ホロコーストを利用する人々5
投稿者: Jewish_777 投稿日時: 2001/02/28 10:36 投稿番号: [1309 / 20008]
「目下求められているのは」――とフィンケルシュタインは綴る――「ナチスが行なったホロコーストを理性的究明の対象として冷静に見直すことなのです。(中略)
ナチスのホロコーストが“異常”だったという認識は、ホロコーストそのものから生じたのではなく、ホロコーストの記憶に集[たか]ることで搾取的な利益を吸い上げながら増長してきた“ホロコースト産業”によって生み出されたものに他なりません。
(中略)
犠牲者の人たちに対して我々がとりうる最も誠意ある態度は、犠牲者の思いを後世に残し、その苦しみから我々も学び、平和のなかで眠っていただくことなのです。」
ところでフィンケルは「ホロコースト産業は完全に利己的で腐敗し破壊的だ」とも糾弾しているが、彼のこの指摘は正しいだろうか? たしかに、“ホロコースト産業”が跋扈[ばっこ]してきたせいで、ベンジャミン・ヴィルコミルスキーのような愚かな嘘つき連中が登場してきたことは否定できない。ヴィルコミルスキーはナチス体制下で生き残ったユダヤ人だという嘘で自分を売り込み、出版社や学者連中をまんまと騙[だま]したのであった。賠償金を請求する人々の主張も大部分はまったく法外なものだ。そうした強要に付いて回る政治主義的な冷酷さが、フィンケルシュタインの指摘どおり、反ユダヤ主義の新たな潮流をむしろ助長していることは、疑いようがない。
だが彼の本は、書き方にかんして深刻な問題を抱えている。それはズケズケとものを言う、その口調に他ならない。それにフィンケルシュタインは何かに取り憑[つ]かれたように筆を進めているのだ。したがって、問題の背景を知らない人がこれを読んだら、あまりにも遠慮会釈ない物言いに嫌悪感を抱き、彼の批判の土台となっている堅実な研究成果や学者としての実績にまで疑念を持つことになるのではないかと心配だ。それにフィンケルは「ナチスに殺されたユダヤ人」の疑問の余地のない人数として510万人という数字を挙げているが――これは他の人々がホロコーストで死んだユダヤ人の概数として挙げてきた600万人という数字よりも著しく少ない――彼の本を読んで反感を持った連中が、この数字を見てユダヤ人に対するこれほどの侮辱はないと腹を立てる可能性だってある。大英帝国戦争博物館にホロコースト展示をもたらした知的背景がどれほどいかがわしいものであれ、この展示を見た観客たちは反論が憚[はばか]られるような重苦しい体験をすることは確実なのである。ホロコーストが起きたことは事実だ。そして展示が、この事件の概略を描き出していることも事実である。しかし公平のために敢えて言うが、恐ろしい殺戮[さつりく]はホロコースト以外にも幾つも起きてきた。もっとも、他にも大量殺戮が起きたからといって、その事実がホロコースト展示の正当性を否定することにはならないわけだが……。だからフィンケルシュタインが、もっと寛容な口調で議論を展開していれば、この本の説得力は一層増したはずだ。
ところでフィンケルは「ホロコースト産業は完全に利己的で腐敗し破壊的だ」とも糾弾しているが、彼のこの指摘は正しいだろうか? たしかに、“ホロコースト産業”が跋扈[ばっこ]してきたせいで、ベンジャミン・ヴィルコミルスキーのような愚かな嘘つき連中が登場してきたことは否定できない。ヴィルコミルスキーはナチス体制下で生き残ったユダヤ人だという嘘で自分を売り込み、出版社や学者連中をまんまと騙[だま]したのであった。賠償金を請求する人々の主張も大部分はまったく法外なものだ。そうした強要に付いて回る政治主義的な冷酷さが、フィンケルシュタインの指摘どおり、反ユダヤ主義の新たな潮流をむしろ助長していることは、疑いようがない。
だが彼の本は、書き方にかんして深刻な問題を抱えている。それはズケズケとものを言う、その口調に他ならない。それにフィンケルシュタインは何かに取り憑[つ]かれたように筆を進めているのだ。したがって、問題の背景を知らない人がこれを読んだら、あまりにも遠慮会釈ない物言いに嫌悪感を抱き、彼の批判の土台となっている堅実な研究成果や学者としての実績にまで疑念を持つことになるのではないかと心配だ。それにフィンケルは「ナチスに殺されたユダヤ人」の疑問の余地のない人数として510万人という数字を挙げているが――これは他の人々がホロコーストで死んだユダヤ人の概数として挙げてきた600万人という数字よりも著しく少ない――彼の本を読んで反感を持った連中が、この数字を見てユダヤ人に対するこれほどの侮辱はないと腹を立てる可能性だってある。大英帝国戦争博物館にホロコースト展示をもたらした知的背景がどれほどいかがわしいものであれ、この展示を見た観客たちは反論が憚[はばか]られるような重苦しい体験をすることは確実なのである。ホロコーストが起きたことは事実だ。そして展示が、この事件の概略を描き出していることも事実である。しかし公平のために敢えて言うが、恐ろしい殺戮[さつりく]はホロコースト以外にも幾つも起きてきた。もっとも、他にも大量殺戮が起きたからといって、その事実がホロコースト展示の正当性を否定することにはならないわけだが……。だからフィンケルシュタインが、もっと寛容な口調で議論を展開していれば、この本の説得力は一層増したはずだ。
これは メッセージ 1308 (Jewish_777 さん)への返信です.
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