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二宮夜話--62.経を役立てる--

投稿者: sawayakanikoniko 投稿日時: 2006/04/10 08:31 投稿番号: [73164 / 95793]
★   教えを水に譬えて実行を教える

二宮尊徳はいいました、立派な教えは水のようなものです。よく世の中を潤し
て滞らないものです。どんな尊い教えも書きとめて経典にしてしまうと、世の
中を潤すことがなく、世の役に立つことはありません。
たとえば水が凍ったようなものです。元は水に違いありませんが少しも潤わす
ことができず、水として役にたちません。

さらに、その経典の注釈というものはまた氷につららが下がったようなもので、
氷が解けてまた氷柱になったのと同じです。世の中を潤さず水として役に立た
ないことはやはり同じです。

そしてこの氷になった経典を世の中で役に立てるには、心の中の熱意でよく解
かし元の水にして用いれば世の中を潤すことができます。それができないなら
まったく無益のものです。氷を解かす熱意がなく、氷のまま使っても水のよう
に役に立つと思うのは愚の骨頂です。世の中に神仏儒の学者がいながら世の中
に役立たないのはこのためです。よく考えたいことです。

したがって私の教えは実行を尊びます。経文とか四書五経とかいうときの経と
は、もとは機織のたて糸のことです。ですから縦糸ばかりでは役に立たず、横
に日々実行を織り込んではじめて役に立つものです。横に実行を織らず、ただ
縦糸だけでは役に立たないことは言うまでもないでしょう。
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