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12月9日降伏勧告文投下と戦闘

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/07/21 18:32 投稿番号: [913 / 2250]
児島襄著   『日中戦争4』   195〜196p


《   ―   午後四時、

南京上空に松本雄幸曹長と粉川宗三伍長が操縦する九七式重爆撃機が飛来し、

大量のビラを投下した。


ビラは、風にのって第六、第百十四師団の前線にも舞い下りた。

「日軍百萬既ニ江南ヲ席巻セリ。南京城ハ既ニ包囲ノ中ニアリ……」

との冒頭の文言ではじまる投降勧告文であり、翌日十日正午を回答期限にしていた。

あて名は   「南京防衛司令官唐生智」、発信者は   「大日本陸軍総司令官松井石根」。

勧告文は、南京城を   「和平裡ニ開放」   することをもとめ、

期限までに回答がないときは   「南京城攻略ヲ開始」   する、と述べていた。



しかし、回答がくるまでは攻撃を停止するとは、いっていない。

第九師団も、第六、第百十四師団も、さらには第九師団の北側を紫金山に

とりついている第十六師団も、第六師団の西方を北進している第十八師団も、

だから、攻撃の手をゆるめることはなかった。

いや、むしろ、投降勧告の効果を増大させるべく、日本側は、この夜はとくに

全線にわたって攻勢を強化し、それにたいする中国側の応戦も激化した。



「砲撃戦はますます激しくなり、砲火が交錯する戦場は恰   (あたか)   も

不夜城を見る思いであった」

とは、第九師団の戦況描写であるが、事情はどの師団の戦いにも共通していた。


夜襲がくり返され、中国側の逆襲もくり返され、

そのたびに彼我の死傷者は増え、夜の戦場に血が流れた。

夜おそく、難攻していた第六、第百十四師団の突撃が成功し、

牛首山に布陣していた中国軍第五十八師主力は、退却した。》


つづく
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