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【ビジネス法務の部屋】

投稿者: T_Ohtaguro 投稿日時: 2006/01/04 17:25 投稿番号: [14046 / 17759]
1   民法95条による錯誤無効の主張は本当に困難か?

どうも、上記の朝日ニュースの報道内容を読んでおりますと、本件証券取引に民法95条の錯誤無効の規定を適用することはむずかしい、との結論に至っているようです。(いつもコメントをいただく   narita-k   さんも、これまでの私のエントリーでの結論と、この記事は異なるようですよ、とのご意見を頂戴いたしました)しかし、本当にこの取引に民商法の規定が適用されるとした場合、錯誤無効の規定をあてはめることは困難でしょうか。たしかに、民法95条の規定を読みますと、表意者(ここではみずほ証券)に錯誤が認められたとしましても(どういった要件該当性があるのか、といった点は私の過去のエントリーをご参照ください)、「表意者に重過失があるときは無効を主張することができない」とされておりますので、そもそもみずほ証券に重大な過失(と評価される事実)がある以上は、無効にはならないのではないか、とも思われます。しかしながら、この民法95条の規定が、表意者に重過失がある場合に無効を主張できない、と規定しているのは、表意者の財産保護と、相手方の取引安全保護とのバランスを図るためのものでありますから、取引相手方に「悪意」(つまり、みずほ証券が誤って売り注文を出している、ということを相手方が知っていること)ある場合にまで無効主張が制限されるわけではありません。本件では、ジェイコム株式を購入した証券会社については、まず間違いなく悪意が認定されることは、これまでのエントリーで述べたとおり明らかだと思います。また、インターネットによる通信販売の事例でもおわかりのとおり、取引時において、取引相手がどんな人なのか特定できない場合でも、当事者の利害状況は同様です。したがいまして、本件に民法95条が適用されるかどうか、といった問題については、それほどみずほ証券に「重大な過失があったかどうか」は大きな問題にはならないように、私は考えております。

むしろ問題となりそうなのは、みずほ証券はいったん決済には協力しているわけですし、すでに多額の決済金を拠出しているわけですから、すでに錯誤無効を主張する表意者としての利益を放棄しているものと評価されるのではないか、という点であります。ただ、みずほ証券といたしましても、証券取引所の信用および自社の社会的信用を守るために、いったんは決済をして、その後訴訟などによって個別の利益保有者との間で法的紛争の解決をはかる、といった事情にも合理性があると認められますので、無効主張をなしうる利益まで放棄したと評価されるわけではない、というのが私の意見です。したがいまして、この点からも錯誤無効が成立する余地は十分にある、と考えております。
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