「アフガニスタン”民主化”選挙の一か月①
投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2005/10/29 05:34 投稿番号: [83558 / 118550]
立候補者の演説会が行われるモスクには溢れるほどの聴衆が集まりました。
「国の為に戦った者に投票すべきだ」(元軍閥)
「軍閥がこれまで一体何をしたのか問い掛けたい」(技術者)
「社会の半分は私達女性です。今こそ男性に肩を並べて立ち上がる時です」
(主婦)
これまで抑圧されてきた民衆が、
漸く自由な意思で投票することができる直接選挙です。
しかし、有権者の意思決定にイスラム社会特有の
ショーラと呼ばれる長老の寄り合いが大きな影響力を持っていました。
ショーラの決定には誰もが従う、それがこれまでの慣わしでした。
北部バルフ州の州都マザリシャリフ。
バルフ州では、下院11議席、州議会19議席。
女性を含む237人の候補者が争います。
バルフ州の農村地帯ショルガラ地区。人口十五万。
読み書きができる人は一割程です。
普段は静かなこの地域も選挙カーが走り回りました。
「選挙を知っていますか」
「こんな土地の農民が知る訳ないだろ」
「知らないのか、駄目じゃないか」
「生活がよくなることを望んでいる」
「これまで作った作物を自分で食べたことがなかった。
戦争中は全て奪われていたんだ」
モスクの屋上で一人の男性が叫び始めました。
「みんな集まれ、もうすぐ始まるぞ」
州都からやって来て、選挙演説を行いました。
選挙カーの前に、バイクに二人乗りして、プラカードを掲げる三台が先導。
武装したボディガードの先導でやって来たのは、サイード・ジャウィード候補。
内戦時代、この地域の実権を握っていた軍閥の司令官でした。
暫定政権で運輸大臣を任された程の実力者です。
会場に着くと、まず村の長老一人一人に握手を求めました。
武力によって力を誇示してきた軍閥も村の長老達の許可なく、
選挙演説を行うことはできません。
「我々がソ連を倒し、冷戦を終わらせたのだ。
第三次世界大戦を阻止した世界の英雄なのだ。
我々イスラム戦士に投票すべきだ。
国会はイスラム戦士のものでなければならない」
地区のイスラム最高指導者アブドゥル・マナン師は、
選挙の当落を左右する程大きな影響力を持っています。
ショーラの主催者です。
ショーラは人々の生活に起こる問題全てをイスラムの教えに基づいて解決します。
土地を巡っての争いや財産の相続問題、
強盗や殺人などの犯罪を裁くこともあります。
経済や政治まで全てが、このショーラを拠り所としています。
ショーラには村人からさまざまな質問が寄せられます。
「女性に教育を受けさせていいのかという質問がきている」
「学校に行っては駄目なんですか」
「女性が指導者になってはいけないということだ」
「なぜですか」
「女性が人前に出るようになるからだ」
「立候補者はショーラの代弁者であるべきだ。
我々の命令に従わなければならないのだ。
イスラムの教えが全てだ。
イスラムの教えに従わなければ、たとえ大統領でも否定する」
ショルガラ地区には、こうしたショーラが村や宗派ごとに約120あります。
それらを取りまとめ、地区全体を代表するのが、
イスラム指導者マナン師の率いるショーラです。
ショーラはこれまで、いわば村議会や地方議会の役割を果たしてきました。
軍閥出身の勢力に対抗する為、出馬した候補者がいました。
同じショルガラ地区出身のオラン・ハイダル・アフガル候補。
天然ガスや石油などのエネルギー開発の技術者です。
内戦時代から軍閥が資源を独占し、私腹を肥やしてきたと主張しています。
「私達の血を吸って贅沢をしている奴等を許す訳にはいかない。
彼らは私達の追及から逃れ、国会に行こうとしている。
もし私が当選したら必ず捕まえてやる。
20年もの苦しい戦いを経て、我々が唯一手にした大切な一票なのだ」
アフガル候補は遊説の途中、村の墓地を訪れました。
この地域はいつも戦乱の中にありました。
アフガル候補も二人の従兄弟を失いました。
自らもソ連軍に勾留され、十年近く牢獄に繋がれました。
今回立候補したのは、武力による支配を終わらせ、
今度こそ民衆の手に自由と平和を取り戻さなければと考えたからです。
「国が生まれ変わるだろうという我々の希望は、失望に変わろうとしています。
街をロケット弾で破壊し、罪のない国民を悲惨な目に遭わせた連中が
また政権に参加しているからです。もし更に彼らのような軍閥が国会議員に
なったら、その国会はどうなってしまうのか。
国民が長く待ち望んでいた民衆の為の国会になる筈はありません」
