権がいくら危険性があるとは言っても、帰還権はほとんど基本的人権と言っていいものではないでしょうか?
>帰還権を放棄させるということを国際社会に納得させることはほとんど無理な話だと思うけど。誰にとっても当たり前にあっていいような権利なのだから。パレスチナの人達からだけ、それを取り上げるって理屈が成り立たないのでは?
難しいところですね。
たしかに帰還権は基本的人権といってもよいと思います。
ただし、国際関係のなかでは
原理原則のまま無条件に認められる権利というものは存在しません。
たとえば、民族自決権だって、無条件にどんな民族にも独立を認めるものではない。
実際にはさまざまな制限(国際世論、力学、経済力、周辺諸国の意向)といったハードルがあり、
それに沿って権利がどこまで主張できるのか、変わっています。
そこで、独立を達成できた民族(ティモールなど)と、
独立までいかず、ある程度の自治権で満足せざろう得ない民族(コソボなど)との
差が出てくるわけです。
パレスチナの帰還権も、そういった
「全面的に認められれば理想だが、現実的には制限される権利」なのだと思います。
そこで問題になるのが
「帰還権と民族自決権のどちらを取るのか?」ということ。
「全面的な帰還権を主張していく以上は、パレスチナの民族自決をイスラエルが認める可能性はない。
そして、パレスチナ独立を武力でイスラエルに認めさせることも不可能。
したがって、パレスチナを独立するためには、帰還権の制限(もしくは廃棄)が不可避。
また、難民の帰還を一部でも実現するためには、その後ろ楯となるパレスチナ国家の建設が必要。」
ゆえに、パレスチナにおいては、民族自決権が帰還権より優先される、ということだと思います。
ここで、帰還権と民族自決権をある程度両立させるためには
「イスラエル国内への帰還を放棄するかわりに、
西岸/ガザ(つまりパレスチナ国家)への帰還を推進し、
その見返りとして、イスラエルから
難民の帰還や定住に伴う資金を補償させる(または援助させる)。」
といった「現実的な解決策」を話し合いで詰めることになるのだと思います。
>現実的には行き来する「通行権」
というのも、そのアイデアの一つだと思います。
もちろん、帰還権と民族自決権だけを天秤にのせるわけにはいきません。
たとえば、生活環境の改善(生存権?)や、
教育や差別のない社会環境の実現といった社会権?も考慮する必要があります。
周辺アラブ諸国のパレスチナ難民は、
受け入れ国からの差別や圧迫を絶えず受けているという現状がありますから、
これは改善しないといけません。
そのためにはやはり難民の後ろ楯となるパレスチナ国家の建設が必要でしょうし、
イスラエルと周辺諸国の関係改善が、
難民の状況改善に直接いい影響をもたらすことは間違いないでしょう。
したがって、帰還権を制限することが、結果的に
民族自決権だけでなく、難民自身のその他の権利(または生活条件)を
大幅に改善することになるのだと思います。
ただ、問題なのは、イスラエルの「ユダヤ人の帰還権」との兼ね合いです。
イスラエルは世界のユダヤ人に「イスラエルに帰還する権利」を認めています。
このため、しばしパレスチナ支持派の方は
「パレスチナ人には同じ権利を認めないで、なぜユダヤ人だけに
→イスラエルは人種差別国家」
と主張します。
私は、この考えに賛同はできません。
世界にはまだまだ根深い反ユダヤ主義という現実があり、それがある以上は
イスラエルは「ユダヤ人の国」という性質を保ち続けるべきでしょうし、
ユダヤ人の帰還権をイスラエルが認めるのは必要だと思います。
ただ、その一方で、現在の反ユダヤ主義はかつてのものとは若干異なり
パレスチナとの紛争という現実から生まれてきている部分が無視できないわけです。
そのため、パレスチナとの和平が進むなかで、ユダヤ人の帰還権をも
制限または廃止するほうが、得策なのかもしれません。
おそらくこれが
>世界規模での「民主主義」とはどのように成立するのか?
>世界規模での「人権」とはどのようにあり得るのか?
