Re: 小説・李承晩の野望(1)
投稿者: minnnasugoi 投稿日時: 2006/04/25 22:50 投稿番号: [74341 / 95793]
小説・李承晩の野望(一)
1952年、日本国内に連合国からの独立気運が高まり、日本の主権回復も秒読みにはいってきた1月のある日、ここ韓国景武台(青瓦台)では、李承晩大統領が法務・国務両長官を執務室へよびつけていた。
北との戦いも休戦状態に入り、李承晩は国威高揚の指標を「反共」から「反日」へと転換し始めた時期である。
「日米がそろそろ安全保障条約を発効する。その前に、わが国としてはしかるべき手を打っておきたいと思う。しかもそれは今後の対日政策において多大な影響を与えるものでなくてはならない。むろん、わが大韓民国にとって有益な影響を与えるものに、だ」
「で、そのしかるべき手とは、一体?」
「東海(トンヘ)に線を引く」
「東海に……ですか?」
東海とは、日本海のことである。李承晩はコクリと法務長官に向かって頷くと、傍らに用意しておいた半島周辺地図を机上へとひろげた。その地図には、すでに李承晩自身の手によってか、赤いラインがひかれてある。それを見て、法務長官は、おや、と小首を傾げた。
「大統領。これでは竹島もわが領土に含まれてしまいます。昨秋に締結された日本国と連合国との講和条約のA項には、わが韓国の主権の及ぶ範囲は、済州島、巨文島、鬱陵島まで、となっており、竹島の名などはどこにもはいってはおりませんが」
「承知のうえだ。だから先手を打つのだ」
「国際法も関係なく、一方的にですか?」
「そう、一方的に、だ。マッカーサーラインとかクラークラインとかがあるだろう。あれと同じものだ。ソ連による北方領土のように、とまではいかんが、これでチョッパリ(日本人)どもに相当の屈辱を味あわせてやることはできる」
李承晩は次に国務長官を振り返った。
「これに、なにか問題はあるか、国務長官?」
「国内的にはなにも問題はないでしょう。なにしろチョッパリ共が相手なわけですから。唯一、気になることと云えば国際世論でしょうか」
「その点なら大丈夫だ。とことん日帝の被害者を装えばいい。日本には強気に出ても国際世論に対してはお涙頂戴に徹する。当分はこれでいける」
それに法務長官が再び口をはさんだ。
「しかし、すでに竹島は島根県隠岐郡の一部として、日本が登記を完了しておりますが?」
「ぶり返すな。承知のうえだと云ったろう。無理が通れば道理がひっこむ。日本に対しては如何なる無理も道理となる。わしはこの勢いで、対馬の領有権をも主張したいと思っているくらいだ」
「対馬も……」
「七百年前、対馬を占領したのはだれだ? 日本では元寇などとひとくくりにしておるが、対馬を占領したのは蒙古軍でもなければ東路軍でもない、わが朝鮮民族だ」
事実である。対馬が占領された当時、島に住む男子及び老人子供は手当たり次第に惨殺され、婦女子らは陵辱強姦されたあげく掌に穴をあけられ、それに綱を通され、まるで数珠繋ぎのように軍船へと吊された。このやり口は皆、朝鮮民族の風習である。
この残虐を逃れた婦女子のなかには、発見されるのを恐れるあまりに泣きじゃくる我が子を自らの手で絞め殺した母親もいたという。
現在でも、対馬では泣きやまない子がいると、「モクリ、コクリ(高麗軍。高句麗からきていると思われる)が来る」と云って泣きやますそうである。
「つまりはだ、わが民族唯一の侵略戦争による戦利品なのだよ、対馬は」
云ったあと、李承晩はふとなにかを思いだしたようにこう続けた。
「わしがアメリカにいたころ、たまたま知り合った欧州人が、こうわしに訊いてきた。君の国は日本海の南に突き出ているあの半島か、とな。わしは気に入らん、と激怒した。あれは日本海ではない、東海だと。するとその欧州人は怪訝な顔をして去って行った。以来、わしは日本海と云う名称をこの世から抹殺することを決意したのだ」
執念であった。およそ日本統治下も、さらには国内における抗日運動も経験していない人物のものとは思えぬほどの執念であった。(ただし李承晩は反日の素人ではない)
「竹島領有は、日本海を東海と云う正式名称に戻すための布石とも云える。法的整備を進めよ。急がねばならぬ」
法務長官は、この李承晩の思いつき政策を合法化するため、急遽、「魚族資源保護法」なるものをつくり、日本海上のライン設定を宣言した。
いわゆる李承晩ラインである。
−つづく−
