スンニ派住民に意識変化
投稿者: asahisihnbun 投稿日時: 2005/10/25 23:20 投稿番号: [83420 / 118550]
◇スンニ派住民に意識変化
政治参加で権利拡大
【カイロ高橋宗男】イラクの国民投票(15日)で25日、新憲法案が承認された。しかし、投票結果は多くのイスラム教スンニ派住民が連邦制を明記した憲法案に強く反対したことを示している。連邦制をめぐる各派対立の根深さが改めて浮き彫りになり、イラクの政治状況が安定する見通しは立っていない。
憲法案について、スンニ派住民が最も反発していたのは連邦制の規定だ。憲法案では、複数の県が合併する形で「地域政府」の樹立が可能で、これは独立国家に近い権限が与えられている。
すでに、自治を行う北部クルド地域に加え、南部のシーア派も将来の地域政府樹立に含みを持たせている。これに対し、スンニ派の多い中部から西部にかけての地域は石油資源もなく農業にも適さない。北部と南部が地域政府を作ることはスンニ派にとって死活問題となり、これが強い反対の背景だ。
国民投票への対応では、イラク・イスラム党などのスンニ派の一部組織が正式政府発足後に憲法を修正することで妥協、賛成に転じた。しかし、投票結果によると、アンバル県やサラハディン県で反対票が3分の2を大きく上回り、連邦制に対するスンニ派の拒否反応の強さを示した。シーア派、クルド人はほとんどが憲法案を支持しており、憲法案への考えの違いが大きいことを改めて示したといえる。
スンニ派住民の間には、1月の移行国民議会選をボイコットしたことで同派の政治的影響力が弱体化し、憲法案に同派の主張が反映されなかったとの反省があった。今回の国民投票をボイコットすれば、再び政治プロセスから置き去りにされ、再び悪循環に陥るとの危惧(きぐ)があり、今回は比較的多くが投票に参加した。政治プロセスに参加しなければ自派の権利拡大は望めないとの意識が、スンニ派の間に広がったためだ。
しかし、米政府や移行政府の一部には、「スンニ派が強く反対したまま憲法案が承認されることが最悪のシナリオ」との見方もあった。これは、スンニ派が強く反対したまま政治プロセスだけが進むよりは、憲法案が否決された方がまし、との考えからだ。
憲法案は承認されたが、スンニ派住民の不満は根強い。政治プロセスは進んだといえるが、憲法をめぐる各派の対立は残ったままだ。現地有力紙アルサバハのイスマイル・ザイエル編集局長は「政治の場で意見を戦わせることの重要性が明確になった」とする一方、「スンニ派の意向を尊重することが重要になる」と述べた。今後検討される憲法修正に、スンニ派がどの程度納得するかが焦点となりそうだ。
【カイロ高橋宗男】イラクの国民投票(15日)で25日、新憲法案が承認された。しかし、投票結果は多くのイスラム教スンニ派住民が連邦制を明記した憲法案に強く反対したことを示している。連邦制をめぐる各派対立の根深さが改めて浮き彫りになり、イラクの政治状況が安定する見通しは立っていない。
憲法案について、スンニ派住民が最も反発していたのは連邦制の規定だ。憲法案では、複数の県が合併する形で「地域政府」の樹立が可能で、これは独立国家に近い権限が与えられている。
すでに、自治を行う北部クルド地域に加え、南部のシーア派も将来の地域政府樹立に含みを持たせている。これに対し、スンニ派の多い中部から西部にかけての地域は石油資源もなく農業にも適さない。北部と南部が地域政府を作ることはスンニ派にとって死活問題となり、これが強い反対の背景だ。
国民投票への対応では、イラク・イスラム党などのスンニ派の一部組織が正式政府発足後に憲法を修正することで妥協、賛成に転じた。しかし、投票結果によると、アンバル県やサラハディン県で反対票が3分の2を大きく上回り、連邦制に対するスンニ派の拒否反応の強さを示した。シーア派、クルド人はほとんどが憲法案を支持しており、憲法案への考えの違いが大きいことを改めて示したといえる。
スンニ派住民の間には、1月の移行国民議会選をボイコットしたことで同派の政治的影響力が弱体化し、憲法案に同派の主張が反映されなかったとの反省があった。今回の国民投票をボイコットすれば、再び政治プロセスから置き去りにされ、再び悪循環に陥るとの危惧(きぐ)があり、今回は比較的多くが投票に参加した。政治プロセスに参加しなければ自派の権利拡大は望めないとの意識が、スンニ派の間に広がったためだ。
しかし、米政府や移行政府の一部には、「スンニ派が強く反対したまま憲法案が承認されることが最悪のシナリオ」との見方もあった。これは、スンニ派が強く反対したまま政治プロセスだけが進むよりは、憲法案が否決された方がまし、との考えからだ。
憲法案は承認されたが、スンニ派住民の不満は根強い。政治プロセスは進んだといえるが、憲法をめぐる各派の対立は残ったままだ。現地有力紙アルサバハのイスマイル・ザイエル編集局長は「政治の場で意見を戦わせることの重要性が明確になった」とする一方、「スンニ派の意向を尊重することが重要になる」と述べた。今後検討される憲法修正に、スンニ派がどの程度納得するかが焦点となりそうだ。
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