という貴殿の問題意識にもかぶってくることなのだと思いますし、
国連改革(国家主権の制限)などとも絡んでくる問題なのかもしれませんね。
>帰還権を放棄させるということを国際社会に納得させることはほとんど無理な話だと思うけど。誰にとっても当たり前にあっていいような権利なのだから。パレスチナの人達からだけ、それを取り上げるって理屈が成り立たないのでは?
難しいところですね。
たしかに帰還権は基本的人権といってもよいと思います。
ただし、国際関係のなかでは
原理原則のまま無条件に認められる権利というものは存在しません。
たとえば、民族自決権だって、無条件にどんな民族にも独立を認めるものではない。
実際にはさまざまな制限(国際世論、力学、経済力、周辺諸国の意向)といったハードルがあり、
それに沿って権利がどこまで主張できるのか、変わっています。
そこで、独立を達成できた民族(ティモールなど)と、
独立までいかず、ある程度の自治権で満足せざろう得ない民族(コソボなど)との
差が出てくるわけです。
パレスチナの帰還権も、そういった
「全面的に認められれば理想だが、現実的には制限される権利」なのだと思います。
そこで問題になるのが
「帰還権と民族自決権のどちらを取るのか?」ということ。
「全面的な帰還権を主張していく以上は、パレスチナの民族自決をイスラエルが認める可能性はない。
そして、パレスチナ独立を武力でイスラエルに認めさせることも不可能。
したがって、パレスチナを独立するためには、帰還権の制限(もしくは廃棄)が不可避。
また、難民の帰還を一部でも実現するためには、その後ろ楯となるパレスチナ国家の建設が必要。」
ゆえに、パレスチナにおいては、民族自決権が帰還権より優先される、ということだと思います。
ここで、帰還権と民族自決権をある程度両立させるためには
「イスラエル国内への帰還を放棄するかわりに、
西岸/ガザ(つまりパレスチナ国家)への帰還を推進し、
その見返りとして、イスラエルから
難民の帰還や定住に伴う資金を補償させる(または援助させる)。」
といった「現実的な解決策」を話し合いで詰めることになるのだと思います。
>現実的には行き来する「通行権」
というのも、そのアイデアの一つだと思います。
もちろん、帰還権と民族自決権だけを天秤にのせるわけにはいきません。
たとえば、生活環境の改善(生存権?)や、
教育や差別のない社会環境の実現といった社会権?も考慮する必要があります。
周辺アラブ諸国のパレスチナ難民は、
受け入れ国からの差別や圧迫を絶えず受けているという現状がありますから、
これは改善しないといけません。
そのためにはやはり難民の後ろ楯となるパレスチナ国家の建設が必要でしょうし、
イスラエルと周辺諸国の関係改善が、
難民の状況改善に直接いい影響をもたらすことは間違いないでしょう。
したがって、帰還権を制限することが、結果的に
民族自決権だけでなく、難民自身のその他の権利(または生活条件)を
大幅に改善することになるのだと思います。
ただ、問題なのは、イスラエルの「ユダヤ人の帰還権」との兼ね合いです。
イスラエルは世界のユダヤ人に「イスラエルに帰還する権利」を認めています。
このため、しばしパレスチナ支持派の方は
「パレスチナ人には同じ権利を認めないで、なぜユダヤ人だけに
→イスラエルは人種差別国家」
と主張します。
私は、この考えに賛同はできません。
世界にはまだまだ根深い反ユダヤ主義という現実があり、それがある以上は
イスラエルは「ユダヤ人の国」という性質を保ち続けるべきでしょうし、
ユダヤ人の帰還権をイスラエルが認めるのは必要だと思います。
ただ、その一方で、現在の反ユダヤ主義はかつてのものとは若干異なり
パレスチナとの紛争という現実から生まれてきている部分が無視できないわけです。
そのため、パレスチナとの和平が進むなかで、ユダヤ人の帰還権をも
制限または廃止するほうが、得策なのかもしれません。
おそらくこれが
>世界規模での「民主主義」とはどのように成立するのか?
>世界規模での「人権」とはどのようにあり得るのか?
という貴殿の問題意識にもかぶってくることなのだと思いますし、
国連改革(国家主権の制限)などとも絡んでくる問題なのかもしれませんね。
これは メッセージ 5151 (kusukusu552000 さん)への返信です.
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