天性 (二宮尊徳夜話)
投稿者: sawayakanikoniko 投稿日時: 2005/05/13 16:15 投稿番号: [34126 / 95793]
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材木を検して山林仕立て方並びに人材を用いる法を諭す
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翁は山林に入って材木を検閲した。製材した材木の芯が曲がっているのを指差し
て教えて言われた。
「この木の芯はすなわちいわゆる天性だ。天性がこのように曲がっていても、曲
がっている内のほうには肉が多くつき、外には肉が少なく付いて、成長するに随
っておおよそ真直ぐな木になっている。これは空気に押されるためだ。人間は世
間に押されて、生まれつきの性質を顕さないのと同じ。だから材木を取るには、
木の芯を出さないように墨(=裁断の目印)を付けるのだ。芯を出すと必ず反り
曲がるものだ。
だから上手な木挽きが材木を取るように、よく人の本性を顕さないようにすれば
世の中の人は皆役に立つだろう。本性を顕さないようにするとは、おべっか使い
もおべっかを使わず、ずるがしこい人も狡賢いことを露さないように、本性を包
んでその真っ直ぐなのを柱にし、曲がったのを梁(はり)にし、太いのは土台に
し細いのは桁にして、美しいのは造作(室内の用材や家具建具)に使って、残す
ところがない。人を用いるのもまたこのようにすれば棟梁の器と言えるだろう。
また山林を仕立てるには、苗を多く植えなさい。苗木が茂れば供育ちで生育が早
い。育つにしたがって木の善悪を見て抜き伐りすれば山中皆良材となるものだ。
この抜き取りに心得がある。他の木より抜きん出て成長するのと、他の木より後
れて育たないのとを取るのだ。世間の人は育たない木を伐ることは知っているが
他の木より優れて育つ木を伐ることを知らない。たとい知っていても伐れないも
のだ。その上、この抜き取りは手遅れにならないように、早く伐り取るのが肝要
だ。後れると大いに害がある。
1反歩に400本あれば300本に抜き、また200本に抜き、大木になればま
た抜き去りなさい。」
これは メッセージ 1 (nono7370 さん)への返信です.
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