捕鯨とクジラ保護

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Re: 捕鯨とクジラ保護

投稿者: sanba_oosaka 投稿日時: 2008/06/13 13:36 投稿番号: [31647 / 63339]
●見たかな?これ


まず指摘しておかなければならないのは、70種類以上ある鯨類の中で、その知能が研究されているのはバンドウイルカなどほんの数種の小型鯨類であるという事である。シロナガスクジラやミンククジラなどのヒゲ鯨や、マッコウクジラのような大型歯鯨について、その知能が研究され、それが人間に近い事が実証されたり、それを示唆するような事実が見つかったという話は聞いたことがない。しかし、例えばグリーンピース・オーストラリアが1992に発行した"Are whales almost human?"と題したパンフレットでは記述の対象をイルカに限定せずに鯨類全般のこととして「疑いもなく知能が高く・・・」と書いている。チンパンジーの知能が高いからといってメガネザルの知能も同等のレベルにあると思い込む人はいないと思うが、鯨類に関しては「イルカは賢い」−>「鯨類は賢い」−>「鯨を食べるのは人食いと同様な野蛮な行為である」とメチャクチャな飛躍でもって論旨が発展して、捕鯨という漁業 − 漁業自体は反捕鯨国も含めて世界中で行われているごく普通の行為だが − を特別に罪悪視して抑圧する有力な論拠に使われているのが現状である。



1.脳から見た知能レベル
例えばバンドウイルカの脳は約1.6キロと、人間の1.5キロに近く、見かけも人間のものにけっこう似ていなくもない。ただ、脳の絶対重量や体重との相対比率については、知能との相関はないようである。アジア象の脳は人間のものより5倍重いが、人間より賢いという兆候は全く見られないし、バンドウイルカの5倍近い重さの脳を持つマッコウクジラに、より高い知能を示唆する行動が観察されているわけでもない。そもそも脳は体全体をコントロールする役割を持っているから、大まかな傾向として、大きな動物ほど大きな脳を要するのは、コントロールする対象が多いのだから当然であるここで「大まかな」と言ったのは、例えば同じ大きさの動物でも爬虫類のような変温動物と哺乳類のような恒温動物では、体の機構の複雑性が根本的に違っていて単純比較などできないからである。では、体重に対する脳の重さの比率が大きい事が指標になるかというと、小型のマウスが高い数値を示すのである。そもそも、脳において知能をつかさどるのはごく一部分である事を考えると、脳全体の重量でなにか知能に関わる指標を得ようとする事自体が、的外れではないだろうか。
次に脳そのものについて言えば、シワは人間より多いのだが、知能に大きく関わるとされる大脳新皮質は人間の半分程度に薄く、神経細胞の密度も低い。もっとも新皮質が脳全体に占める量が多い方が知能が高いかというと、実際にはハリモグラの方が人間より多く、やはり量のみでなく質的な分析が求められる。鯨類の祖先が陸上の哺乳類で、6500万年から7000万年前に海での生活を始めた事は、今日ではよく知られていると思う。陸上哺乳動物において、脳の新皮質の最後の進化が始まったのは5000万年程前と考えられているが、鯨類の祖先はそれよりはるか以前に海へ移ったために、同じ哺乳類といっても、現世の陸上哺乳類とは違い、新皮質の層の数が6つではなく5つしかなく、構造もはるかに単純であるなど、質的な違いも大きい。また、海中という、視覚から入ってくる情報だけでは不十分な環境で生きているために、音波を発して、その反射波から周囲の状況を把握するエコーロケーション(Echo location)という機能が発達しているため、音波の処理に必要な箇所が発達して、このような比較的重い脳を持つに至った、と考えている学者もいる。

というわけで、イルカの脳は見かけに反して質的にはかなり人間のものと違い、人間に匹敵する知能の存在を万人に納得させる決定的な材料は、今のところない、のである。
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