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「ロシアの旅」(9) イワノフ

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2009/02/08 21:29 投稿番号: [48960 / 73791]
「ロシアの旅」(9)   イワノフ

「ああ、いい人なんだ、やさしい人なんだ」と、このとき私は思いました。直感です。私の直感は、結構あたるんです。

彼は、何か迷っている風でしたが、その横顔はいままでの制服の彼とはまったく違っていて、これからどう生きて行こうかと思案にくれている大学生のようにも見えました。そう思うと、お兄様のようにも見え、私はちょっぴり大人になった気分、自由になった自分を感じました。

「ロシアは、初めて?」
いきなり彼はそう訊きました。
「ええ、初めて。外国へ来たのが初めてなの...」
彼は意外な表情を浮かべました。
「シロコフへ行くのかい?」
「えっ、シロコフ?」
「うん、君たちがシロコフへ行くってフロントマネジャーから聞いたから...」
彼は、場違いな質問でもしたかのように照れ笑いを浮かべました。フロントマネジャーって、あのおばさんかしらと思いながら、
「シロコフって、観光地ですか?」
私が逆にそう訊くと、彼は驚いたような表情で私を見て、
「あれ、知らなかったの?」
「ええ、爺の予定は知らないんです。爺のお仕事についてきただけですから...」
彼は、いかにも不可解だという表情でまた河面に視線を落としています。
「小さな町さ。ここから車で一日ぐらい。鉱山がある。鉄道も走っているけど、観光地じゃない」
「え〜、そうなの?」
私は、爺がどうしてその町へ行くのか、鉱山のお仕事かしら、と思いましたが、爺が鉱山と関係があるとは知りませんでしたし、これからの予定がどうなっているのかもわかりません。爺とはいっても、私の祖母の古くからの知り合いで、その関係で今回の旅行も好意で私を連れてきているだけと思っておりましたから、詳しいことは訊けないでいました。ただ、爺が「ロシアへ行くからついてきなさい」と言われて、とても有頂天になりましたが、期末試験とか何やらで忙しくて、今回の旅行日程も知りませんし、旅行案内書も、なにも読んでおりませんでした。ただロシアのことは、共産主義が崩壊してペレストロイカとかで、東西の冷戦が終わったことぐらいしか知りませんでした。

「ロシアの観光地って、どこが有名ですか?」
私がそう訊くと、彼はますます驚いたような表情を浮かべ、
「何も知らないで来たの?」
「ええ...」
「う〜ん、たとえばモスクワとかレニングラードとか...。ここも有名なんだよ、近くにバイカル湖がある。バイカル湖へは行くの?」
彼は、不思議そうにそう訊きました。
「バイカル湖は知ってる、学校で習いました。でも、行くかどうかわかりません」
彼は、半ばあきれたような顔をしていました。このときになって、彼の英語がとてもわかりやすく、意外と流暢なのに気付きました。今朝のあのたどたどしい英語とは、まったく違っていたのです。

「どこへ行こうか?」
と彼がおもむろに訊きました。
車まで借りて、きっと私を案内する道順まで立てていたに違いありません。そう思うと、彼のこの困ったような質問におもわず吹き出しそうになりましたが、反面、気の毒にも思えました。彼もそんな私を見て、照れ笑いを浮かべています。
「お昼までに帰ってきなさいと言われているから...」
私がそう言うと、
「えっ、そうなんだ...」
彼は、がっかりしたような表情でした。
「ねっ、歩きましょうよ」
私は、彼の返事も聞かずにベンチから立ち上がると、ホテル沿いの古い街の中へと歩き出しました。

「僕は、イワノフ。君は?」
「私は直子、よろしく」
「大学生?」
「高校、高校一年生」
「えっ..!?」

彼は、私よりずっと年上なのに見かけによらずシャイなのかしら、と思いました。街は人通りもまばらで、静まりかえっております。

<では、失礼いたします。後日へ続きます>

直子
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