捕鯨とクジラ保護

Yahoo! Japan 掲示板トピックビューアー

[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

日本産哺乳類のレッドリスト

投稿者: springsanbo 投稿日時: 2008/09/23 20:31 投稿番号: [42425 / 63339]
●日本産哺乳類の全般的傾向
  ランクは,絶滅,絶滅危惧,危急,希少,(分類)不能,普通の6つである.その他に,絶滅を除くランクに,「保護すべき地域個体群」を指定した種・亜種がある.これらのランクのうち,絶滅,絶滅危惧,危急,希少の4ランクの定義は,IUCN(世界自然保護連合)のレッド・リスト(1994)と環境庁(1991)の「日本の絶滅のおそれのある野生生物」にあるランクの定義と基本的に同じである.
  ランクの決定には,分布面積,島嶼に限定された分布であるかどうか,日本固有種や日本固有属といった学術的な貴重種,絶滅へのインパクトが急激に強まっているかどうか(必ずしも総個体数の多少にかかわらない),生息環境の破壊の程度と進行度などに基づいて,ランクを決定した.生息地が島嶼か,高標高の山岳地帯に限られる場合は,希少ランク以上にした.これは,小さな生息面積と孤立状態を考慮したためである.
  日本産の陸棲哺乳類と日本近海で見られる海棲哺乳類は,種と亜種をあわせて174の種類でランクが決定された.それらをランク別に示すと,絶滅5(2.9%),絶滅危惧22(12.6%),危急18(10.3%),希少40(23.0%),不能20(11.5%),普通69(39.7%)になる.希少以上のランクは49%に達する.これは日本産哺乳類の約半分で何らかの保護策が必要であることを示している.
  絶滅した5種・亜種に含まれるオキナワオオコウモリとオガサワラアブラコウモリは,新種記載後は生存の情報がなく,実在したかどうかも疑わしい点で,実在していて絶滅したオオカミとは同列には扱えない.絶滅危惧の22種・亜種では,最大が海棲哺乳類の9種・亜種であり(クジラ目,食肉目鰭脚亜目,海牛目),次いで翼手目の6種・亜種である.翼手目ではすべて島嶼に分布する点が注目される.危急の18種・亜種では,翼手目の6種と海棲哺乳類の5種が目立つ.これらの翼手目は樹洞性である点で,絶滅危惧のコウモリが島嶼に分布する点とは全く異なっている.希少ランクでは,クジラ目の13種,翼手目の11種,食虫目の8種・亜種で希少の80%を占める.
   多くの種数を含む目で,希少以上のランクになった種・亜種の比率をみると,食虫目50%,翼手目69%,齧歯目25%,食肉目39%,クジラ目60%である.齧歯目と食肉目では普通にランクされる方が多いが,食虫目,翼手目,クジラ目では50%以上である.
  生息環境の点からみると,海棲哺乳類(クジラ目,食肉目鰭脚亜目,海牛目)は,捕鯨や捕獲による人為的な原因によって極端な減少を招いたものである.これらは国際的な捕鯨禁止などによりどの程度生息数が回復してくるかが待たれるところである.しかし,現在でもイルカ類への捕獲圧が高く,トドは急激に減少している.翼手目では,樹洞性の種と島嶼に分布が限定される種がほとんどである.樹洞性の種については,落葉広葉樹林の減少が生息数と生息域の分断をもたらしていて,実際上は有効な保護策をたてられないのが現状である.樹洞のある大木を積極的に保存するなどの林業施策が求められている.洞窟性は樹洞性ほどには危機的ではないが,島嶼に生息する洞窟性コウモリは,小さな生息面積と数少ない洞窟に依存しているために,洞窟が観光化されたり,洞窟周辺が開発されると,急激に危機的状況に陥る危険性がある.
  地域的にみると,絶滅危惧のランクにある陸棲哺乳類は本土にはいない.小笠原諸島(オガサワラオオコウモリ),対馬諸島(ツシマヤマネコ),南西諸島(クビワオオコウモリ,コキクガシラコウモリ類,カグラコウモリ,アマミノクロウサギ,トゲネズミ類,ケナガネズミ,イリオモテヤマネコ)に集中する.絶滅危惧・危急・希少ランクの陸棲哺乳類52種・亜種のうち,46%(24種・亜種)が島嶼に限定した分布をする.この理由として,これらの諸島では生物地理学的に貴重な動物がその諸島固有の種として生息していること,島の面積が小さいため総個体数が多くないことである.特に南西諸島では日本に復帰してからのさまざまな公共・民間の投資が急激な環境破壊をもたらしている.これらの島々では哺乳類以外にも種々の天然記念物や貴重な脊椎動物が生息している.そのため,全島の生態系をセットとする保護策と個別の種の保護
策を組み合わせた総合的な保全システムが望まれる.本土では,本州に広く生息する種・亜種で九州にも分布する種では,九州で危機的状況になっている保護すべき個体群がある(ツキノワグマ,ヒメヒミズ,ニホンリス,ニホンモモンガ,カワネズミ).
[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

Yahoo! Japan 掲示板 アーカイヴ

[検索ページ] (中東) (東亜) (捕鯨 / 捕鯨詳細)