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制令線の廃止と新制令線の設定

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/06/03 18:52 投稿番号: [859 / 2250]
児島襄著   『日中戦争4』   164〜165p


《 第十軍参謀長田辺盛武少将をまねいての協議の結果は、

さっそく二十二日の中支那方面軍の第十軍にたいする南京追撃中止命令に具現したが、
同時に、その方面軍命令には、次の但し書がつけ加えられていた。

「但シ、湖州ヨリ   一部先遣隊ヲ派遣スルコトヲ得」

先発隊を出して主力はあとから行け、との含意がうかがわれる命令であるが、
方面軍は、さらに参謀本部に意見具申してきた。

「中支那方面軍ハ、事変解決ヲ速   (すみや)   カナラシムル為、

現在ノ敵ノ頽勢   (たいせい)   ニ乗ジ、南京ヲ攻略スルヲ要ス」



疲れている上海派遣軍も、「旬日」 (十日間)   の休養をとれば
追撃戦を実行できる、という。

なにがなし、第十軍がはりきり、方面軍がひきずられた感じである。
参謀次長多田中将は、 「不可 (いか) ん」 「不可ん」   と連呼したが、

すでにひきずられるよりも   「ひきずりたい」   意思をもつ下村少将らに
説得され、十一月二十四日   「大陸指第五号」   を発令した。

「臨命第六〇〇号ヲ以テ   指示セル中支那方面軍作戦地域ハ、 之ヲ廃ス」

南京進撃   −   の下令にひとしい。
参謀次長多田駿中将は、しかし、なお内心では南京攻略に反対であった。》



戦史叢書   『支那事変   陸軍作戦1』   419〜420p

《 次長は戦線拡大を深く憂慮していたので、同日十八時、
方面軍参謀長あて要旨次のように打電した。

「任務に基づく戦場追撃は認める。   しかし状況によっては大湖北方地区で
方面軍の一部が無錫以西に進出することがあるのは予期するが、

大湖南方地区では湖州以西に戦面を分散拡大することのないよう、

また他に転用のため第十一師団及び重藤旅団等を十二月初旬までに
上海付近に集結させるよう考慮されたい。」

二十四日、方面軍は   「第二期作戦計画ノ大綱」   を作成し、二十五日これを配布し
かつ両軍に対し、無錫−湖州の線において、じ後の作戦を準備せよと命じた。 》


*   つまりは、無錫−湖州までの線を新しい制令線とするようなものです。
   簡単には、南京進撃を許可しません。


注   頽勢:タイセイ    くずれかかった勢い。
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