GOOD NIGHT,AND GOOD LUCK.
投稿者: jyonnconner 投稿日時: 2006/04/30 01:25 投稿番号: [91053 / 118550]
http://www.bcast.co.jp/cgi-bin/yahoo/movies.asx?cid=20060420005cs0000movie1m
http://wip.warnerbros.com/goodnightgoodluck/index1.html
ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20051009
50年代のCBSテレビの報道番組『See It Now』のアンカーマン、エド・マローが主人公。
題名の「おやすみなさい。そしてグッドラック」は番組の最後にマローが言う挨拶だ。
舞台は1954年、マッカーシー上院議員によるアカ狩りの真っ只中。
彼は少しでもリベラルな人間を見つけると「ソ連のスパイ」「アカ」「ピンコ(アカっぽい奴)」と決め付けて喚問した。
ソ連が核兵器開発でアメリカに追いつき、中国に共産主義政権が樹立したことで、アメリカ人は共産主義を恐怖していた。
アメリカ人たちは互いを疑い、密告し、裏切り、それを恐れて沈黙した。
特にユダヤ系や東欧系移民、学者やマスコミ関係者は片っ端から標的にされ、仕事を失い、破滅した。
追い詰められて自殺する者も多かった。
マロー(デヴィッド・ストラザーン)は、自分の番組で、マッカシーを撮った報道フィルムやテープから、彼の恐怖を巧みに使ったプロパガンダや虚偽や脅しのテクニックを抽出して視聴者に見せた。
「我々は恐怖に駆り立てられて、理性なき時代に進んだりはしません」
「共産主義の恐怖はマッカシーが作ったものではありませんが、彼はそれを利用しただけです」
「彼の行動は(アメリカ人同士を敵対させる行為で)敵に利するだけです」
これはマッカーシーへの宣戦布告だった。
マッカーシーに逆らうだけで「ソ連のスパイ」と決め付けられて世間から抹殺される時代だ。これは自殺行為だと思われた。
マッカーシーはCBSに抗議した。マローは番組の全部をマッカーシーの反論に提供した。
マッカーシーは視聴者を睨みつけてしゃべりまくった。
マローを「アカの犬どもの親分」と罵倒した。
「私は238人を公聴会で、367人を議会で喚問した」と狩った魔女の数を自慢した。
そして「我々は誰でも自由に思想を語れる自由の国に住んでいる。それを捨てて共産主義の奴隷になりたいか」と視聴者を脅した。
しかし、誰の目から見ても自由の敵はマッカーシー本人だった。
マローはコメントをつけず、いつもの挨拶で結んだ。
「おやすみなさい。そしてグッドラック」
それで充分だった。
マッカーシーの支持率は急降下し、議会はマッカーシーを「上院の尊厳を傷つけた」と決議し、アカ狩りは終わった。
(後略)
--------------------------------
今、行われていることは「共産主義」を「テロ」に置き換えただけの歴史の再現に過ぎない。
さて、連休だ。
「GOOD NIGHT,AND GOOD LUCK.」
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50年代のCBSテレビの報道番組『See It Now』のアンカーマン、エド・マローが主人公。
題名の「おやすみなさい。そしてグッドラック」は番組の最後にマローが言う挨拶だ。
舞台は1954年、マッカーシー上院議員によるアカ狩りの真っ只中。
彼は少しでもリベラルな人間を見つけると「ソ連のスパイ」「アカ」「ピンコ(アカっぽい奴)」と決め付けて喚問した。
ソ連が核兵器開発でアメリカに追いつき、中国に共産主義政権が樹立したことで、アメリカ人は共産主義を恐怖していた。
アメリカ人たちは互いを疑い、密告し、裏切り、それを恐れて沈黙した。
特にユダヤ系や東欧系移民、学者やマスコミ関係者は片っ端から標的にされ、仕事を失い、破滅した。
追い詰められて自殺する者も多かった。
マロー(デヴィッド・ストラザーン)は、自分の番組で、マッカシーを撮った報道フィルムやテープから、彼の恐怖を巧みに使ったプロパガンダや虚偽や脅しのテクニックを抽出して視聴者に見せた。
「我々は恐怖に駆り立てられて、理性なき時代に進んだりはしません」
「共産主義の恐怖はマッカシーが作ったものではありませんが、彼はそれを利用しただけです」
「彼の行動は(アメリカ人同士を敵対させる行為で)敵に利するだけです」
これはマッカーシーへの宣戦布告だった。
マッカーシーに逆らうだけで「ソ連のスパイ」と決め付けられて世間から抹殺される時代だ。これは自殺行為だと思われた。
マッカーシーはCBSに抗議した。マローは番組の全部をマッカーシーの反論に提供した。
マッカーシーは視聴者を睨みつけてしゃべりまくった。
マローを「アカの犬どもの親分」と罵倒した。
「私は238人を公聴会で、367人を議会で喚問した」と狩った魔女の数を自慢した。
そして「我々は誰でも自由に思想を語れる自由の国に住んでいる。それを捨てて共産主義の奴隷になりたいか」と視聴者を脅した。
しかし、誰の目から見ても自由の敵はマッカーシー本人だった。
マローはコメントをつけず、いつもの挨拶で結んだ。
「おやすみなさい。そしてグッドラック」
それで充分だった。
マッカーシーの支持率は急降下し、議会はマッカーシーを「上院の尊厳を傷つけた」と決議し、アカ狩りは終わった。
(後略)
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今、行われていることは「共産主義」を「テロ」に置き換えただけの歴史の再現に過ぎない。
さて、連休だ。
「GOOD NIGHT,AND GOOD LUCK.」
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