捕鯨とクジラ保護

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クジラの科学は生物学? 資源学?_1

投稿者: capt_paul_watson 投稿日時: 2008/06/09 08:09 投稿番号: [30984 / 63339]
──日本の鯨類学の牙城が抱える悩み──

20008/4に入って、日本鯨類研究所のHP上に水産資源管理談話会のコーナーが開設されました。これは鯨研併設の研究機関である水産資源管理センターが主催するものです。名前だけ一見すると、同センターはクジラとは直接関係のない水産系の外郭団体のように見受けられます。フィリピンにある第三世界の漁業や開発の問題に取り組むNPO、国際水産資源管理センター(ICLARM)とも非常に紛らわしいのですが・・。HPの記載によれば、水産関係の研究者などを中心に登録会員は300人ほど、主な活動内容は毎年数回勉強会や講演を開き、会報を発行すること。クジラのクの字も出てこない組織を鯨研がかけもちで運営する背景には、一体何が隠されているのでしょうか?
  いま、世界の権威ある科学誌で、鯨研発の論文が掲載を拒否されています。日本の鯨類学は、科学の分野として三流の扱いを受けてしまっているのです。研究者にとってはまさに非常事態、屈辱以外の何物でもないでしょう。いまや彼らの発表の場は、「鯨研通信」のような内輪向けの"同人誌"しかないありさま。実際のところ、現行の致死的研究/調査捕鯨のスタイルを何年続けようと、生物学的に目覚しい有意義な発見はまったく期待できません。
  さらに、IDCR(国際鯨類探査十ヵ年計画)の3周目では、日本の捕鯨推進派にとって予想を大幅に裏切る非常に少ない目視数しか得ることができませんでした。このため、水産庁の担当者も会見で「氷縁に集まってるから本当は少なくないハズなんだ〜( -- ;」と悔しまぎれの言い訳に終始する始末。ことあるごとに「ミンククジラは76万頭!」と吠えてきたもともと薄弱な根拠が、ここへきてガラガラと音を立てて崩れ去ってしまったのです。
  以前から指摘されていたことですが、南極海のクロミンククジラについては、分布パターンに非常に大きな性差・年齢差があります。また、海況による違いも生じてきます。浮氷群や大陸氷縁からの距離によって群れ・個体の数に偏りがあり、パックアイスのサイズ、密度(混み具合)などの要素が有意なパラメータとして働き、しかも性差や年齢差がここにも絡んでくる──となると、現在目視に使われている発見率の補正計算式(素人には十分煩雑ですが・・)はもう役に立ちません。検証可能な実測値がないので、新たに式を作るのも至難の業です。そのうえ、夏季の索餌期間中の移動もランダムではありえず、そこにも個体のタイプによる傾向の違いが必ずあることでしょう。もはや有用な総個体数を算出することなど不可能となってしまったのです。この点は、IWC科学委でも認識されているはずです。
  ランダムサンプリングのランダム性が"採集"作業でもあてにならないということは、すなわちポピュレーションの推移を調べるうえで、致死的調査のデータが無用の長物になってしまうことを意味します。となると、継続的モニタリングと称して年間数百頭〜千頭に及ぶ捕殺を維持する必然性もなくなってしまいます。今期を含む近年の調査報告では、雌雄の捕獲数がほぼ同数で、分布に偏りがある中では返って不自然な、あたかも"作られた数字"であるかのような印象がありました。また、ナガスクジラについてはもともと計画数が10頭どまりで、今期はゼロでしたが、母船での解体作業に支障のないサイズのものを選択的に捕獲していた疑いが持たれています(JANJAN記事参照)。まあ、そもそもナガスを捕獲対象に含めたのは、文化人か政治家の中にいる"尾の身マニア"から「寄付してやるから食わせろ」と裏で頼まれ鯨研側が配慮しただけではないかと、筆者としては勘ぐっているのですが・・。クロミンクについても、データのランダム性を追究する、あるいは厳密に守る意義が薄れてくれば、本来の商業捕鯨事業者としての要求が強まってくるのも自然の流れでしょう。鯨肉歩留の低い未成熟個体なんて捕りたくもないのが本音でしょうから・・。
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