酒井啓子さんの論文への賛同と疑問①
投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2006/05/05 02:50 投稿番号: [91181 / 118550]
<私の感想>
さすが酒井啓子女史である。
現象的な記述に留まることなく、
・実体を措定し、
その実体の
・歴史的経緯
・イデオロギー
・組織構成
・支持階層、その支持階層の要望
等々、という下向分析を行っている。
その分析が妥当かどうかはともかく、
各メディアに於いて、こういう分析自体が貧困だと思う。
そういうしっかりした分析があって初めて、
ではその分析内容は内容的に妥当か否かという議論が始まる。
私は酒井女史の分析内容を全面的に肯定する訳でもない。
ある政治勢力と、その政治勢力を支持する社会階層と
その社会階層の要望という観点が重要だと思う。
そういう社会学的、社会科学的分析が貧困だったと思う。
ある政治勢力が、政治勢力たり得るのは、
それを社会的に支えている社会集団が存在しているからであり、
その支持集団の要求に応えなければ、存在自体を存続できないと思う。
ジャファリ首相続投問題を巡る対立を、
「イラクの今後の国家体制をどうするか、という基本的な問題を巡って
発生していると考えるべきである」と述べている。
それはその通りだと思う。
連邦制か中央集権制か、
クルドの求める<独立性の高い連邦制>
SCIRIの「南部シュメール連邦構想」も<独立性の高い連邦制>と言えると思う
それに対して、あくまでも<統一国家イラク>を求める者達。
基本的には、そういう観点が根底になければならないと思う。
しかし、ならば、
①スンニ派やアラウィ氏の世俗派は、何故ジャファリ氏続投に反対したのか
②同じダアワ党のマリキ氏なら何故肯定するのか
という疑問が直ちに浮かぶ。
①について
スンニ派がジャファリ首相続投に強硬に反対したのは、ジャファリ氏というより
SCIRIの内務省ポスト維持に反対だったという要素の方が強いと思う。
スンニ派は本来は連邦制に反対であり、その限りでは、
ジャファリ氏に反対している訳ではないと思う。
ジャファリ氏の中央主権制に反対したのではないと思う。
酒井女史はスンナ派政治家は「まがいもの」とみているようだ。
そういう観点は斬新だ。
しかし、スンナ派政治家は、2005年10月の憲法制定国民投票では、
一致団結して反対票を組織化している。
そういう意味では、当時のUIAは、憲法草案賛成であり、
ダアワ党もサドル派もその方針に賛成していたのだから、
スンナ派よりも中央集権制を強く求めているとは言えないと思う。
もちろん、憲法草案国民投票は、連邦制か中央集権制かを
唯一の争点にしていた訳ではなく、
政治プロセスを進める為のものという要素が強かったとも思うが。
②について
ジャファリ氏かマリキ氏かという、<個人的資質の問題>も確かにあるだろう。
しかし一国の首相を決定するのに、<個人的資質の問題>が第一義的な問題
だとは思えない。
しかるに、スンニ派その他は、ダアワ党のマリキ氏なら歓迎するという。
同じダアワ党なのだから、政治的立場、政治的方針にそう大きな違いがあるとは
思えない。違いがあるとしてもダアワ党という一つの党の方針の枠内である筈だ
まあ四か月の混乱自体を早急に収める必要があったのであるから妥協した訳だが
一体何をどう妥協したのかさえ明らかではない。
また、一言で、スンナ派政治家といっても、
・イラク合意戦線と
・イラク対話評議会とでは、
その支持層が違うようである。
・イラク合意戦線は、イラク・イスラム党を中核とするアラブ・スンナの
宗教勢力を支持基盤としており、
・イラク対話評議会は、元バース党員のムトラクが党首なのだから、
旧バース党支持層や、各種アラブ民族主義者や、アラブ・スンナの世俗派を
支持基盤にしているものと思われる。
スンナ派二大会派は、石油資源の乏しいスンニ派アラブ人にとって、
石油利益の配分比率という死活問題に対しては、
<スンニ派アラブ人>という利害関係でまとまるのは当然だと思う。