1952年、日本国内に連合国からの独立気運が高まり、日本の主権回復も秒読みにはいってきた1月のある日、ここ韓国景武台(青瓦台)では、李承晩大統領が法務・国務両長官を執務室へよびつけていた。
北との戦いも休戦状態に入り、李承晩は国威高揚の指標を「反共」から「反日」へと転換し始めた時期である。
「日米がそろそろ安全保障条約を発効する。その前に、わが国としてはしかるべき手を打っておきたいと思う。しかもそれは今後の対日政策において多大な影響を与えるものでなくてはならない。むろん、わが大韓民国にとって有益な影響を与えるものに、だ」
「で、そのしかるべき手とは、一体?」
「東海(トンヘ)に線を引く」
「東海に……ですか?」
東海とは、日本海のことである。李承晩はコクリと法務長官に向かって頷くと、傍らに用意しておいた半島周辺地図を机上へとひろげた。その地図には、すでに李承晩自身の手によってか、赤いラインがひかれてある。それを見て、法務長官は、おや、と小首を傾げた。
「大統領。これでは竹島もわが領土に含まれてしまいます。昨秋に締結された日本国と連合国との講和条約のA項には、わが韓国の主権の及ぶ範囲は、済州島、巨文島、鬱陵島まで、となっており、竹島の名などはどこにもはいってはおりませんが」
「承知のうえだ。だから先手を打つのだ」
「国際法も関係なく、一方的にですか?」
「そう、一方的に、だ。マッカーサーラインとかクラークラインとかがあるだろう。あれと同じものだ。ソ連による北方領土のように、とまではいかんが、これでチョッパリ(日本人)どもに相当の屈辱を味あわせてやることはできる」
李承晩は次に国務長官を振り返った。
「これに、なにか問題はあるか、国務長官?」
「国内的にはなにも問題はないでしょう。なにしろチョッパリ共が相手なわけですから。唯一、気になることと云えば国際世論でしょうか」
「その点なら大丈夫だ。とことん日帝の被害者を装えばいい。日本には強気に出ても国際世論に対してはお涙頂戴に徹する。当分はこれでいける」
それに法務長官が再び口をはさんだ。
「しかし、すでに竹島は島根県隠岐郡の一部として、日本が登記を完了しておりますが?」
「ぶり返すな。承知のうえだと云ったろう。無理が通れば道理がひっこむ。日本に対しては如何なる無理も道理となる。わしはこの勢いで、対馬の領有権をも主張したいと思っているくらいだ」
「対馬も……」
「七百年前、対馬を占領したのはだれだ? 日本では元寇などとひとくくりにしておるが、対馬を占領したのは蒙古軍でもなければ東路軍でもない、わが朝鮮民族だ」
事実である。対馬が占領された当時、島に住む男子及び老人子供は手当たり次第に惨殺され、婦女子らは陵辱強姦されたあげく掌に穴をあけられ、それに綱を通され、まるで数珠繋ぎのように軍船へと吊された。このやり口は皆、朝鮮民族の風習である。
この残虐を逃れた婦女子のなかには、発見されるのを恐れるあまりに泣きじゃくる我が子を自らの手で絞め殺した母親もいたという。
現在でも、対馬では泣きやまない子がいると、「モクリ、コクリ(高麗軍。高句麗からきていると思われる)が来る」と云って泣きやますそうである。
「つまりはだ、わが民族唯一の侵略戦争による戦利品なのだよ、対馬は」
云ったあと、李承晩はふとなにかを思いだしたようにこう続けた。
「わしがアメリカにいたころ、たまたま知り合った欧州人が、こうわしに訊いてきた。君の国は日本海の南に突き出ているあの半島か、とな。わしは気に入らん、と激怒した。あれは日本海ではない、東海だと。するとその欧州人は怪訝な顔をして去って行った。以来、わしは日本海と云う名称をこの世から抹殺することを決意したのだ」
執念であった。およそ日本統治下も、さらには国内における抗日運動も経験していない人物のものとは思えぬほどの執念であった。(ただし李承晩は反日の素人ではない)
「竹島領有は、日本海を東海と云う正式名称に戻すための布石とも云える。法的整備を進めよ。急がねばならぬ」
法務長官は、この李承晩の思いつき政策を合法化するため、急遽、「魚族資源保護法」なるものをつくり、日本海上のライン設定を宣言した。
いわゆる李承晩ラインである。
−つづく−
これは メッセージ 74340 (minnnasugoi さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552022058/cf9qa4nhbfffca5ga5b_1/74341.html