アフガル候補には、後ろ盾となる団体も、十分な資金
「国の為に戦った者に投票すべきだ」(元軍閥)
「軍閥がこれまで一体何をしたのか問い掛けたい」(技術者)
「社会の半分は私達女性です。今こそ男性に肩を並べて立ち上がる時です」
(主婦)
これまで抑圧されてきた民衆が、
漸く自由な意思で投票することができる直接選挙です。
しかし、有権者の意思決定にイスラム社会特有の
ショーラと呼ばれる長老の寄り合いが大きな影響力を持っていました。
ショーラの決定には誰もが従う、それがこれまでの慣わしでした。
北部バルフ州の州都マザリシャリフ。
バルフ州では、下院11議席、州議会19議席。
女性を含む237人の候補者が争います。
バルフ州の農村地帯ショルガラ地区。人口十五万。
読み書きができる人は一割程です。
普段は静かなこの地域も選挙カーが走り回りました。
「選挙を知っていますか」
「こんな土地の農民が知る訳ないだろ」
「知らないのか、駄目じゃないか」
「生活がよくなることを望んでいる」
「これまで作った作物を自分で食べたことがなかった。
戦争中は全て奪われていたんだ」
モスクの屋上で一人の男性が叫び始めました。
「みんな集まれ、もうすぐ始まるぞ」
州都からやって来て、選挙演説を行いました。
選挙カーの前に、バイクに二人乗りして、プラカードを掲げる三台が先導。
武装したボディガードの先導でやって来たのは、サイード・ジャウィード候補。
内戦時代、この地域の実権を握っていた軍閥の司令官でした。
暫定政権で運輸大臣を任された程の実力者です。
会場に着くと、まず村の長老一人一人に握手を求めました。
武力によって力を誇示してきた軍閥も村の長老達の許可なく、
選挙演説を行うことはできません。
「我々がソ連を倒し、冷戦を終わらせたのだ。
第三次世界大戦を阻止した世界の英雄なのだ。
我々イスラム戦士に投票すべきだ。
国会はイスラム戦士のものでなければならない」
地区のイスラム最高指導者アブドゥル・マナン師は、
選挙の当落を左右する程大きな影響力を持っています。
ショーラの主催者です。
ショーラは人々の生活に起こる問題全てをイスラムの教えに基づいて解決します。
土地を巡っての争いや財産の相続問題、
強盗や殺人などの犯罪を裁くこともあります。
経済や政治まで全てが、このショーラを拠り所としています。
ショーラには村人からさまざまな質問が寄せられます。
「女性に教育を受けさせていいのかという質問がきている」
「学校に行っては駄目なんですか」
「女性が指導者になってはいけないということだ」
「なぜですか」
「女性が人前に出るようになるからだ」
「立候補者はショーラの代弁者であるべきだ。
我々の命令に従わなければならないのだ。
イスラムの教えが全てだ。
イスラムの教えに従わなければ、たとえ大統領でも否定する」
ショルガラ地区には、こうしたショーラが村や宗派ごとに約120あります。
それらを取りまとめ、地区全体を代表するのが、
イスラム指導者マナン師の率いるショーラです。
ショーラはこれまで、いわば村議会や地方議会の役割を果たしてきました。
軍閥出身の勢力に対抗する為、出馬した候補者がいました。
同じショルガラ地区出身のオラン・ハイダル・アフガル候補。
天然ガスや石油などのエネルギー開発の技術者です。
内戦時代から軍閥が資源を独占し、私腹を肥やしてきたと主張しています。
「私達の血を吸って贅沢をしている奴等を許す訳にはいかない。
彼らは私達の追及から逃れ、国会に行こうとしている。
もし私が当選したら必ず捕まえてやる。
20年もの苦しい戦いを経て、我々が唯一手にした大切な一票なのだ」
アフガル候補は遊説の途中、村の墓地を訪れました。
この地域はいつも戦乱の中にありました。
アフガル候補も二人の従兄弟を失いました。
自らもソ連軍に勾留され、十年近く牢獄に繋がれました。
今回立候補したのは、武力による支配を終わらせ、
今度こそ民衆の手に自由と平和を取り戻さなければと考えたからです。
「国が生まれ変わるだろうという我々の希望は、失望に変わろうとしています。
街をロケット弾で破壊し、罪のない国民を悲惨な目に遭わせた連中が
また政権に参加しているからです。もし更に彼らのような軍閥が国会議員に
なったら、その国会はどうなってしまうのか。
国民が長く待ち望んでいた民衆の為の国会になる筈はありません」
アフガル候補には、後ろ盾となる団体も、十分な資金
これは メッセージ 81327 (imonoyamashotengai さん)への返信です.
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