いよいよ韓国消滅へカウントダウン!

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ユギオII - その76

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/05/23 21:08 投稿番号: [56074 / 73791]
投稿者:大介&直子

<その76>

ソウル、夜

三枝が浴室から出ると、カンは空のグラスを片手にイスに座ったまま、まだ庭を眺めていた。テーブルのビール瓶も空であった。
「どうだい、もう一本飲もうじゃないか?」
カンは驚いたように振り向いた。背後の三枝に気付かなかったようである。
「何んだい、ずいぶん考え込んでいたようだが..?」
「あ、いえ..」
カンは、照れ笑いを浮かべた。

三枝が冷蔵庫からビールを持ってきてカンのグラスに注ごうとすると、
「あ、では半分だけ..」
「ん?」
「ビールは好きですけど、アルコールはあまり強くないのです。あまり飲んだことがありませんから..」
そしてまた照れ笑いを浮かべた。見るとかなり顔が赤くなっている。
「おおそうか、私は酒豪でね、あはははは..」

三枝は自分で注いだビールを一口飲むと、
「どうも韓国のビールは水っぽくていかん..」
三枝は、また冷蔵庫へ行って、今度は焼酎の小瓶を持ってきた。そして、グラスのビールに焼酎を少し入れると一気に飲み干した。カンはあっけにとられたように三枝を見ていた。三枝には、このような任務では深酒が命取りになることを十分承知はしていたが、生来の酒好きもあって、いかにも酒の誘惑に勝てない振りをした。外は護衛官連中が見張っているからまかせておけばよい。それよりも、カンが何か話したそうにしているのを感じ取っていた。

「そうするとビールがおいしくなるのですか?」
カンが怪訝そうに聞いた。
「君もどうかね?」
「いいえ、私はこれ以上はダメです..」
「そうか、うまいのにな..」
そう言って三枝が一気に飲み干すのをカンは苦笑しながら見やり、また薄明かりの庭に目をやった。

「君は、日本のビールを飲んだことがあるかね?」
「えっ?   いえありませんが..」
カンは三枝の突然の質問に不可解な顔をした。
「うまいぞ、日本のビールは..。種類も多い..」
「そうですか..?」
カンは相づちともつかぬうなづき方をすると、また庭に視線を落とし考え込んでいる。

「どうした?」
「えっ?」
「明日、胡主席に会って何を言おうか考えているのかな?」
カンはまた照れた。
「いえ、妹のことを考えていたのです..」
「妹?」
「ええ、いま日本にいます。もう10年以上も会っていないのです..」
「そうか..。では、母君も日本か?」
三枝には、カンがカン老人の息子だとしか知らされていなかったから聞いてみた。カンは一瞬暗い顔をした。そして、三枝に視線を向けると、思い切ったように、
「母も父も亡くなりました..、私が8歳のとき、北朝鮮で..」
「ん?」
カンはまた沈んだ。
「そうか、いやなことを聞いたようだね..」
三枝が申し訳なさそうに言うと、
「いえ、いいのです。三枝さんには後で何でもお話申し上げるつもりでおります..」
カンの口は堅かったが、いまふとカンが言ったことから、彼はカン老人の息子ではないこと、妹が日本にいるということが分かった。いずれはっきりするだろう、これ以上余計な詮索はすまい、と三枝は思った。

「もし、私に兄がいれば、三枝さんのような兄であってほしいと思います..」
カンがまたふと漏らした。
「ん、君に兄がいるのか?」
「いえ、おりません。もしいたとしたらです。どんなに楽かと..、心強いかと思ったのです..」
そう言って、カンはほんのり赤い顔にニガ笑を浮かべた。

三枝は、この男の本音を垣間見たような気がした。いままで、彼の一連の演技に疑問を抱いていたが、いまのカンは重圧に耐えようとしている一人の純粋な青年にしか見えなかったのである。
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