ユギオII - その77
投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/23 21:20 投稿番号: [56075 / 73791]
投稿者:大介&直子
<その77>
この夜、昨夜とは違いカンの寝つきは早かった。おだやかな寝息すら立てていた。ビールのせいかなと三枝は考えてみたが、いずれにせよ彼の警戒心が解けたようである。特にお祖母様と称する老女に会ったことが、彼の心を昔の記憶に戻したようであった。
<20xx年6月19日、ソウル>
朝、三枝が目を覚ますと、すでに浴室から水音が聞こえていた。
「早いな..」
と三枝がベッドで思っていると、やがてカンが浴室から出てきて、起きている三枝を見ると、
「三枝さん、ぐっすりお休みでしたね。気持ちよさそうに..」
そう言って笑みを見せた。
「ん、そうか?
焼酎のせいかな?
あははは..」
カンには、三枝が夜中に二度、カンの寝姿をチェックしていたのに気付いてはいないようであった。三枝には職業柄、長年にわたりしみついた習性であった。熟睡できるのはほんの一時である。苦笑した。その時、ドアのベルが鳴った。カンがドアに向かった。すぐに、
「おはようございます」
イ中尉の快活な声が聞こえた。
「やあ、おはよう..」
今度はカンの声である。
「三枝様は?」
「まだ、ベッドにおります..」
「あ、お寝坊さんなんだから..、三枝様、おはようございます」
大声でそう言う中尉の声に、三枝は苦笑した。
「ああ、中尉さん早いね..」
と三枝がベッドの上から応えると、
「あと15分でお食事で〜す。お支度してくださいませ..」
と中尉は言いながら、部屋の窓カーテンを開ける音がした。
「まるで世話女房だな..」
三枝は、おもわず苦笑した。
三枝が洗面をすませ、戻ると、
「今日は、コンチネンタル・ブレックファーストで〜す」
と中尉は微笑んだ。カンはすでにテーブルに座り、出されたベーコンエッグやパンをめずらしそうに見ていた。
「今日、北京へ行かれると聞きましたが..」
食事中の二人に中尉が怪訝そうに聞いた。
「ええ、キゴ君がぜひ会いたいという人がいましてね..」
三枝がわざと意味ありげにそう言うと、
「え?」
中尉は驚いたようである。
「あのう、男性ですか?
女性ですか?」
この中尉の質問にカンはいかにも可笑しそうに笑った。そして、
「仕事です..」
と言うと、中尉はホッとした表情を浮かべた。
「この二人、脈があるらしい..」
三枝は「この大事なときに..」と思ってはみたが、今の敵地同然の孤独なカンには彼女の存在が大きい、必要なことも察した。
9時きっかりに新井が迎えに来た。
これは メッセージ 1 (may7idaho さん)への返信です.
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