冷却材喪失事故(LOCA)に関する研究
投稿者: t_ohtaguro_2 投稿日時: 2011/03/18 21:44 投稿番号: [16919 / 17759]
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1.ジルカロイ被覆管の酸化量に対する評価
まず、ジルカロイの水蒸気酸化については、LOCAを模擬した条件下で、多くの研究者によって試験された。代表的な測定例を図1に示す。米国原子力規制委員会(USNRC)は、多くの研究者が行った試験結果を、酸化温度とBaker−Just(以下、B−Jという)の提案したジルカロイの酸化速度式を用いて計算した酸化量の関数として整理し、ある程度の延性が残っている条件を求めた。この結果、被覆管温度が約2200F(1204℃)以下で酸化量が17%以下ならばある程度の延性が残っているので、被覆管の破砕は起こらず、冷却可能な燃料集合体の形状を維持できる。
上述の結果を基に、米国では、被覆管温度が2200F(1204℃)以下でBaker−Justの式で計算した酸化量が17%以下ならば、燃料集合体の冷却可能な形状を維持でき、LOCAは安全に終息できるとした。日本の「ECCS性能評価指針」は、燃料棒の被覆管温度が1200℃以下で酸化量が15%以下としている。2%少ない理由は、酸化した被覆管の脆化に及ぼす冷却速度の影響を考慮したためである。
その後、ジルカロイ被覆管と水蒸気との反応で被覆管が脆化する原因については、酸化のみならず水素吸収も寄与することが、日本原子力研究所における研究で指摘され、米国の追試験でも確認された。日本では、ECCSによる炉心冷却時における燃料集合体にかかる応力を模擬した条件で、水素吸収の影響を取り込んだ試験を行い、水素吸収による被覆管の脆化があっても、被覆管温度が1200℃以下、被覆管肉厚の減少が15%以下であれば、被覆管の破砕はなく、燃料集合体の冷却可能な形状は維持できることを確かめ、それまでの指針は変更の必要がないことが確認された。
水素吸収による被覆管脆化を示す実験例を図2に、また水素も吸収した被覆管の破損限界に関する確認試験の結果を図3に示す。図2の試験結果から分るように、破裂開口部から水蒸気が侵入して被覆管内面も酸化されるが、矢印で示した開口部からある程度離れた位置では、発生した水素は雰囲気に留まり、水素濃度がある値を超えると水素を吸収して、被覆管が非常に脆くなる。図3は、酸化と水素吸収を起こした被覆管が、グリッドで被覆管の軸方向の収縮が完全に拘束されるという非常に保守的な条件で、ECCSによって急冷されることを想定した場合の破損限界を調べたものである。この図から、現行の指針の範囲ならば、破損は起こらないことがわかる。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=06-01-01-05
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>日本では、ECCSによる炉心冷却時における燃料集合体にかかる応力を模擬した条件で、水素吸収の影響を取り込んだ試験を行い、水素吸収による被覆管の脆化があっても、被覆管温度が1200℃以下、被覆管肉厚の減少が15%以下であれば、被覆管の破砕はなく、燃料集合体の冷却可能な形状は維持できることを確かめ、それまでの指針は変更の必要がないことが確認された。
↑は、
被覆管温度が1200℃を上回り、被覆管肉厚の減少が15%を上回れば、
被覆管の破砕はあり得、燃料集合体の冷却可能な形状が維持し得ない。
とも読める。
放水により、水蒸気の水煙があがることは、使用済燃料棒の温度を下げることができたと喜ぶべきか?
それとも、ジルカロイ被覆管の酸化を促し、更に脆くしたと嘆くべきか?
1.ジルカロイ被覆管の酸化量に対する評価
まず、ジルカロイの水蒸気酸化については、LOCAを模擬した条件下で、多くの研究者によって試験された。代表的な測定例を図1に示す。米国原子力規制委員会(USNRC)は、多くの研究者が行った試験結果を、酸化温度とBaker−Just(以下、B−Jという)の提案したジルカロイの酸化速度式を用いて計算した酸化量の関数として整理し、ある程度の延性が残っている条件を求めた。この結果、被覆管温度が約2200F(1204℃)以下で酸化量が17%以下ならばある程度の延性が残っているので、被覆管の破砕は起こらず、冷却可能な燃料集合体の形状を維持できる。
上述の結果を基に、米国では、被覆管温度が2200F(1204℃)以下でBaker−Justの式で計算した酸化量が17%以下ならば、燃料集合体の冷却可能な形状を維持でき、LOCAは安全に終息できるとした。日本の「ECCS性能評価指針」は、燃料棒の被覆管温度が1200℃以下で酸化量が15%以下としている。2%少ない理由は、酸化した被覆管の脆化に及ぼす冷却速度の影響を考慮したためである。
その後、ジルカロイ被覆管と水蒸気との反応で被覆管が脆化する原因については、酸化のみならず水素吸収も寄与することが、日本原子力研究所における研究で指摘され、米国の追試験でも確認された。日本では、ECCSによる炉心冷却時における燃料集合体にかかる応力を模擬した条件で、水素吸収の影響を取り込んだ試験を行い、水素吸収による被覆管の脆化があっても、被覆管温度が1200℃以下、被覆管肉厚の減少が15%以下であれば、被覆管の破砕はなく、燃料集合体の冷却可能な形状は維持できることを確かめ、それまでの指針は変更の必要がないことが確認された。
水素吸収による被覆管脆化を示す実験例を図2に、また水素も吸収した被覆管の破損限界に関する確認試験の結果を図3に示す。図2の試験結果から分るように、破裂開口部から水蒸気が侵入して被覆管内面も酸化されるが、矢印で示した開口部からある程度離れた位置では、発生した水素は雰囲気に留まり、水素濃度がある値を超えると水素を吸収して、被覆管が非常に脆くなる。図3は、酸化と水素吸収を起こした被覆管が、グリッドで被覆管の軸方向の収縮が完全に拘束されるという非常に保守的な条件で、ECCSによって急冷されることを想定した場合の破損限界を調べたものである。この図から、現行の指針の範囲ならば、破損は起こらないことがわかる。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=06-01-01-05
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>日本では、ECCSによる炉心冷却時における燃料集合体にかかる応力を模擬した条件で、水素吸収の影響を取り込んだ試験を行い、水素吸収による被覆管の脆化があっても、被覆管温度が1200℃以下、被覆管肉厚の減少が15%以下であれば、被覆管の破砕はなく、燃料集合体の冷却可能な形状は維持できることを確かめ、それまでの指針は変更の必要がないことが確認された。
↑は、
被覆管温度が1200℃を上回り、被覆管肉厚の減少が15%を上回れば、
被覆管の破砕はあり得、燃料集合体の冷却可能な形状が維持し得ない。
とも読める。
放水により、水蒸気の水煙があがることは、使用済燃料棒の温度を下げることができたと喜ぶべきか?
それとも、ジルカロイ被覆管の酸化を促し、更に脆くしたと嘆くべきか?
これは メッセージ 16915 (t_ohtaguro_2 さん)への返信です.
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