さすが酒井啓子女史である。
現象的な記述に留まることなく、
・実体を措定し、
その実体の
・歴史的経緯
・イデオロギー
・組織構成
・支持階層、その支持階層の要望
等々、という下向分析を行っている。
その分析が妥当かどうかはともかく、
各メディアに於いて、こういう分析自体が貧困だと思う。
そういうしっかりした分析があって初めて、
ではその分析内容は内容的に妥当か否かという議論が始まる。
私は酒井女史の分析内容を全面的に肯定する訳でもない。
ある政治勢力と、その政治勢力を支持する社会階層と
その社会階層の要望という観点が重要だと思う。
そういう社会学的、社会科学的分析が貧困だったと思う。
ある政治勢力が、政治勢力たり得るのは、
それを社会的に支えている社会集団が存在しているからであり、
その支持集団の要求に応えなければ、存在自体を存続できないと思う。
ジャファリ首相続投問題を巡る対立を、
「イラクの今後の国家体制をどうするか、という基本的な問題を巡って
発生していると考えるべきである」と述べている。
それはその通りだと思う。
連邦制か中央集権制か、
クルドの求める<独立性の高い連邦制>
SCIRIの「南部シュメール連邦構想」も<独立性の高い連邦制>と言えると思う
それに対して、あくまでも<統一国家イラク>を求める者達。
基本的には、そういう観点が根底になければならないと思う。
しかし、ならば、
①スンニ派やアラウィ氏の世俗派は、何故ジャファリ氏続投に反対したのか
②同じダアワ党のマリキ氏なら何故肯定するのか
という疑問が直ちに浮かぶ。
①について
スンニ派がジャファリ首相続投に強硬に反対したのは、ジャファリ氏というより
SCIRIの内務省ポスト維持に反対だったという要素の方が強いと思う。
スンニ派は本来は連邦制に反対であり、その限りでは、
ジャファリ氏に反対している訳ではないと思う。
ジャファリ氏の中央主権制に反対したのではないと思う。
酒井女史はスンナ派政治家は「まがいもの」とみているようだ。
そういう観点は斬新だ。
しかし、スンナ派政治家は、2005年10月の憲法制定国民投票では、
一致団結して反対票を組織化している。
そういう意味では、当時のUIAは、憲法草案賛成であり、
ダアワ党もサドル派もその方針に賛成していたのだから、
スンナ派よりも中央集権制を強く求めているとは言えないと思う。
もちろん、憲法草案国民投票は、連邦制か中央集権制かを
唯一の争点にしていた訳ではなく、
政治プロセスを進める為のものという要素が強かったとも思うが。
②について
ジャファリ氏かマリキ氏かという、<個人的資質の問題>も確かにあるだろう。
しかし一国の首相を決定するのに、<個人的資質の問題>が第一義的な問題
だとは思えない。
しかるに、スンニ派その他は、ダアワ党のマリキ氏なら歓迎するという。
同じダアワ党なのだから、政治的立場、政治的方針にそう大きな違いがあるとは
思えない。違いがあるとしてもダアワ党という一つの党の方針の枠内である筈だ
まあ四か月の混乱自体を早急に収める必要があったのであるから妥協した訳だが
一体何をどう妥協したのかさえ明らかではない。
また、一言で、スンナ派政治家といっても、
・イラク合意戦線と
・イラク対話評議会とでは、
その支持層が違うようである。
・イラク合意戦線は、イラク・イスラム党を中核とするアラブ・スンナの
宗教勢力を支持基盤としており、
・イラク対話評議会は、元バース党員のムトラクが党首なのだから、
旧バース党支持層や、各種アラブ民族主義者や、アラブ・スンナの世俗派を
支持基盤にしているものと思われる。
スンナ派二大会派は、石油資源の乏しいスンニ派アラブ人にとって、
石油利益の配分比率という死活問題に対しては、
<スンニ派アラブ人>という利害関係でまとまるのは当然だと思う。
これは メッセージ 91180 (imonoyamashotengai さん)への返信です.
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