bebson様 -- 爺の剣(3)
投稿者: k_g_y_7_234 投稿日時: 2006/11/26 13:38 投稿番号: [7536 / 73791]
爺は、今度は細身の大小の刀二本を手に取ると、そのままダラリと身体の前に構えました。いいえ、構えたというより、手に持ってぶらさげたという感じでした。この立ち姿、どこかで見たような気がいたしました。そうです、宮本武蔵が後年になって描いたあの自画像そっくりなのです。
爺は、しばらくそのままでしたが、やがてゆっくりと流れるように「歩み足」で前進すると、二刀をゆったりと振りました。いいえ、振ったのではありません。見えない何かを斬っているのです。
現在の竹刀剣道、打突剣道では「歩み足」は悪い足運びだとされています。剣先で相手の中心を攻めることもいたしておりません。その時、私はこの爺の演武は基本を無視した変な演武だと思っておりました。
やがて爺は神前で一礼をすると、○僧3や私に声をかけるでもなく、終始無言でそのまま道場の奥へと入って行ってしまいました。
「来ておったか」
○僧3がこのとき初めて私に声をかけてくださいました。私は、何か見てはいけないものを見てしまったような気がしました。
爺から「儂と三番勝負せぬか」と言われて、思わずこのときの爺を想い出しておりました。
<続きます>
直子
用事があって、お出かけします。では、とりあえず失礼いたします。
これは メッセージ 7533 (k_g_y_7_234 さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/a4a4a4ha4a4a4h4z9qbeclga4xa5aba5a6a5sa5ha5c0a5a6a5sa1aa_1/7536.html